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複数の後輩選手が球団に訴えた楽天・安楽智大投手(27)のハラスメント行為のうち、些細なことを理由に「罰金」と称して徴収した金銭の行方が宙に浮いている。
杜の都に勃発した騒動は拡大の一途だ。楽天は28日、翌29日に予定されていた宮城県塩釜市とのパートナー協定締結式を延期すると直前の発表。森井球団社長、青山投手コーチらが出席する予定だったが、安楽の件で先方に迷惑が掛からないよう球団側から提案し了承されたという。
宝塚歌劇団、日大などに続いてハラスメント事案を抱えたことへの危機感は強く、「世間の目は厳しい。全国ニュースでも報じられているし、中途半端に幕引きを図っては後に週刊誌で被害者が告発して収拾がつかなくなる」(球団関係者)と徹底的に真相を究明する構えだ。
球団も調査中のハラスメントは多岐にわたるが、ナインによると、安楽は投手会の役員という立場を悪用し、何かにつけて後輩選手から罰金を取り立てていたという。帽子を間違えて被ってきた、グローブを忘れた、洗面所にタオルを忘れた、ブルペンでゴミをゴミ箱にうまく捨てられなかった―などを見とがめると、すぐさま「はい、5(万円)!」などと金銭を要求。低年俸の若手らは「ホント勘弁してほしい」と困り果てていたという。
こうして集めた罰金の一部は、29日に山形県内の温泉宿で行われる予定だった投手納会の費用にあてられるはずだったが、今回の騒動を受けて急きょ開催中止に。ある投手は「連絡係を担う安楽が来なければ、納会が不成立になるのは目に見えていた。お金も大丈夫ですかね…」と心配顔を浮かべた。
もういちいち数字を書かないが、今週も岸田文雄内閣の支持率は、日経新聞・テレビ東京と、テレビ朝日系ANNの世論調査で続落した。
先週から今週にかけて行われた国会の予算委員会では、野党側が支持率低下の一番の原因とされる所得税減税や、政務3役の不祥事、自民党派閥のパーティー券疑惑などで連日、岸田首相をボコボコにした。これでは支持率は下げ止まらない。
ただ、筆者は天邪鬼(あまのじゃく)なので、先週金曜、フジテレビのネットサイト「FNNプライムオンライン」に、「岸田さんはそんなにダメな首相なのだろうか。こんなに実績があるのに」という記事を書いてみた。
最近は岸田首相のことを「良く言う」のは、はばかられる。ネットを見ていると「嫌い」を超えて「憎しみ」の域に達しているようだ。だから世論調査の電話がかかってきても、「岸田さん支持します」とは答えにくいだろうし、筆者も岸田政権を評価する記事を書くと、多くの読者にお叱りを受ける。
だが、今回は少し違った。まずアクセス数が多かった。
例えば、ヤフーに転載された記事についたコメント数は27日現在、1800を超えていた。また、記事をリポストしたX(旧ツイッター)の「いいね」は4000を超え、インプレッション数(表示された回数)は144万回だった。筆者が書く「地味な」記事にこれだけの反応は珍しい。
「お叱り」のヤフコメももちろん多かったのだが、褒めてくれる人もいたし、さらに積極的な議論を展開する前向きなコメントも多かった。
ヤフコメを読んでいて、「本当にこれが支持率30%を切って、政権維持が『危険水域』に入っている政権への反応だろうか?」と不思議だった。もしかしたら、世論調査の数字ほど有権者は岸田首相を「憎んで」いないのかもしれない。そうだとしたら反転攻勢のチャンスはあるのだろうか。
記事では、原発処理水の放出などいくつかの実績とともに、「岸田さんがやったダメなこと」として、特にLGBT法の拙速な成立と、異次元の少子化対策を挙げている。
LGBT法成立をきっかけに、岩盤保守層が自民党を離れただけでなく「敵に回った」と以前書いた。岸田首相のやるべきことは「修正」だ。最近も、「体が男性で心が女性」の人が女湯に入って逮捕された。こういう「女性の安全を脅かすこと」が起きないような「仕組み」をつくり、それをアピールすることだ。
また、異次元の少子化対策は、あれで子供が増えるのか疑問なうえ、財源として現役世代が多く負担する健康保険料を値上げするのは愚の骨頂だ。これは今後、防衛増税よりはるかに批判を呼ぶ。直ちに修正すべきだ。
2度目の安倍晋三政権が7年9カ月も続いたのは、常に政策をリアリスティックに修正したからだ。岸田首相も間違っている部分は修正し、実績を増やせば国民の評価は変わってくると思う。
さて、岸田首相は、ジョー・バイデン大統領と米サンフランシスコで行った日米首脳会談(16日)で、「来年早期の国賓待遇の公式訪問の招待を受けた」と明かした。
報道各社の世論調査で、岸田内閣の支持率が「危険水域」といえる30%以下に下落するなか、岸田首相は外交的成果としてアピールしたのだろう。バイデン氏としても、来年の米大統領選を見据えて、「日本の米国への貢献」を有権者に示そうとしたのではないか。
この「国賓待遇の公式訪問」が、日本の国益になるかは私には疑問がある。
世界各地で現在、「力による現状変更」を試みる国や勢力が台頭している。日本は「自分の国を自分で守る」ために憲法改正を断行し、日米が対等の同盟関係になるために「日米地位協定を抜本的見直し」を米国に認めさせるべきだ。このための訪米ならば賛同したい。
首脳同士が会うだけで外交的意味がある―との指摘もあるが、私の考えは違う。単なるパフォーマンスではなく、成果のある訪米にすべきだ
2024年米大統領選まで残り1年に迫った。現時点では民主党のバイデン大統領(81)と共和党のトランプ前大統領(77)の対決が最もあり得る。トランプ氏に対する根強い支持はどこから来るのか。説明はいろいろできるが、単純な説明は難しい。議会襲撃事件を引き起こした人物が再選されれば、民主主義に根ざす米国の伝統的な価値観の変質を意味することだけは間違いない。重大な分水嶺だ。(共同通信ワシントン支局長 堀越豊裕)
