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時代を見通す日本の基礎情報

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メルペイ・米国進出の大失敗でヤフーに買われるかメルカリ、70億円赤字で経営危機へ

メルカリといえばフリマアプリの会社です。昨年6月に東証マザーズに上場しました。当時は大きな話題となり、多くの投資家が期待を乗せて株を購入しました。

しかし、当時から業績は赤字でした。国内事業では黒字が出ていたものの、成長の軸に位置づける米国事業への先行投資が業績を押し下げていたのです。

【関連】メルカリ、もうすぐ上場。時価総額4000億円にして実は「赤字企業」の落とし穴=栫井駿介

それでも、社長の山田進太郎氏の強気発言もあり、多くの投資家は大船に乗ったつもりでいました。米国事業もやがて大きく伸びて成長に貢献するだろうと考えたのです。ところが、上場から1年経った現在においてもいまだに赤字が続いています。

もっとも、成長企業の赤字は必ずしも悪いことではありません。先行投資がかさんで赤字になることだってあります。大切なのは売上が伸びているなど、具体的な進展が見られることです。

米国事業が伸びないのは「文化の違い」

それでは、成長の軸とされる米国事業の状況を見てみましょう。以下が米国の取扱総額の推移です。

相当なコストをかけているにもかかわらず伸びていないことです。

コストの内訳は、主に広告宣伝費です。一般的に広告宣伝費をかければ、大抵のものはそれなりには伸びます。それなのにほとんど伸びていないということは、よほど米国市場から受け入れられていないと考えざるを得ません。

要因として考えられるのが、日米の文化の違いです。日本では物を大切に扱う文化が根づいているからこそ、買い手も安心して購入できます。また、フリマアプリでは欠かせない宅配の質も世界一素晴らしいものです。

一方の米国では、日本ほど物を大切に扱う文化はありません。そのため、中古品を売買する時には目で見て確認することが基本となっています。

老舗のCraigslistというサイトでは、地域ごとに商品を検索する仕組みとなっています。最近ではFacebookで直接売買することも多いようです。実名登録制となっているFacebookだからこそ、安心して取引ができるというわけです。

そんな状況でメルカリが割って入るのは難しかったのではないでしょうか。このまま続けていてもお金をドブに捨て続けるようなものです。今メルカリに求められていることは、潔く米国から撤退することだと考えます。

メルカリはフリマアプリで一大市場を築きました。使いやすいアプリを作り、PCをあまり使わない主婦層に広く受け入れられたのです。「ペットボトルの蓋」も売り物になるなど、不用品の売買に新たな機会を提供してきました。

しかし、その流れはあっという間に止まってしまいました。どちらかと言えば、購入者より出品者が不足しているようなのです。

私もメルカリで何点か出品したので、その理由が分かる気がします。

最初は楽しくてどんどん出品したくなります。しかし、飽きてくると途端に出品するのが面倒になってしまうのです。商品の写真を取って説明を書き、売れたら梱包して発送しなければなりません。これははっきり言って「労働」です。

頑張って出品しても、コメントが付いたかと思えば「値下げ交渉」でうんざりしてしまいます。ヤフオクに慣れた身としてはどうしても受け入れられません。その上、売れた金額から10%もの手数料が取られてしまいます。

結果、手元にお金が入るまでに「労働」「値引き交渉」「梱包資材」「手数料」という何重ものコストがかかってしまうのです。これでは新たなユーザーには浸透しにくいでしょう。

すなわち、フリーマケット市場は決して成長市場だったのではなく、それまでの空白地帯に急速に浸透しただけで、飽和になるのも早かったのです。

そのYahoo!が本腰を入れ始めたのが、「PayPayフリマ」です。

最大20%還元キャンペーンを開催し、メルカリに本格的に対抗しようとしています。ヤフオクがスマホ対応で遅れた分を挽回しにかかっているのです。

Yahoo!を含むソフトバンクグループに目をつけられるということは、もはやライオンに取り囲まれたシマウマのようなものです。PayPayフリマはあらゆる手段を使ってシェアを獲得しようとしてくるでしょう。

PayPayと言えば、QRコード決済でメルカリの「メルペイ」とも競合する立場にあります。もっとも、シェアでは圧倒的な差が出ていて、以下の資料ではPayPayが35.4%、メルペイが3.5%と10倍もの差があります。


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