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しかし、韓国の証券会社は、現代自の2018年4~6月期の営業利益を前年同期比32・9%減と予測し、「満足度調査で1~3位」という好材料にもかかわらず、「買い」を勧めていない。何だか、おかしい。
現代自グループの乗用車(=ブランド名では『ジェネシス』『ヒョンデ』『キア』)が米国の購入者の満足度調査で上位を占めたのは、今回が初めてではない。
14年の同じ調査でも、ポルシェやジャガーといった高級車種を除く一般ブランドでは、ヒョンデ1位、キア2位だった。15年はキア1位、ヒョンデ2位。
16年は高級車種も含めた全ブランドの中で、キア1位、ヒョンデ3位になり、中央日報(16年6月24日)は「ベンツ・BMWの品質上回った…格が変わった現代・起亜車」との大見出しを打った(=満足度が品質にすり替わった)。
17年は現代自の高級バージョンであるジェネシスが1位になった。これを取り上げた中央日報(17年6月23日)社説の見出しは「ポルシェを抜いた現代自と、東芝を買収したSK(=韓国の財閥)に拍手を」。脇道にそれるが、この時点で韓国人の脳内は、SKが東芝を買収したことになっていたとも言える。
そして、18年の「1~3位独占」だ。韓国経済新聞(18年6月21日)は「『品質経営』の結実」との見出しで、現代自グループの品質改善への取り組み姿勢を絶賛した。朝鮮日報(18年6月22日)も「世界的なブランドに成長した現代自動車」と大いに持ち上げた。
では、米国での韓国車のシェアは大幅に伸びたのか。
13年は8・1%だった。17年は7・4%まで落ちたが、18年1~5月は8・6%。
一時は落ちたが、また盛り返しているように見えるが、実は18年4月からGMが月間販売数を公表しなくなったため、シェアを計る分母が変わっている。GMの国内シェアは17%程度あるから、この影響は大きい。GM分を含む18年1~3月の現代自グループのシェアは7・7%だった(=シェアの数値はMARKLINESより)。
素晴らしい調査結果の連続にもかかわらず、現代自グループの対米販売は低迷を続けているのだ。
そもそも、この満足度調査は、新車のさまざまな評価ポイントを科学的に比較した結果ではない。ある車種を買った人物の主観をまとめたに過ぎない。だから、「こんなに安い車なのに、マアマアではないか」と思う人がたくさんいれば、その車種に対する満足度は高まるのだ。
しかし、多くの韓国人は、そうは思うまい。
愛国心の強い韓国に日本で売れないのは、安倍晋三政権が韓国車を差別的に扱っているからだ」と話を転がしていくことだろう。人なら「わが国の乗用車の品質は世界一だ」「それは米国人が認めている事実だ」と状況を把握し、次は「それなのに日本で売れないのは、安倍晋三政権が韓国車を差別的に扱っているからだ」と話を転がしていくことだろう。