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時代を見通す日本の基礎情報

日本を取り巻くアジア情勢の変化 世界の情報を辛口で伝える情報部ログ 世の中はめまぐるしくかわっていきます その中で取り残されない為の情報をお伝えします Changing Asian situation surrounding Japan Tell the world information by information Department log The world is rapidly mood In order not to lag behind in its informed the <a href="https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" rel="nofollow">なんでもまとめてお売りください!宅配買取「いーあきんど」</a> <img border="0" width="1" height="1" src="https://www19.a8.net/0.gif?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" alt="">

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北朝鮮の農場員たち 国に食糧奪われ、次々と餓死

今年2月初めから3月末にかけて、北朝鮮の協同農場で多くの農民が餓死していたことが明らかになった。先月、中朝国境を訪れた北朝鮮国内に住むデイリーNKジャパンの情報筋が伝えた。(丹東=カン・ナレ記者)

 ■国の支援でようやく延命


 北朝鮮の南部・黄海北道(ファンヘプクト)の住民はまず、「金正恩の指示に従い国家保衛省(秘密警察)が協同農場のうち、食糧の無い家庭について特別調査を進めている」とし、「そうした家庭に対しては洞事務所(役場)が毎日1キロのトウモロコシを供給している」と語った。


 この住民はさらに、「黄海北道の協同農場では、2月初頭から餓死者が出始めたが、当局は当初、傍観しているだけだった。農繁期が近づくにつれ、死なない程度の食糧を支援しているだけだ」と北朝鮮政府の遅い対応を非難した。


 一方、平安北道に住む別の情報筋は同じ時期に、「今年2月はじめから3月末にかけて、黄海北道と咸鏡南道(ハムギョンナムド)、江原道(カンウォンド)の協同農場で多くの農民が餓死した。もし、4月初めの国による食糧支援がなかったら、大規模な餓死者を出す事態に発展していただろう」と述べた。

軍に供出せよ


 それではなぜ餓死が起きたのか。理由は「国の収奪」にあった。


 情報筋によると、「昨年秋から実施された新しい農業政策に従い、実際に農業を行う農民に対しては、国が1年分の食糧としてトウモロコシを1人360キロずつ、扶養する学生や65歳以上の老人には同じく109キロずつ配給することにした」という。


 だが、「こうした1年分の食糧から各種『使用料』として10%を国が取り上げる」とし、さらに「特に昨年は協同農場に登録されている家族1人あたり、豚肉7キロを義務的に朝鮮人民軍(北朝鮮軍)に供出させ、できない場合には1年分の食糧から70キロを減らすという内容を事前に伝えなかった」と、国が食糧を奪っていくカラクリを説明した


 北朝鮮では2012年にも、穀倉地帯の黄海南道(ファンへナムド)で数万単位の餓死者が発生した。当局が、金正恩氏の政権就任を祝う「どんちゃん騒ぎ」用の食糧を徴発したことで、極度の食糧不足に陥ったためだ。飢えた人々が家族の亡骸に手を伸ばす「人肉事件」の悲劇すら伝えられた。


 情報筋は続けて、「この結果、扶養家族の場合、手元に残るのはわずか28キロとなってしまう」と指摘。北朝鮮政府による強引な食糧徴発が、餓死者発生の原因であることを強調した。


 北朝鮮では2012年にも、穀倉地帯の黄海南道(ファンへナムド)で数万単位の餓死者が発生した。当局が、金正恩氏の政権就任を祝う「どんちゃん騒ぎ」用の食糧を徴発したことで、極度の食糧不足に陥ったためだ。飢えた人々が家族の亡骸に手を伸ばす「人肉事件」の悲劇すら伝えられた。


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外国人観光客3000万人時代へ宿泊施設不足どう解消する 

政府観光局によると、今年1~3月期の訪日外国人客数は前年同期に比べ16・5%増の762万人と過去最高だった。旅行消費額も前年同期比17・2%増加の1兆1343億円で、初めて1兆円を超えた。

