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時代を見通す日本の基礎情報

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「出展拒否で事前“検閲”発生」釈明は「的外れあいちトリエンナーレ問題、津田氏の弁解に専門家が疑問 

愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の余波が収まらない。昭和天皇の写真をバーナーで焼いて灰を踏み付けるような映像作品や、「慰安婦像」として知られる少女像などがあった企画展をめぐり、芸術監督でありジャーナリストの津田大介氏は、自ら出品を拒否すれば「事前“検閲”が発生」したことになると釈明したこの説明に対し、専門家から疑問が投げかけられた。

 津田氏は15日、自身のツイッターに《あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」に関するお詫びと報告》と投稿した。

 この中で、津田氏は、企画展の実行委員会から《「少女像を展示できないのならば、その状況こそが検閲であり、この企画はやる意味がない」と断固拒否されました》と明かした。さらに、展示を拒否された作品を再出品した趣旨を説明し、《自分の判断で出展を取りやめにしてしまうと同様の事前“検閲”が発生したことになります》と釈明した。

 どうも、「検閲」という言葉に違和感を覚える。専門家に聞いた

弁護士の高橋裕樹氏は「検閲の定義は、行政権が主体となり、表現物について事前に内容を審査して、不適切と認めるものの発表を禁止することだ。今回は、美術展で裁量のある人間(=津田氏)が展示品を選択する場面であり、事前に発表を禁止する性質のものではない。公的資金が入るイベントか否かに関わらず、検閲という言葉は的外れ」と解説した。

 津田氏は前出のツイートで《芸術監督として現場のリスクを減らす判断をするか、“作家(不自由展実行委)”の表現の自由を守るかという難しい二択を迫られた自分は、不自由展実行委と議論する過程で後者を判断しました》とも述べた

 麗澤大学の八木秀次教授(憲法学)は「逃げ口上に感じる」と指摘し、続けた。

 「表現の自由(憲法21条)といえども、公共の福祉の制約(同12条)を受ける。芸術も、表現の自由において特権的地位がないこともある。(津田氏が)これを理解できなかったことが最初のボタンの掛け違いだ。『仕方なく出品した』という“弱者の立場”に立った弁解に聞こえるが、芸術監督は主催者側の立場にある。『どういう展示が良いか』、きちんと作家と話し合うべきだった。作家の一方的な責任にしているように感じる」

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