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過熱する“反日”によって韓国人観光客が激減する長崎県の離島、対馬。現地の商店や自治体を直撃すると、やはり打撃はあるようだが、現地では以前から韓国人観光客のマナーの悪さは目に余っていたとの声も聞こえてくる。韓国人以外の観光客も呼び込むことでピンチをチャンスに変えることはできるのか。
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対馬は九州北西の玄界灘に浮かぶ約709平方キロメートルの離島。リアス式海岸の浅茅(あそう)湾や国指定天然記念物のツシマヤマネコで知られる。飛鳥時代には白村江(はくすきのえ)の戦いで、防衛のためにのろし台や防人(さきもり)が配置された島でもある。
対馬市の発表によると、2018年の同市における韓国人観光客数は、40万9882人(前年比約5万4000人増)で、7年連続過去最多を記録した。今年上半期の観光客数は約22万人で、8年連続の記録更新が期待されていた。
ただ、ここに来て、反日感情がヒートアップし、対馬と韓国・釜山(プサン)を結ぶフェリーが相次いで運休、街の至る所でハングルを目にする対馬だが、閑古鳥が鳴いているという。
地元の食品を製造・加工する「うえはら」では、「多いときで1日に100人来ていた韓国人は現在7割減ほどで、売り上げも激減した」(担当者)と嘆く。
一方で、今回の事態が起こる前に韓国人観光客のマナーの悪さに憤りを覚えて入店に制限を掛けていたことで、打撃が最小限にとどまっている商店もある。
靴を販売する「やまさ屋」の東島茂孝さん(65)は、どこにでもタバコをポイ捨てし、ゴミ袋を隠し捨てる姿に憤りを覚えていた。過去には団体で入ってきた韓国人観光客に15万~16万円相当の商品を盗まれた経験もあることから、同店は日本語が通じて購入の意思がある観光客に入店を制限しているという。
観光業が大打撃を受けている現状について東島氏は、「日本人のリピーターが増えるような対応をしてこなかったことで、外国人を呼び込む結果になった。これを機会に改めて、日本人観光客に向けた価格や歴史など魅力あるところを発信してもらいたい」と期待を寄せる。
復活の打開策はあるのか。島が好きすぎて移住した対馬観光大使(非公認)の対馬おじさんこと松尾俊通さん(67)に話を聞いた。
「歴史もあるし、山もあってトレッキングやサイクリングもできます。釣り場としても有名ですし、魚介類は本土では味わえない鮮度です。クエやエソ、アラなど高級魚がスーパーに並んでいますし、何といっても安い」と魅力をアピールする。
松尾さんによると、以前は、韓国人が多すぎて、対馬には行かないという日本人の話も聞いたというが、今なら魅力ある対馬を独り占めできそうだ。