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時代を見通す日本の基礎情報

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北朝鮮化”する韓国の対日姿勢

北朝鮮からやって来た無人偵察機が墜落しただの、ソウル上空から青瓦台(韓国大統領府)一帯を撮影しただので、“反日一辺倒”だった韓国メディアの関心は、ここのところ、核実験強行をもちらつかせる北朝鮮や、偵察機侵入を防げなかった韓国当局の手際の悪さの方に傾いている。そうはいっても、韓国政府・メディアの反日は依然、ぶすぶすとくすぶっている。「やれやれ」と精神的な疲労感を覚えつつ、この“つかの間(?)の反日沈静”の時期に、つい最近までの執拗な「韓国の反日」を振り返ってみて感じた。韓国の対日批判の姿勢が、相変わらず対外非難を続ける北朝鮮に、なぜか似てきているのだ。(ソウル 名村隆寛)

 

声明の南北相似化韓国外務省報道官(共同)

 竹島領有についての日本政府の主張。慰安婦問題。安倍晋三首相による靖国神社参拝。教科書。これら、韓国にとり歴史認識に関わる問題で、日本側で何らかの動きがあるたび、韓国政府は日本非難の声明を出す。特に多いのが、韓国外務省による声明や談話だ。この半年あまりの間だけでも、ごく日常的に繰り返されてきた。

 詳しくは列挙しないが、「歴史の事実を歪曲している」「誤った行いは容認できない」「歴史を直視しなければならない」「断固抗議する」などと、韓国外務省報道官は、いつも決まったような言い方で日本を非難する。

 テレビのニュース番組で伝えられる対日非難声明は、昨年末に安倍首相が靖国神社を参拝して以降、そのトーンを高め、時には感情が表面に出て、語気が特に荒く感じられることが何度かあった。個人的な感覚なのであるが、テレビ画面を見ていると、ソウルからではない別の場所から伝えられた映像と何となく似ている。北朝鮮からの主張(声明)だ。

 米韓が合同軍事演習をしたり、国連安全保障理事会が対北経済制裁を決議したり、脱北者や市民団体が対北非難のビラを韓国側から飛ばした時、北朝鮮は必ず何らかの非難声明や談話を出す。つまり、自分が気に入らないことがあるたびに、北朝鮮は頻繁に非難の声明や談話を出すのだ。

 国防委員会や人民武力部、外務省、祖国平和統一委員会など発表する部署はさまざま。日本のテレビでも伝えられているように、北朝鮮の言い方は大仰で、とにかくヒステリックだ。長年の伝統で、このスタイルは現在まで守り続けられている。あの力んだような“北朝鮮独自”の言い回しとは若干異なるのだが、韓国政府の対日非難声明は北朝鮮の声明に近づいている。

ソウル、平壌に接近する

 この韓国政府の対日声明の“北朝鮮化”と見える現象。筆者の単なる「思い込みか」と考えてもみたが、そうでもないようだ。ソウルに駐在する他の日本メディアの記者仲間と、仕事を離れた場所で話していて、「そういえば、自分もそう感じた」という意見を複数回、耳にした。その日の報道官の話っぷりを思い出し「ありゃ、平壌にかなり近づいてきているなあ」と互いの感覚を妙に認め合い、共感し、不思議な安心感さえ覚えた。


時には、閣僚級の人物の発言から似たような感じを受けることもある。中立、客観的であるべき記者であれ、自分の国が感情むき出しに批判されるのは、気分的にいいものではない。だが、感情的にならず冷静に考えなければならない。問題は、なぜ韓国の対日非難声明が北朝鮮化しているかだ。

 北朝鮮が挑発したときや、約束ごとを守らなかった場合、韓国側が北朝鮮に向けて非難や批判の声明を出すことは珍しくない。だが、その声明の言い方は、毅然としていて厳格でこそはあれ、韓国政府による最近の対日声明や談話とは、感じが違う。

 北朝鮮と韓国の比較で思い出したことがある。1980年代後半、南北軍事境界線がある板門店に初めて行った時のこと。記者になる前のことで、筆者は観光ツアーに参加するかたちで行った。軍事境界線をまたぐ軍事停戦委員会の建物(水色の小さな平屋建ての建物)の中で、韓国人ガイドから受けた説明が興味深かった。

必死。だが、余裕なし

 建物の中には北朝鮮側と南(国連)側が話し合うテーブルがあり、マイクのコードは軍事境界線にきっちりと合わせて引かれている。テーブル上の南北双方には、北朝鮮の国旗と国連旗がそれぞれ置かれていた。

 ガイド氏いわく「北はこの小さな旗の高さでさえ、われわれと競っています。北は本当に子供じみていますねえ

その言葉からは明らかに、北朝鮮に対する余裕が出ていた。ミニチュアの国旗の高さでも「敵(南)には譲れない」という北朝鮮の“必死な思い”と“余裕のなさ”を感じた記憶がある。

 25年あまり前のことを今さら思い出したのは、この北朝鮮の“必死”な姿勢と“余裕のなさ”だ。余裕はともかく、北朝鮮は現在も日米韓など“敵”に対しては必死な姿勢であり続けている。経済力で明らかに北との差をつけた韓国は、北朝鮮に対しては余裕ある態度で臨んでいる。

 ところが、その韓国の余裕が、日本を相手にした場合、四半世紀が過ぎた今も全く感じられない。それを強く思わせたのが、先に書いた対日声明での姿勢だ。特に歴史認識問題をめぐって韓国は、日本に「必死」であり続けている。筆者を含むソウル在住の一部日本人に、韓国の“北朝鮮化”を感じさせる原因かもしれない。

日韓関係、劇的に改善?!

 核実験の可能性示唆や無人偵察機など、北朝鮮による不安要素が朝鮮半島に漂い、韓国メディアの反日報道はわずかながらも声を抑えている。そんな中、今月末にはオバマ米大統領が日本と韓国をたて続けに訪問する。米韓首脳会談の主要議題は当然、北朝鮮問題となる。

日韓関係が悪化する状況下、北朝鮮の脅威という別の問題が浮上したことで「日韓が再び歩み寄れるのではないか。いい機会になるのでは」との期待感も一部ではある。実際に、国際情勢の微妙な変化や北朝鮮の問題がきっかけとなり、日韓関係が改善した前例はある。韓国の一部でもこうした意見を聞くことがあり、ひそやかながら、そんなふうに言う韓国政府当局者もいる。

 ただ、そんなにスンナリと関係改善に向かいそうな雰囲気は、ソウルでは表向き、全く感じられない。韓国外務省の当局者が、日韓関係と全く関係がない場所で嫌みがましく日本を非難し、北朝鮮という注目ニュースにトップの座を譲りながらも、韓国メディアの反日報道はしぶとく続けられている。テレビ報道を見ると、「また反日報道に熱を入れたくてウズウズしているのではないか」「日本を非難するのが、ひょっとしてうれしいのじゃないか」と勘ぐり、真意を問いたくなりさえもする。

 オバマ訪韓や北朝鮮の動向次第だけで、日韓関係の今後を展望するのは難しい。ただ、韓国政府と、世論を主導する韓国メディアの「反日姿勢」は基本的に変わっていない。

 ソウルで一日本人として思うのは、日韓関係改善に向けた韓国の政府やメディアへの期待は、現状ではできない。少なくとも韓国がこの間、日本に対して発し続けてきた言葉の数々を「歴史の事実」として、嫌でも皮膚で感じてきた。

 まるで北朝鮮の主張のような感情的になってしまった対日声明が続く限り、冷静で自信かつ余裕あるものに変わるまでは無理かなあ。変わってくれそうにもないが。

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