▽「再選を願う」
ホワイトハウス近くの食堂で10月、旧知の元米政府高官に会った。大統領選の見解を尋ねると「トランプに誤りがあったのは事実だが、支持は変わらない。再選を願う」とためらいがなかった。
南部アーカンソー州出身の年配の白人共和党員で、かつては運輸安全委員会(NTSB)委員を務めた。父親も共和党の有力者。トランプ氏が対抗勢力に位置付ける既存支配層の一人と言える以前会ったのは2016年大統領選の直前。当初は泡沫候補だったトランプ氏が急速に勢いを付けていた。「大統領を1回やらせてみても面白いのではないか」。伝統的な共和党支持者の間でトランプ氏への忌避感が強かっただけに、その意見は意外に感じた。
やらせた結果、大混乱をもたらした今となれば認識も変わっているだろうと思ったが、回答は冒頭の通りである。トランプ氏支持層といえば白人労働者層とみられるが、実はもっと分厚い。
大統領に万が一の事態が起きた場合、その継承順位が副大統領に次ぐ下院議長に10月下旬、トランプ氏派のジョンソン議員が選ばれたことも、共和党内におけるトランプ氏の影響力が依然として大きいことを示した。
魅力的な人柄
共和党候補選びレースでトランプ氏の支持率は群を抜く。議会襲撃事件のほか、不倫関係にあったとされるポルノ女優への口止め疑惑などで刑事被告人の立場にあるにもかかわらずだ。
従来なら一発アウトの人物がなぜ支持されるのか。メディアや学者が理由を探ってきた。一つは現状への人々の不満である。
所得格差の著しい拡大や白人の人口減少、国際競争力の低下を背景に、トランプ氏の「米国第一」の主張は白人優位だった時代の古き米国を是とする人々の心に響く。
個人的にも魅力的な人物なのだろう。安倍晋三元首相は回顧録で、トランプ氏が来日時に拉致被害者家族会と面会した際、熱心に耳を傾けたエピソードを挙げながら「誠実さを感じた」と振り返っている
トランプ米大統領(当時、左から2人目)と面会し、思いを伝える拉致被害者家族の飯塚耕一郎さん(手前右から3人目)。左端は安倍首相(当時)=2019年5月、東京・元赤坂の迎賓館(代表撮影)
トランプ氏に代わる候補として期待されたフロリダ州のデサンティス知事は温かい人柄というイメージではない。フロリダ州議会議員の一人はニューヨーク・タイムズ紙に「自分がけがをした時、トランプは電話をかけてきてくれたが、デサンティスからは全くなかった」と語った。伸び悩みの一因として、人望のなさがクローズアップされている。
トランプ氏が再選されれば民主主義は後退し、大統領に求められてきた自己抑制的な品格も軽んじられるのだろう。海外の駐留米軍の削減をしばしば口にしてきただけに、日米同盟の将来も不透明さが増す。われわれ外国人の目から見れば、国際協調を重んじる米国であってほしいが、米国の民意に外国人は口を挟めない。
▽「何か起こる」
バイデン氏の老いは隠せない。大統領専用機のタラップを昇り降りする際など、足元がおぼつかない時がある。比較すれば、トランプ氏の方が元気に見えるものの、それでも70代の後半である。
2021年3月19日、エアフォースワンのタラップを上る途中、つまずいた後で手すりをつかむバイデン米大統領=米アンドルーズ基地(ロイター=共同)
大統領選はこのままでは現職と前職の「お年寄り対決」に突入するが、変化があるとすれば今年11月上旬の南部バージニア州議会選を挙げる識者が多かった。首都ワシントンに隣接し政治意識が高い上、民主党と共和党の力が拮抗する重要な州だ。50代のヤンキン州知事は共和党のホープの一人と目される。共和党を勝利に導いた上で出馬するとの観測もあったが、結局州議会の上下両院とも民主党が押さえ、機運は急速にしぼんだ。
1年は短いようで、長い。「何か起こるには十分な時間」(米紙USAトゥデーのページ・ワシントン支局長)である。2016年選挙でトランプ氏の勝利を予測できた人は、当時ワシントンにいた私を含め当日まで少なかった。
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2012年に就職ポータルキャリアで会社員452人を調査した際、女性の59.6%が性差別を受けたと答えた。このうち1位が「コーヒーのお使いなどの雑務」(26.9%)だった。
それから10年余り。政府が昨年9月摘発した差別事例でも「女性職員だけにコーヒーのお使いや皿洗いをさせる」があった。
また、職場パワハラ119が昨年10月に実施した会社員1000人対象の調査でも、女性回答者の30.9%が「性別による雑用を経験した」と答え、全体の2番目に多かった。
3カ月前、会社員匿名アプリのブラインドに「最近も女性社員にコーヒーをいれろというところがあるのか」という質問が上がると、ある証券会社の社員はコメントで「多い」と答えた。
オンラインコミュニティでは「男性社員が後輩でも女性だけにさせる」「女性社員が忙しくても、上司は『電話が終わったらコーヒーちょうだい』と言った」などという話は枚挙にいとまがない。
性平等の水準で韓国は遅れを取っている。世界経済フォーラムが6月に出した「ジェンダー格差報告書」では146カ国中105位。特に経済参加・機会部門で114位だった。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News
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