 国別の1人当たりの旅行支出は、1位は豪州で25万1000円、2位はベトナム、3位は中国だった。中国がトップかと思っていたが、意外だった。


 1人当たりの宿泊料金や飲食費、娯楽費も豪州が1位。豪州の人はスキーなどの体験型消費が多く、ゆったり宿泊して、和食などの飲食にもカネを落としている。一方、1人当たりの買い物代は中国が1位。飲食費や宿泊費を削って家電や時計などの買い物に充てている。ベトナムは短期留学で滞在日数が長いことが影響しているようだ。


 3カ月で760万人ということで、年間3000万人は堅くなってきた。さらに4000万人ということになると、フランスやスペイン、イタリアの領域に入る。しかし、これら欧州諸国に比べて、日本は宿泊施設の貧弱さが問題だ。特に高級ホテルが不足している。


 そんななか、長野県軽井沢町には国内外の高級ホテルが続々開業している。先月19日、米ホテルチェーンのヒルトン系リゾートホテル「KYUKARUIZAWA KIKYO」がオープンした。JR軽井沢駅から徒歩15分の一等地にある「旧軽井沢ホテル」を全面改装したもので、海外の富裕層の利用も見込んでいる。


 また、昨年7月に中軽井沢の閑静な森にオープンした「軽井沢マリオットホテル」も外国人を意識している。会員制リゾート施設「ラフォーレ倶楽部」を米国のブランドホテルに切り替えたもので、オフィス賃貸事業の森トラストが運営し、世界で1億人いるマリオットの会員も見込む。


 もうひとつ、昨年、旧軽井沢別荘地に開業した東京建物グループの「レジーナリゾート旧軽井沢」は愛犬同伴型のリゾートホテルだ。それでも宿泊施設は圧倒的に足りない。やはり、ほとんど使われていない別荘がたくさんある利点を利用して「民泊」を秩序だって進めていくしかない。


 この6月、民泊についての住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されるが、まだまだ「規制しよう」という考え方が前面に出ている。海外の別荘地はしっかりした運営会社が一般客に貸し出すことによって秩序が保たれている。空き家の多い日本は、利用することによって資金を稼ぎ改修や投資にカネが回るようにするなど、考え方を転換しないといけない。


 民泊新法では、都道府県が条例で区域や期間を制限することができる。長野県の条例では、学校や図書館などから約100メートル以内は民泊営業を制限している。こういうふうにタガをはめるようなことばかりしていると、結局、泊まる場所がなくなる。


 長野の北東に位置し、葛飾北斎の「北斎館」など歴史的遺産を生かした町づくりで観光客を集める小布施町(おぶせまち)は、民泊規制の除外を求めている。これまでも県外からの学生を一般家庭で受け入れる交流事業を行っていて、民泊に違和感はないからだ。


 群馬県の草津や鬼怒川は宿泊施設が余っていて、旅館やホテルは1泊2食9800円といった格安で商売をしている。こういうサービスレベルではリピート客が減る。小布施町のように町単位で決められるようにしてあげるべきだと思う

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韓国警察「へっぴり腰」動画で心配な統一の未来 893に迫力負け








4月30日、韓国・光州市の繁華街で、暴力団員と思しき男たち7人が男性1人に対し集団で暴力を振るう事件が発生。警察のお粗末な対応に、批判の声が上がっている。

 韓国紙・朝鮮日報5月4日付(日本語電子版)によれば、事件は、飲酒後に帰宅する際、タクシー乗車を巡り男性3人・女性2人の被害者たちと、男7人・女3人の加害者たちがもめたことから発生。被害者のパクさんは当初、もめ事の仲裁をしようとして集中的に暴力を振るわれたという。現地警察署は、集団傷害の容疑で加害者の男(31)ら3人を逮捕、4人を書類送検した。


 問題は、通報を受けて駆け付けた警察官5人が、屈強な加害者を相手に鎮圧に及び腰になり、被害者の救出が遅れた点にある。その様子は市民によって動画に収められ、3日に公開された。


 (参考記事:【動画】ヤクザの迫力に押され負け…韓国警察の「へっぴり腰」に批判


 公開された動画を見ると、たしかにこれはひどい。警察官は、明らかに迫力負けしており、腰が引けている。男たちは警察官に対しても、腕力で抗っているように見える。明らかに公務執行妨害だろう。日本だったら、少なくとも警視庁や大阪府警など大都市の警察管内では、あり得ない光景ではないだろうか。







