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北朝鮮「瀬取り」取り締まりへ大型警備艦派遣トランプ氏、韓国をワシントン“出禁”に!?

ドナルド・トランプ米政権による、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権への不満が限界に達したようだ。米国務省が、韓国外務省にワシントンに来ないよう伝えたと報じられたのだ。文政権が、北朝鮮の外貨獲得手段である「金剛山(クムガンサン)観光」と「開城(ケソン)工業団地」の再開に意欲を示したことに反発したとみられる。こうしたなか、北朝鮮による「瀬取り」を取り締まるため米沿岸警備隊の大型警備艦が朝鮮半島に派遣された。米政府内では「韓国は、米国とは別の道を歩む」という見方が広まっており、文政権への強い不信を示す対応といえそうだ。

 「金剛山観光再開と開城工業団地再稼働問題を言及するつもりなら(ワシントンに)来ないでもらいたい

 韓国紙、中央日報(日本語版)は26日、米国務省の官僚がワシントンの韓国側消息筋にこう伝えたと報じた。

 両事業は、北朝鮮の「ドル箱」として知られている。

 金大中(キム・デジュン)政権時代の1998年にスタートした金剛山観光事業では、2008年の中断まで、事業の権利費だけで韓国の財閥から約4億8000万ドル(約530億円)が北朝鮮に渡ったとされる

 もう一つの開城工業団地は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の04年に操業が始まり16年の事業中断までに北朝鮮労働者への賃金名目に約5億6000万ドル(約615億円)が支払われた。

 北朝鮮に「核・ミサイル」開発を放棄させるため、国際社会は経済制裁で北朝鮮への外貨流入を阻止している。両事業の再開は、北朝鮮を利する恐れがあるが、「従北」の文政権は再開に前のめりとなっている

 文大統領は1月の年頭記者会見で、「南北双方の利益になる」「制裁問題の迅速な解決のために米国などと協力していく」と述べたベトナムでの米朝首脳会談を決裂させたトランプ政権にとって、韓国の動きに憂慮・反発するのは当然といえる。

 冒頭の中央日報の記事では、韓国の外交安保部署の当局者が「このような状況では米国を説得するのは容易でない。国益のためには(青瓦台に)苦言を呈するべきではないかという気がする」と用心深く吐露したと紹介されている。

 トランプ政権の「韓国不信」は、軍事的行動にも表れている

 米軍のインド太平洋司令部は19日、沿岸警備隊の大型警備艦「バーソルフ」(4500トン級)が、東シナ海で、北朝鮮による洋上での違法な積み荷の移し替えである「瀬取り」を取り締まると発表した。

 米沿岸警備隊は、1915年に創設された任務としては、公海や米国が管轄する水域での法執行をはじめ、上空からの海上監視、国際合意に基づいた砕氷活動などがある。さらに戦時には、海軍の特別部局として機能するよう準備態勢を維持することまで含まれているのだ。

 軍隊的性質を持つ沿岸警備隊から、駆逐艦クラスの大型警備艦が派遣されたことに、韓国メディアは敏感に反応し、その目的を推測した。

 東亜日報(日本語版)は「韓国政府に対する警告シグナルとも解釈される。韓国政府が南北経済協力を強調し、北朝鮮の制裁緩和の主張を後押しするような態度を見せていることへの不満が反映されているということだ」と指摘した。

 中央日報(同)に至っては、社説で「韓半島沖の北朝鮮船の瀬取り摘発に韓国が消極的だという不信感を抱いていると考えられる」として、「今からでも政府は国際社会の対北朝鮮制裁基調に歩調を合わせて米国の信頼を取り戻し、北朝鮮には誠実な核放棄だけが体制の保証と経済支援をつかむ道であることを粘り強く説得する必要がある」と呼びかけた

 文政権下の韓国では、「対北制裁破り」の“前科”がある

 昨年には、韓国の輸入業者3社が、国連制裁で禁輸品となっている北朝鮮産石炭などをロシア産と偽装するなどして、違法に輸入していたことが発表されて問題となった。

 昨年12月、韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊哨戒機への火器管制用レーダー照射事件が発生した際、韓国側は「(北朝鮮漁船に)人道的な救助活動」をしていたと説明した。だが、自衛隊も海上保安庁も救難信号を受信しておらず、韓国側がどうやって北朝鮮漁船のSOSを察知したのかについて、日米両国は疑問視している。

 米国政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「米国政府は文政権をまったく信用していない。『北朝鮮のエージェントとみている。トランプ氏は最近、大規模な対北朝鮮制裁の追加を撤回したが、従来の制裁の抜け穴を塞ぐことには力を入れている。瀬取りについては、韓国が北朝鮮を支援しているとの見方もある。沿岸警備隊は事実上軍隊の一部であり、大型警備艦の派遣は、トランプ政権が韓国への軍事的圧力に踏み切ったということではないかと話した。

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