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ガンディナガル(インド西部)=岩田智雄】安倍晋三首相は14日、インド西部グジャラート州アーメダバードで、日本の新幹線方式を導入したインド高速鉄道の起工式にモディ印首相とともに出席し、インドでの“新幹線建設”が動き始めた。インドの高速鉄道事業には中国も別路線への参入を目指しているものの、最近の領土問題での対立が影を落としている。
この高速鉄道はアーメダバードとムンバイの約500キロを結び、来年の着工と2023年の開業を目指している。終点駅となるアーメダバードのサバルマティ駅近くの運動場で行われた起工式で、安倍首相は「新幹線は、ここサバルマティから全インドへ広がる。インド中をめぐる新幹線のために、すべてのインド人のために、日本の官民が汗をかく」と述べ、インドが計画する別の6路線への新幹線導入に対する意欲を示唆した。
インドでは、こうした高速鉄道の整備拡大への期待がある中で、既存の鉄道の近代化を求める声も大きい。大規模な列車事故が相次いでいるからだ。インド政府が2路線目への青信号を出すには時間を要するとみられるが、日本は、先月28日から今月1日まで鉄道安全専門家チームを派遣して安全強化に協力し、将来へのレールも敷いている
一方、中国は首都ニューデリーと南部チェンナイを結ぶ高速鉄道計画への参入を目指してきた。PTI通信によると、中国外務省報道官は13日、日本の新幹線方式導入について問われ「中国は、地域の国々で高速鉄道など社会基盤施設を見ることをうれしく思っている」「鉄道での協力は、中印間の実用的なものの一部だ」と強調した。
しかし、中印両国は、多くの地域で国境が画定しておらず、8月下旬までの約2カ月半、国境付近で両軍が対峙する事態が発生した。この最中には中国製品の不買運動も起きた。印メディアには、「インドはいくつかの分野で中国より日本に目を向けた。この動きは高速鉄道事業でもみられる」(エコノミック・タイムズ)との分析もあり、中国は逆風にさらされているといえそうだ
マティス米国防長官と韓国の宋永武(ソン・ヨンム)国防相は5日、電話で会談し、核実験を強行した北朝鮮の挑発を受け米軍の原子力空母や爆撃機などによる大規模攻撃に向けた「戦略兵器」を今後、朝鮮半島周辺で定期的に展開させる方針を確認した。日米防衛相も6日に電話で会談し、北朝鮮への圧力強化で一致した。海上自衛隊と米海軍は電子情報を収集する偵察機による共同訓練を東シナ海で実施。海洋進出を続ける中国に加え、北朝鮮への牽制(けんせい)の意味合いがある。(千葉倫之、ソウル 名村隆寛)
米韓国防相は、米韓合同軍事演習も増強するとしている。空母の巡回などについて、韓国国防省は「北朝鮮の挑発を抑制し、合同防衛体制を一層強化する」目的と説明している。マティス氏は韓国を防衛するとの米国の約束に変わりはないとし、「北朝鮮がどんな攻撃をしようとも、(米軍の)『圧倒的な対応』に直面する」と述べたという。
小野寺五典防衛相とマティス氏の電話会談では「目に見える形で圧力をかけ続けていく」方針を確認した。小野寺氏は核実験について「過去の実験に比べ、はるかに大きく、より重大かつ差し迫った新たな脅威だ」と指摘した。
マティス氏は「断固として許されるものではない」と応じ、「核の傘」を含む日本防衛に対する米国のコミットメント(関与)は揺るぎないと強調した。地上配備型の「イージス・アショア」導入など、日本の弾道ミサイル防衛強化に積極的に協力する考えも重ねて示した。
小野寺氏は韓国の宋国防相とも電話で会談し、「北朝鮮から非核化に向けた具体的な行動を引き出すためには圧力強化が必要だ」と述べた。宋氏は「国際社会と一致して強い対応を取る」と応じた。小野寺氏は米太平洋艦隊のスウィフト司令官らとも防衛省で会談した。
日米、電子偵察機の訓練公表
7日まで行われる海自と米海軍の共同訓練は、収集した目標の情報を交換する内容。実施を公表したのは初めてで、日米連携の着実な深化を示す狙いがありそうだ。
訓練に参加したのは海自のEP3電子戦データ収集機とOP3C画像情報収集機、米海軍のEP3E電子偵察機。EP3は艦艇や潜水艦が発するレーダーや通信の電子情報を遠方から探知・収集することで動向をつかんだり、艦種・能力の識別を行う。OP3Cは通常の哨戒機よりも遠方から画像情報を収集する能力がある。
安倍晋三首相は6日、北朝鮮について官邸で記者団に「今の道を進んでいくのであれば明るい未来はないと理解させ、現在の政策を変えさせなければならない」と強調した。
■電子情報の収集 上空の偵察機などから他国の艦船や潜水艦などが発するレーダーや通信信号といった電子データを収集、分析し、作戦行動のベースとする。データをいち早く共有することで作戦を優位に展開する狙いがある。自衛隊ではEP3電子戦データ収集機が役割を担う。機密性が高く、訓練の実施を公表すること自体が珍しい。