これを見て思い出したのが、最近ロシアで起きた、北朝鮮労働者とタジキスタン労働者の乱闘騒ぎだ。


 (参考記事【動画】北朝鮮労働者とタジキスタン労働者、ロシアで大乱闘


 国家が国民を厳しく統制している北朝鮮にも暴力団組織のようなものがあり、乱闘騒ぎもときどき起きている。


 (参考記事:【実録 北朝鮮ヤクザの世界(上)】28歳で頂点に立った伝説の男


 ひとたび乱闘が起きると、死人が出るほど非常に激しいものになると聞いていたが、この動画を見れば納得である。


 最近の南北対話の流れの中、朝鮮半島の統一が夢を持って語られるようになっているが、北朝鮮と韓国は、70年以上も「別の国」「別の社会」としてやってきたのだ。常識も違えば、物事に対する感覚にも違いがある。何より、経済水準に大きな差ができている。接触が増えれば、良いことばかりが起きるわけではない。


 南北統一は、仮に実現するとしても、そこまでの道のりは長く険しいものになる。そしてもしかすると、統一後の歩みは、いっそう険しいものになる可能性があるのだ。










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統一朝鮮・狂気の金正恩大統領誕生へ 日本を「民族共通の敵」とするプロパガンダを強化



日本の左派は米朝対話で戦争が回避されることを期待している。だが、戦争が起きなかった場合こそ、日本にとって最大の危機が訪れると拓殖大学教授の呉善花氏は警告する。

* * *


 今、韓国では金正恩が大人気だ。蟻のように小さな存在の北朝鮮が、核を保有したことで世界を揺るがし、超大国のアメリカと渡り合っている。その姿が韓国の若者層には格好良く映っているのだ。


 特に平昌五輪後は、韓国の悪口は許されても、北朝鮮や金正恩の批判は許されない雰囲気になっている


 大統領選で圧勝した文在寅の支持率も平昌五輪後はさらに上昇し、4月第一週には74%にまで達した。


 とくに若者からの支持は絶大で、理由は彼らの資本主義に対する「絶望」にある。サムスンをはじめとする財閥系企業の業績は好調なのに新卒の半数が就職できない。なんとか職を見つけても非正規雇用が大半で、貧富の差は広がるばかりだ。


 こうした現象が顕著になったのは1997年の「IMF危機」がきっかけだった。家族を大切にする儒教社会だった韓国が急速にアメリカナイズされ、共に助け合う精神は消え、実力主義、個人主義に変わった。


 その結果、家族関係は崩壊して離婚が急増した。また現役世代が経済的余裕を失い、老いた親の面倒を見られなくなった。年金制度も未熟なため困窮した高齢者の自殺が相次いでいる。長幼の序はとうの昔に消え去ってしまった。最近では詐欺も横行し、治安も悪化している


 こうした絶望的な状況のなかで生まれたのが「ヘル朝鮮」という言葉だ。


 文在寅は大統領選で「資本主義の副作用を取り払う」と訴えて、彼らの不満を巧みに取り込んだ。経済政策として「財閥改革」や「公務員を81万人増員」することを公約に掲げた。日本の国家公務員数は自衛隊員を含めても60万人余りだから、総人口が日本の半分の韓国で81万人という数字がいかに大きいかわかるだろう。財源は法人税の引き上げによって財閥などから確保する予定だ。


 さらに非正規雇用をなくし最低賃金を時給7000ウォン(約700円)から1万ウォン(約1000円)に引き上げると公約している。しかし、最低賃金を引き上げれば中小企業は人を雇えなくなり、法人税を上げれば大企業は海外へ逃げていく。


 そこで文在寅が目指しているのが、中国のような国家社会主義的な統制経済体制である。現在の韓国社会は、全体主義へと傾斜しつつある。実際、与党「共に民主党」からは、憲法にある「自由民主主義」から「自由」の文言を削除し、「所得の保証」や「解雇の禁止」など、反市場経済的な条項を設ける憲法改正案が提出されている。


