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時代を見通す日本の基礎情報

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米爆撃機が中国の“防空圏”を飛行したねらい日本をキレさせないため?

グアム・アンダーセン空軍基地から離陸した米軍のB-52爆撃機2機が、米東部標準時26日午後7時(日本時間翌朝7時)頃、中国が主張し始めた防空識別圏を無通告で飛行した。B-52は日本の防空識別圏も通過しているが、日本側には通告を行っており、明らかに意図的な侵入である。

Komenton / Shutterstock.com

 これに対し中国側からは、何ら通信・妨害などの動きはなかったという。ただし中国国防部は27日、「中国軍はB-52爆撃機のすべての飛行行程を監視していた」と述べたと報じられている。

色々な意味で予定通りの飛行】
 各紙は、これが中国の防空識別圏宣言を受けての行動ではなく、以前から計画されていた演習の一環だと報じている。B-52には武装は搭載されておらず、護衛戦闘機も伴っていなかった。

 ただし米当局者によると、防空識別圏宣言に対して、演習の中止や飛行経路の変更が考慮されたわけでもないと、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は伝えている。米側は防空識別圏の設置が「適切とも、地域の安定の利益のためになるとも思っていない」と明確にするために、この「挑戦」を行ったのだという。

 ホワイトハウスのアーネスト報道官は、「中国が発表した政策は必要以上に扇動的」と語っている。ヘーゲル米国防長官も、米国防総省は「あらゆる点で、米国がこの地域で軍事作戦を実施する方法を変更」はしないと述べた。フィナンシャル・タイムズ紙も、「日本の航空機に何をしても米国は反応しないだろうと中国が誤算するのを防ぐ」ため、この地域を飛び続けることは米国にとって必須だとの、専門家の見方を伝えている。

【米国の介入は同盟国を安心させるためか】
 一見危険な挑戦であるが、これはむしろ地域の同盟国を安心させるためだと見るアナリストもいると、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は伝えている。安倍首相がタカ派なこともあって、日本は尖閣問題について明らかに強硬路線を決断しており、放っておくと自ら、より「直接的な挑戦」に訴える心配があるのだという。

 日航や全日空は中国の宣言直後、これに従って、防空識別圏進入時には中国民用航空局当局に通知を入れる方針を決めていた。しかし26日、日本の航空当局から、中国側の要求を無視するよう命じる圧力が掛かり、見送っている。なお中国側は、民間の定期航空便は対象外だと表明している。

【東南シナ海のパワーショー合戦】
 同紙は、中国がやはり近隣諸国との領土紛争を抱える南シナ海に向け、同国初の空母遼寧が処女航海に出発したことも報じている。また、中国は今後さらなる防空識別圏の設定を計画しており、アナリストらは、今度は南シナ海だと予想しているという。

 一方USAトゥデイは、空母ジョージ・ワシントンを中心とする米艦隊が26日、日米合同演習のために沖縄南東海域に集結したことも報じている

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