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中国の軍事専門家らは、弾道ミサイル搭載潜水艦隊に対する米国の偵察行為を阻止する中国側の断固とした決意を反映し、今後も同国沖の危険な接近行為は続く見通しで、場合によっては強化されると指摘する。これは、パイロットの独断的な行動ではなく、上層部の指示の下での行為の可能性があるとしている。
張召忠・海軍少将(中国国防大学所属)は共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報に対し、「(これまでは)彼らに十分な圧力をかけていなかった」と述べ、「ナイフを喉に突き付けることが唯一の抑止力だ。今後は、米偵察機にさらに近づいて飛行する必要がある」と言明した。
米国防総省は、今月19日に中国の戦闘機が米海軍の最新鋭対潜哨戒機P8(ポセイドン)に異常接近したとして、中国側の行動を危険と非難。一時は翼端から9メートルの距離に接近し、その後「バレルロール」と呼ばれるアクロバット的飛行も行ったという。
中国側はこれは根拠のない非難と一蹴し、安全な距離を保っていたとの見解を示している。
軍事専門家らは、米国の偵察が海南島の基地所属の潜水艦隊に向けられていたようだと指摘する。その中には、中国の核抑止力戦略で主要な位置を占めることになるとみられる核武装弾道ミサイルが搭載可能な潜水艦もある。
香港の嶺南大学で本土の安全保障を専門とする張泊匯氏は、「長期的には、このような潜水艦は中国にとって効果的な抑止力という意味で唯一の望みであり、極めて重要だ」と指摘する。
米国防当局者は、米軍機に異常接近した中国のパイロットは海南島の部隊の所属で、この部隊は3月、4月および5月の接近飛行にも絡んでいるという。同当局者は2013年末以降、米軍機に対する「非標準的でプロらしくない危険な」妨害行為が増加傾向にあるとした。
米軍は昨年終盤以降、沖縄にP8対潜哨戒機6機を配備している。
ワシントンの米高官は、異常接近の権限を与えたのが中国の指令系統のどの階層なのか、あるいは現地の司令官またはパイロットが独断的に行動したのか米国は把握していないと述べた。
米中の軍当局者は今週ワシントンで、空と海での行動規範をめぐり協議している。
日本もこれまで、中国が昨年11月に東シナ海上空で設定した防空識別圏で、中国軍の戦闘機が自衛隊機に接近したとして批判している。4─6月に中国機に対して自衛隊機を緊急発進(スクランブル)した回数は104回で、前年同期よりも51%多い。
台湾は26日、中国軍機が台湾の防空識別圏に進入したため、戦闘機が緊急発進したと明らかにしている。中国は通常の飛行だと主張している。