 韓国の若者たちには新自由主義経済への批判が強くあり、こうした文在寅政権の政策を強く支持している。


 いずれ「一国二制度の連邦国家」(南北連合国家)に移行するという文在寅と金正恩の思惑通りに進めば、核が残ったまま朝鮮半島に統一国家が誕生する


「統一朝鮮」は、日本を「民族にとって共通の敵」とすることで結びつきを強め、かつてない反日攻勢を展開するだろう。北朝鮮の人権は棚に上げて、慰安婦問題や徴用工問題で世界中に日本の非道を喧伝し、訴訟も相次ぐことが予想される。


 その傍ら、日本に北朝鮮への巨額な経済援助を求めてくるだろう。その時、朝鮮統治という歴史的経緯を踏まえて「譲歩すべき」という声が日本国内で上がれば、彼らの思うつぼだ。


 統一朝鮮では「一国二制度」を経て、やがて大統領選を実施する計画だが、北のほとんどが金正恩を支持し、南の何割かが金正恩に投票すれば金正恩大統領が誕生し、核のボタンを握ることになる。


 日本人の多くは米朝戦争が「起こらなかった」後のことを考えていない。しかし、日本を待ち受けているのは、悪夢のようなシナリオであることを今から覚悟し、来る時に備えておくべきだ


 【PROFILE】呉善花/1956年韓国済州島生まれ。東京外国語大学大学院修士課程修了。現在、拓殖大学国際学部教授。著書に『韓国と北朝鮮は何を狙っているのか』(KADOKAWA)、『超・反日 北朝鮮化する韓国』(PHP研究所)など多数。


 ※SAPIO2018年5・6月号


 

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金正恩一家の「美空ひばり記念館」行きと金正男暗殺の意図

北朝鮮との直接交渉では出遅れた感のある日本。しかし、最高指導者・金正恩の生い立ちに詳しい「デイリーNKジャパン」編集長の高英起氏は、それでも日本ならではのアプローチがある、と指摘する。

 * * *


 ターニングポイントを迎えた北朝鮮情勢において、日本だけが蚊帳の外に置かれる危惧が指摘されている。


 北朝鮮メディアは、米韓とともに圧力を強めてきた安倍政権に対して次のように警告した。


 「日本の反動層が分別を失って引き続き意地悪く振る舞っていれば、永遠に平壌行きの乗車券を購入できなくなりかねない」(3月17日付朝鮮中央通信論評より


 あえて北朝鮮が日本に対して言及するのは、今すぐではなくても日本との接触を模索していることを意味する。慌てふためく必要はない。今こそ北朝鮮に対して日本が独自につけ入る隙を見つける時が来たのだ。そもそも金正恩と日本の間には出自に関わる奇しき因縁があるのだ。


 ◆極秘来日していた金正恩一家


 金正恩が他人名義のパスポートで極秘に来日していた!--筆者のもとにこんな情報がもたらされたのは、今から6年前の2012年だった。そして今年2月、それを裏付ける情報が出る。ロイター通信は、金正日と金正恩が不正に入手したブラジルのパスポートで西側諸国のビザ申請をしていたことをパスポートの写真とともに報じた。


公開されたパスポートの写真には、明らかに金正恩氏と判断できる顔写真が添付されている。記載されていた偽名は、「ジョセフ・パク」。筆者が2012年に得ていた情報と見事に一致した。


 金正恩は1991年、兄・金正哲と来日。さらに、金正恩のサポート役として公式登場した妹・金与正にも来日情報がある。未確認情報だが、この分だと来日していた可能性は高い。


ロイター通信は、偽造パスポートの目的について「亡命の準備か」などと指摘しているが、単純にロイヤルファミリーとしての見聞を広める、もしくはお忍びの遊びに過ぎないだろう。なによりも3兄妹の実母は大阪鶴橋生まれの高ヨンヒだ。ルーツを追い求めて母の故郷を訪れたのだろうか。


 高ヨンヒは、北朝鮮の身分としては底辺である在日朝鮮人から金正日の妻、つまりファーストレディーに登り詰めた。1973年には万寿台芸術団の主役の踊り子として凱旋来日。1997年と2000年にも来日して銀座でショッピングを楽しんだというが、その際、興味深いある場所を訪れている。


