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自民党総裁選は14日、投開票が行われ、菅義偉官房長官が第26代総裁に選ばれた。菅氏は16日召集の臨時国会で「新首相」に選出され、新型コロナウイルス対策や日本経済再生策に着手するが、日本を取り巻く安全保障環境も緊迫している。中国軍は先週、台湾の防衛識別圏内に戦闘機などを40回以上も侵入させた。共産党独裁国家による軍事的覇権拡大に、菅氏は毅然(きぜん)と対処できるのか。安倍晋三首相が「自由・民主主義」「基本的人権」「法の支配」を守るために提唱し、自由主義諸国が賛同した「セキュリティ・ダイヤモンド構想」の今後は。ジャーナリストの加賀孝英氏の最新リポート。
◇
「ドナルド・トランプ米大統領は、中国共産党を本気で潰す気だ。中国幹部らが震えて、あらゆるルートで、米国に『助けてくれ』と泣きついてきている」「習近平国家主席は完全に追い詰められた。危ない。軍部に『10月と11月にXデー』を設定、『台湾急襲統一(侵略)作戦の準備を命令した』という情報がある。『沖縄県・尖閣諸島強奪』の軍事行動が同時決行される危険がある」
米情報当局関係者はこう語った。
まず、重大事態が先週発生した。
台湾国防部は、9日から10日にかけて、中国軍の戦闘機「Su-30(スホーイ30)」や「殲10」など多数の軍用機が、計40回以上、台湾南西の防空識別圏に次々と侵入した、と発表した。
防衛省関係者は「異例の事態だ。台湾軍の戦闘機がスクランブル(緊急発進)して対応した。『一部でドッグファイト(空中戦闘)に近い状態があった』という情報もある」といい、「わざと衝突・接触事故などを起こし、中国側が『台湾機が攻撃した』と、一気に台湾侵攻作戦を決行する危険も考えられる。奇襲作戦でよく使う手だ。日米防衛当局は緊張状態だった」と語った。
こうしたなか、「安倍政治の継承」を掲げる菅氏率いる新内閣が16日、いよいよ誕生する。
(1)新型コロナの拡大抑止(2)コロナ禍で壊滅的打撃を受けた各種産業の救済・再生(3)倒産・失業などの直撃を受けた国民の生活支援-など、課題は山積だ。だが、それ以上に深刻なのは安全保障問題。中国の問題だ。
その中国がいま、断末魔の悲鳴をあげている。以下、日米情報当局から入手した驚愕(きょうがく)情報だ。
「スティーブン・ビーガン米国務副長官は8月31日、米印戦略フォーラムで、『中国を封じ込め』などを目的に、米国と日本、オーストラリア、インドによる『QUAD(日米豪印戦略対話)』を将来、『アジア版NATO(北大西洋条約機構)』にする構想を電撃披露した。NATOは旧ソビエト連邦を崩壊させた。中国も同じ運命だ」
「トランプ氏は、経済面で容赦ない中国潰しに入った。先月末、中国で事業を展開する米企業に対し、中国から撤退するよう求めた。今後、『中国との経済断交』『銀行に対する中国企業との取引停止命令』『米国中心のグローバル経済からの中国追放』をやる。中国経済は地獄をみる。習氏への不満が爆発し、内紛が起きている。習氏の『引きずり下ろし工作』が始まった」
米国は今の戦いを、「自由・民主主義諸国連合vs世界制覇の野望を持つ共産党独裁国家」と規定している。中国は「トランプ氏が11月の大統領選前に、南シナ海の中国の埋め立て基地に対する奇襲爆撃攻撃を決断する」と本気で震え上がっている。問題は台湾だ。前出の日米情報当局関係者の情報はこうだ。
「台湾の蔡英文総統は、あらゆる場所で中国の侵略行為を批判し、『インド太平洋戦略』は世界平和の基軸だと絶賛し、『民主主義国家は団結し、中国を完全排除した新たなサプライチェーンを構築すべきだ』と、命がけで主張している。トランプ氏が進める『グローバル経済からの中国追放』の最前線に決然と立った。EU(欧州連合)、インドのナレンドラ・モディ首相らが賛同、世界が中国排除で動き出した。中国は終わりだ」
■菅氏は中国に対し断固たる姿勢を
外務省関係者はこういう。
「米国の『インド太平洋戦略』は、安倍首相が掲げた『セキュリティ・ダイヤモンド構想』そのものだ。日本の首相の外交戦略が、そのまま米国の世界戦略になった。前代未聞の快挙だ。トランプ氏以下、全世界の主要トップが安倍首相の辞任を心から惜しんだ。こんなすごい首相は一人もいない」
菅氏に申し上げたい。米国をはじめ全世界があなたに注目している。安倍首相同様、中国に対して断固たる姿勢をとれるかどうかだ。中国のスパイと「媚中政治家」が、「日米分断、首相懐柔」工作に総力をあげて動いている。だまされてはいけない。香港の次は台湾と沖縄・尖閣諸島、その次は沖縄本島だ。厳重警戒態勢を一瞬たりとも緩めてはならない。
■加賀孝英(かが・こうえい)