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韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が、国際舞台で大失敗をやらかした。日本政府による韓国向け半導体素材などの輸出管理強化について、WTO(世界貿易機関)一般理事会で「自由貿易への逆行」などと批判したが、日本の「安全保障上の運用見直し」という主張を覆せず、他国は無反応だったのだ。韓国政府は今後、「日本の措置=いわゆる『元徴用工』訴訟の報復」という筋違いの主張を展開し、WTOへの提訴を目指すが、日本政府は動じていない。WTOの規定上、勝利を確信しているうえ、韓国の提訴は自縄自縛に陥りかねない愚策だからだ。
「日本は多くの国と同様、定期的に輸出管理を見直している。(今回の輸出管理強化は)輸出管理制度に基づく措置で、安全保障の観点から(大量破壊兵器の)関連物資・技術の拡散を防ぐことを目的としている。WTOの場で取り上げるのは適切ではない」
伊原純一・駐ジュネーブ国際機関政府代表部大使は24日、WTOの一般理事会で、こう堂々と主張した。
これは、韓国産業通商資源省の金勝鎬(キム・スンホ)新通商秩序戦略室長が「WTO体制に脅威を与える措置。韓国は半導体分野の主要製造国であり、世界の供給網に影響する」などと、日本を批判したためだ。
両国の主張に対し、理事会で第三国からの発言はなかった。ロイター通信は25日、「韓国は国際社会を動員して日本の動きを牽制(けんせい)しようとしたが、WTO関係筋によると、いずれの国も介入する姿勢を示さなかった」と伝えた。
国際社会を巻き込んで、「反日」包囲網を構築しようとした韓国・文政権の工作は水泡に帰した。
理事会での工作失敗後、金氏は記者会見でのアピール作戦に転じた。
会見では、いわゆる「元徴用工」をめぐる訴訟を持ち出し、「何百万人も徴用された問題で、適切な協議ができない状態のなか、日本は今回の輸出規制を導入した」と述べ、日本の措置を政治的圧力との見方を示した。
あきれた主張としかいいようがない。
そもそも、徴用は、戦時下の労働力不足に対処するため、1939年に制定された「国民徴用令」に基づき、日本国民すべてを対象とした義務だった。当時、日本国民だった朝鮮人に適用されたのは国際法に照らしても、問題はない。給与も法律で決められており、留守家族には収入減の補償まであった。
さらに、日韓の請求権問題については、65年の日韓請求権・経済協力協定で「完全かつ最終的に解決」と確認されている。徴用工訴訟の判決自体が異常なのだ。
自由貿易を促進する機関であるWTOで、まったく筋違いの歴史問題を持ち出し、日本を批判しようとしたわけだ。韓国の主張は「ピンボケ」「悪質」としかいいようがない。
韓国政府としては、経済を支える半導体産業への影響が甚大とみて、なりふり構わぬ対応に出ているようだが、国際社会の支持はまったく得られそうにない
実は、半導体で高いシェアを持つ韓国のサムスン電子などを猛追しているのは、米国や中国の企業である。韓国メーカーの没落は、米中企業の躍進を意味する。
現在3素材に限定されている韓国向け輸出管理見直しの対象も、今後、大きく広がる見通しとなっている。
WTOの一般理事会が開かれた24日は、日本政府が安全保障上の輸出管理で優遇措置を取っている「ホワイト国」から、韓国を除外する方針の是非について、経産省が実施していたパブリックコメント(意見公募)の締め切り日だった。
寄せられた意見は数万件とされ、「圧倒的に賛成意見が多い」(政府高官)という。
「ホワイト国」からの除外措置が実施されれば、韓国の主要産業の1つである自動車など広範囲に影響が広がることになる。韓国政府は日本をWTOに提訴する準備を進めているが、「愚策」との見方がある
提訴の場合、「最終審」にあたる上級委員会の判断が出るまでには3~4年かかる。対日関係が悪化したままの状態が続けば、韓国経済は深刻なダメージを受けることは確実で、文政権の支持率にも影響を与えることになる。
WTO提訴が「韓国自身の首を締める」との見方もある。
官邸関係者は「韓国政府は『日本の報復は許せない』と主張して提訴するのだろうが、そもそも日本の措置は報復ではない。むしろ、報復を批判する韓国は今後、日本への報復措置を取ることができなくなる。韓国は『自縄自縛』状態に陥ることになる。文政権には知恵者はいない。まったく愚かだ。脊髄反射で反日行動に走っているのではないか」と語った。