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韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相が、日韓関係の改善をめぐって、「韓国による日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄決定」と、「日本の輸出管理強化」をセットで協議すべきだと提案してきたという。この2つは次元が違う話であるうえ、韓国が困っている問題であり、決して日韓の交渉材料にはならない。文在寅(ムン・ジェイン)政権の独善性が明らかになった。
「根幹にある徴用工問題の解決が最優先だ。国と国との約束をしっかり守ってもらいたい。その一言に尽きる」
安倍晋三首相は3日、韓国訪問から帰国した河村建夫元官房長官(日韓議員連盟幹事長)と首相官邸で会談した際、李氏の提案を聞き、こう突き放したという。至極当然の判断だ。
文政権の提案は、河村氏が先月31日から訪韓し、ソウルで李氏と会談した際、明かされたというが、あぜんとする。
日本の輸出管理強化は、大量破壊兵器に転用可能な戦略物資について、韓国の輸出管理に疑わしい事案が続出したためである。韓国を輸出管理の優遇対象国「グループA(『ホワイト国』から改称)」に戻すには、韓国が輸出管理を徹底すればいいだけだ。
一方、GSOMIA破棄は文政権が決めたことだ。日本は偵察衛星を7基運用し、北海道から沖縄まで広範囲で北朝鮮の電波情報を収集し、哨戒機を70機以上保有しており、破棄されても大して困らない。韓国こそ、日本の情報が得られなくなり、協定締結を主導した米国を裏切ることになるため困るとみられる。
安倍首相は、自分の都合だけ押し付ける文政権に立腹しただけでなく、こんな提案を持ち帰った河村氏にも内心あきれているのではないか。日韓議連は必要なのか?