北朝鮮が9日の「建国記念日」などに合わせて、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射や、「7回目の核実験」を強行する構えを見せている。国際社会の中止要請を無視して、さらに狂気の暴走を続けるのか。国連安全保障理事会が、石油禁輸など「最強の制裁」発動の協議を進めるなか、ドナルド・トランプ米大統領は近く、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に「軍事的警告」を与えるとみられる。原子力空母2隻を朝鮮半島周辺に再展開させる案が浮上しているうえ、北朝鮮の首都・平壌(ピョンヤン)に、戦略爆撃機B-1Bや、ステルス戦闘機F-35を飛来させることもありそうだ。
「私は、日本と韓国が、米国から高性能の軍事装備を大量に購入することを許可するつもりだ」
トランプ氏は5日、自身のツイッターにこう書き込んだ。「核・ミサイル」による挑発を続ける北朝鮮に対し、同盟国とともに「軍事的選択肢を排除しない」という姿勢を示したといえそうだ。
それほど、朝鮮半島情勢は緊迫化している。
北朝鮮は、建国記念日(9日)や、朝鮮労働党創建記念日(10月10日)に合わせて、新たな「ICBM発射」や「7回目の核実験」を強行する構えを見せているのだ。北朝鮮が3日行った核実験について、国際機関はTNT火薬に換算して広島の原爆の10倍以上に当たる、約160キロトンになると試算した。
兄を暗殺し、叔父を処刑した独裁者が、そんな「悪魔の兵器」を握ろうとしている。
常軌を逸した北朝鮮を封じ込めるため、小野寺五典防衛相は6日午前、ジェームズ・マティス米国防長官と電話会談し、日米が緊密に連携し、北朝鮮への圧力を継続することで一致。その後、米太平洋艦隊のスコット・スウィフト司令官と、防衛省で会談した。
スウィフト氏は前日、聯合ニュースのインタビューに応じ、北朝鮮への軍事的対応措置として、以下のように語った。
「原子力空母2隻の合同演習も選択肢になり得る」「(イージス艦や空母打撃群の展開など)すべてが選択肢だ」
聯合ニュースは4日、韓国国防部が「空母や戦略爆撃機投入を米国と協議中」とも報じている。北朝鮮の暴走を阻止する警告といえる。
具体的には、今年5~6月、朝鮮半島周辺に展開した米原子力空母「ロナルド・レーガン」と「カール・ビンソン」の再展開や、米国領グアムのアンダーセン空軍基地に配備されている戦略爆撃機B-1B「ランサー」の投入などが検討されているという。
在京の情報当局関係者は「米国と北朝鮮は6月ごろから『水面下接触』を続けている。米国は『核・ミサイルの完全放棄』を、北朝鮮は『核保有の容認』『正恩体制の存続保証』を要求して対立しているようだ。早期に全面戦争に突入することは考えにくいが、北朝鮮の挑発に警告を与えるため、米国が『強力な示威行為』に踏み切ることはあり得る」と語った。
米海軍横須賀基地(神奈川県)を母港とする「ロナルド・レーガン」は世界最大の空母で、乗員約5750人。F/A18E「スーパーホーネット」など70機以上を搭載する。ミサイル巡洋艦やミサイル駆逐艦、原子力潜水艦などを従えた空母打撃群の旗艦だ。
B-1Bは、ステルス性を持ち、敵地に超音速(マッハ1・25)で侵入する。巡航ミサイル「トマホーク」や、地中貫徹爆弾「バンカーバスター」などで、地上や地下にある正恩氏の隠れ家や主要軍事施設をピンポイントで破壊できる。
F-35は、高いステルス性能に加え、高性能レーダーを備えた最新鋭機。米国外で初めて米軍岩国基地(山口県)に配備された。
トランプ氏は「6回目の核実験」と「ICBM発射」をレッドラインに設定しているとされた。今年前半、「北朝鮮の核保有は許さない」と、軍事行動にすぐ踏み切る構えを見せていたが、ホワイトハウス内の権力構図が変わったためか、極端な姿勢は控えている。
一方、正恩氏はどんどん増長しており、朝鮮人民軍に対して「米国が我慢できなくなるまで圧迫しろ」と指令したとされる。世界最強の米軍を、あまり怖がっていないようにすら思える。
前出の情報当局関係者は「覇権国家・米国のメンツにかかわる。同盟国への信頼をつなぎ止めるためにも、近く、米軍は軍事的対応措置を行うはずだ。空母展開だけでなく、『B-1Bの平壌上空への侵入』や、『最新鋭ステルス戦闘機F-35を平壌上空から急降下させる』などが考えられる」という。
北朝鮮の核保有は、東アジアだけでなく、世界の安全保障構造を根本から変える。憲法9条では、正恩氏の暴走は止められない。日本は国防について、先入観や固定概念を捨てて、真剣に考えるべき時代を迎えた。
1日、韓国釜山市の日本総領事館前に設置された慰安婦像の周辺で、ごみをまき散らしたり、大小便をするなどの問題行為が相次いでいる。写真は釜山の慰安婦像。(Record China)
スペイン外務省は8月31日、北朝鮮が日本上空を通過する形で弾道ミサイルを発射したことを受けて、駐マドリードの北朝鮮大使を呼んで抗議し、外交官1人の退去処分を通告したと発表した。スペインのメディアが伝えた。
スペイン外務省は北朝鮮大使に「国際的な核不拡散体制を揺るがし、地域と世界の安全保障を脅威にさらした」と強く抗議。その上で、マドリードに駐在する大使と2外交官の計3人のうち外交官1人を1カ月以内に退去させるよう要求した。後任は受け入れない。
スペイン外務省報道官は「北朝鮮に対しては、挑発を繰り返せば2国間関係に影響が出ると警告していた」として、度重なる抗議を北朝鮮が無視したため、厳しい措置を取ったことを明らかにした。(共同)