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北朝鮮の人々は大層な風呂好きだ。各地方都市には国営のスーパー銭湯が存在するほどだ。
朝鮮中央通信は2010年3月21日に配信した「勤労大衆の文明を花咲かす社会主義の恩徳」という全国のスーパー銭湯を紹介する記事で、その建設目的を次のように伝えている。
敬愛する将軍様の崇高な意志により、全国各地に作られた蒼光院式奉仕基地は、母なる党の人民愛の歴史と人民大衆中心のわが国の制度の優越性を伝え、広範な勤労大衆に真の社会主義の恵みを与える「恩情院」「恩徳院」と親しみを持って呼ばれている。
つまり、スーパー銭湯ですらも体制のプロパガンダに利用するのが北朝鮮なのだ。しかし、一部を除いて運営状態が良好とは言い難い。
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咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋の話では、国営スーパー銭湯には、風呂、サウナはもちろん、理髪店、美容室もあり、レストランまで併設する豪華さを誇っているのに、シャワーからお湯が出ず、浴槽にもお湯が張られていないというのだ。
一風呂浴びるには、10リットルのバケツに水を汲んで、石炭ストーブで温めるしかなく、煤煙が室内に充満して、臭くて息が詰まるという。これでは楽しみに行ったのか、苦しみに行ったのかわからない。
国営スーパー銭湯に代わって流行しているのが、トンジュ(金主、新興富裕層)が経営する民営のスーパー銭湯だ。権力者がカネに物を言わせ、家族でなければ利用できないVIPルームを愛人との逢瀬に利用し、批判の的になったりしているが、施設自体は庶民からも人気のようだ。
(参考記事:北朝鮮で「サウナ不倫」が流行、格差社会が浮き彫りに)
平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が、その詳細を伝えてきた。
民営のスーパー銭湯の充実度は国営スーパー銭湯とさほど変わりないが、
最も異なるのは「正常に運営」されているところだ。2018.9.17
入浴後のお楽しみと言えば冷たいビールだが、このスーパー銭湯ではアルコールや乾き物はもちろん、オレンジジュース、サイダーなどのソフトドリンク、お菓子やパンなども売られている。エステを兼ねた美容室もある。
入浴前に脱いだ衣類を預ければ洗濯してくれるサービスもある。入浴中に洗濯、乾燥まで行うもので、下着は3000北朝鮮ウォン(約39円)、厚手のアウターでも2万北朝鮮ウォン(約290円)だ。
ここまで楽しめて料金は、一番安い一人湯で3000北朝鮮ウォン、一番高い家族湯でも1万5000北朝鮮ウォン(約195円)。国営スーパー銭湯の入場料500北朝鮮ウォン(約6.5円)に比べると高いが、一般庶民でもさほど負担なく利用できる金額で、何よりも職場から利用券を受け取って、何時間も並んで入場する面倒くささもない。
情報筋によると、このようなスーパー銭湯は、人口28万人の平城市内に100ヶ所ほどあるというのだ。前述のスーパー銭湯では20人ほどの人が雇われていることを考えると、市内全体で2000人もの雇用を生み出している計算になる。
そこに目をつけたのは市の人民委員会(市役所)だ。スーパー銭湯のオーナーは、市の商業管理所に毎月50ドル(約5600円)を納めているが、これは「商業管理所所属」という看板を掲げる許可を得て営業を行うために必要な一種の税金だ。払わなければ、営業停止に追い込まれるなどの制裁を受ける。
(参考記事:経済制裁の深刻な影響下でもたくましく生き残る北朝鮮商人)
また、ときどき係官がやってきて、電気設備や建物管理に問題がないか検閲(査察)を行うが、これはもちろん名目に過ぎない。係官の狙いは、タバコや米ドルなどのワイロをせびることだ。
北朝鮮のスーパー銭湯が、不倫や売春の温床となっているのは前述したとおりだ。施設が増えれば、そういった行為がいっしょに拡大する可能性もある。
権力者や金持ちの「やりたい放題」は、北朝鮮では昔からあることだ。
(参考記事:【動画アリ】ビキニを着て踊る喜び組、庶民は想像もできません)
ただ、北朝鮮当局は年始から、金正恩党委員長の号令を受けて風紀の一斉取り締まりキャンペーンを行っており、本来ならば「サウナ不倫」もその対象になるはずだ。しかし実際のところ、金持ちの不倫三昧がキャンペーンで槍玉に上げられたという話は聞こえてこない。
金正恩氏の権力をもってしても、止められないものが北朝鮮にあるのだろうか。
入浴後のお楽しみと言えば冷たいビールだが、このスーパー銭湯ではアルコールや乾き物はもちろん、オレンジジュース、サイダーなどのソフトドリンク、お菓子やパンなども売られている。エステを兼ねた美容室もある。
入浴前に脱いだ衣類を預ければ洗濯してくれるサービスもある。入浴中に洗濯、乾燥まで行うもので、下着は3000北朝鮮ウォン(約39円)、厚手のアウターでも2万北朝鮮ウォン(約290円)だ。
ここまで楽しめて料金は、一番安い一人湯で3000北朝鮮ウォン、一番高い家族湯でも1万5000北朝鮮ウォン(約195円)。国営スーパー銭湯の入場料500北朝鮮ウォン(約6.5円)に比べると高いが、一般庶民でもさほど負担なく利用できる金額で、何よりも職場から利用券を受け取って、何時間も並んで入場する面倒くささもない。
情報筋によると、このようなスーパー銭湯は、人口28万人の平城市内に100ヶ所ほどあるというのだ。前述のスーパー銭湯では20人ほどの人が雇われていることを考えると、市内全体で2000人もの雇用を生み出している計算になる。
そこに目をつけたのは市の人民委員会(市役所)だ。スーパー銭湯のオーナーは、市の商業管理所に毎月50ドル(約5600円)を納めているが、これは「商業管理所所属」という看板を掲げる許可を得て営業を行うために必要な一種の税金だ。払わなければ、営業停止に追い込まれるなどの制裁を受ける。
(参考記事:経済制裁の深刻な影響下でもたくましく生き残る北朝鮮商人)
また、ときどき係官がやってきて、電気設備や建物管理に問題がないか検閲(査察)を行うが、これはもちろん名目に過ぎない。係官の狙いは、タバコや米ドルなどのワイロをせびることだ。
北朝鮮のスーパー銭湯が、不倫や売春の温床となっているのは前述したとおりだ。施設が増えれば、そういった行為がいっしょに拡大する可能性もある。
権力者や金持ちの「やりたい放題」は、北朝鮮では昔からあることだ。
(参考記事:【動画アリ】ビキニを着て踊る喜び組、庶民は想像もできません)
ただ、北朝鮮当局は年始から、金正恩党委員長の号令を受けて風紀の一斉取り締まりキャンペーンを行っており、本来ならば「サウナ不倫」もその対象になるはずだ。しかし実際のところ、金持ちの不倫三昧がキャンペーンで槍玉に上げられたという話は聞こえてこない。
金正恩氏の権力をもってしても、止められないものが北朝鮮にあるのだろうか。
(参考記事:「エリート女学校長は少女達を性の玩具として差し出した」北朝鮮幹部が証言)