 当時京都・嵐山にあった「美空ひばり記念館」に寄ったというのだ。高ヨンヒと美空ひばりに繋がりがあるとは思えない。なぜ高ヨンヒは美空ひばり記念館に寄ったのだろうか。


 謎を解くヒントの一つは、女が帰国した時期だ。高ヨンヒは1962年、9歳の時に北朝鮮に帰国した。この時期、美空ひばりは歌手だけでなく銀幕のスターとしても絶頂期を迎えていた。


帰国運動がはじまるのは1959年からだ。北朝鮮へわたった在日朝鮮人は、日本を懐かしんでこっそりと美空ひばりの歌を歌ったという。高ヨンヒもその様子を見ながら、生まれ故郷である日本への郷愁を誘われたのかもしれない。


 ◆底辺から国母へ


 やがて金正日の妻となった高ヨンヒは、ある願いをもっていたと筆者は見ている。金正哲、または金正恩のどちらかの愛息を北朝鮮の最高指導者にする、すなわち北朝鮮の国母となることだ。


 金正日の妻になったとはいえ彼女は在日朝鮮人だ。北朝鮮では底辺の身分から金正日の妻となる道のりで、辛酸をなめたことは容易に想像できる。また、金正日の女好きは有名だ。夫の女遊びに内心穏やかではなかっただろう。いつ他の女性にファーストレディーの立場を奪われるのかわからないのだ。


 高ヨンヒは、金正日の放蕩に堪え忍びながら陰で支えた。愛息が最高指導者になればそんな苦労は報われる。そして世界史にその名前を残すことになるのだ。金正恩もそんな母の思いに応え、最高指導者への道を歩む。


 高ヨンヒは2004年に死亡するが、金正恩は2010年に金正日の後継者として登場。翌2011年12月の金正日の急逝によって、北朝鮮の頂点に君臨する。金正恩は、ついに母・高ヨンヒの夢を実現させたのだ。


母の願いを叶えた金正恩だが、父に対する複雑な思いも見え隠れする。最高指導者となった金正恩は2012年7月、妻・李雪主と遊園地の竣工式に登場し、北朝鮮ウォッチャーを驚かせた。金日成も金正日も、夫婦で仲良く公の場に出ることはなかったからだ。


 李雪主を登場させることには旧態依然とした北朝鮮指導層から反発もあっただろう。それにもかかわらず金正恩が妻を公の場に出した裏には、父への意趣返しがあると筆者は見る。父の女遊びに苦労する母を見ていた金正恩が「俺はオヤジのようにはなりたくない。だから嫁を大切にする」という思いを抱いてもおかしくはない。


 同じ2012年には、高ヨンヒを偶像化する内部映像が製作され幹部を中心に出回った。もし高ヨンヒが生きていれば60歳、すなわち還暦だった。


 実母が在日朝鮮人であることが明らかになれば、なによりも血統を重視する北朝鮮のプロパガンダからすれば、金正恩に傷がつきかねない。それでも高ヨンヒを「日陰の女」にしたくないという、金正恩の母に対する強い思いゆえだった。2017年に起きた金正男暗殺も、高ヨンヒの血脈以外は排除するという金正恩の強い意志の現れかもしれない


 金正恩が愛した母・高ヨンヒ。くり返すが、彼女の生まれ故郷は日本だ。ここに、日本が金正恩にアプローチできる一つのきっかけがあるかもしれない。かつては非合法な形で来日したが金正恩が北朝鮮の最高指導者として胸を張って母の生まれ故郷を訪れたいとの思いを抱いている可能性は十分にある。


 例えば、日朝首脳会談の機が熟した時、「実母である高ヨンヒが生まれたゆかりのある大阪で開催してはどうか?」という大胆な提案をするのもいいだろう。トランプが北朝鮮に対する姿勢を変えたからといってあたふたする暇があるなら、今こそ金正恩と日本の秘められた繋がりを活用する策を練った方がいい。


 【PROFILE】高英起/関西大学経済学部卒業。1998年から1999年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。近著に『脱北者が明かす北朝鮮』(宝島社)。


 ※SAPIO

 

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