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時代を見通す日本の基礎情報

日本を取り巻くアジア情勢の変化 世界の情報を辛口で伝える情報部ログ 世の中はめまぐるしくかわっていきます その中で取り残されない為の情報をお伝えします Changing Asian situation surrounding Japan Tell the world information by information Department log The world is rapidly mood In order not to lag behind in its informed the <a href="https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" rel="nofollow">なんでもまとめてお売りください!宅配買取「いーあきんど」</a> <img border="0" width="1" height="1" src="https://www19.a8.net/0.gif?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" alt="">

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米中「貿易戦争」が緊迫化、選挙対策の思惑も

 トランプ米大統領が対中制裁措置の拡大を検討する方針を示し、米中が一歩も引かず報復を応酬させる緊迫した局面に入った。通商問題をめぐって両国が互いに対決姿勢を強める中、交渉を通じた歩み寄りの余地が狭まる恐れもある。またトランプ氏は「貿易戦争」に備えて守りも固めるが、選挙対策の本音もちらつく。


 「(中国国家主席の)習近平氏に敬意を抱いている。友であり、大好きだ」


 トランプ氏は5日、ウェストバージニア州での住民座談会でそう語り、いつも通り中国の貿易不均衡に不満を示したものの、習氏を称賛してみせた。


 しかしホワイトハウスはその数時間後、対中制裁の拡大検討を発表した。この日の朝には政権高官も相次いでテレビ出演し、中国との交渉に前向きな姿勢をにじませていただけに、米国内でも「無責任だ」(情報技術産業協議会)と戸惑いの声が出ている。


 トランプ氏は今回、中国による知的財産侵害を理由とする関税案の対象額を一気に3倍に引き上げる検討を指示した。トランプ氏が中国への攻勢をまったく緩めない姿勢を示し、商をめぐる米中関係は互いに引くに引けない「チキンレース」の様相だ。


トランプ氏は貿易戦争に備える動きもみせる。制裁拡大の検討指示に合わせ、中国側からの報復措置で打撃を受ける農業従事者を守るための計画の検討もパーデュー農務長官に指示。中国政府が報復手段として、米国の主要な対中輸出品である大豆などの農産物に関税を課す方針を示していることへの対応だ。


 ただし貿易戦争は米中両国にダメージを与えるとの見方も多く、トランプ氏の本心には不透明感もある。


 トランプ氏は声明で中国の不公正貿易が「ワシントンに長年、無視されてきた」と指摘し、歴代政権との違いを強調している。こうした振る舞いからは、11月の中間選挙を控え、不公正取引で損害を受けた米労働者を守るため、中国との対決も辞さない大統領像を演出しようという思惑も見え隠れする

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コーヒーでがんになるのか 米裁判所、スタバなどに「警告表示」すぺきと判断日米で大論争!

毎日飲んでいる人も多いはずだが…。米ロサンゼルスの裁判所がスターバックスなど販売業者に対し、コーヒーに発がん性成分が含まれているとの警告表示をすべきだとの判断を下したことが話題となっている。逆に日本の研究機関は病気のリスクを下げるとの調査結果を公表しているが、論争に決着は付くのか。


 裁判で原告側の非営利団体は、発がん性が指摘される化学物質「アクリルアミド」が、コーヒー豆の焙煎(ばいせん)で生じるとして、この化学物質を取り除くか、警告表示をするかのいずれかを求めた。販売業者側は、健康に影響が出る水準ではなく、利点の方が勝ると反論したが、判決では「原告側はコーヒーの消費で胎児から大人まで危険性が増すとの証拠を示した。一方で被告側の医療の専門家の証言は、因果関係に基づかない意見だった」として原告の言い分を認めた。


 販売業者は上訴できるが判決が確定すれば、カリフォルニア州でコーヒーを販売する場合、発がん性物質の表示が義務付けられる


 山野医療専門学校副校長で医学博士の中原英臣氏は「米国立がん研究所によると『アクリルアミド』はDNAを傷つけ、変異をもたらす『グリシダミド』という物質に変わる。ただ、マウスの実験だけで人間のがんのリスクが増すかどうかは証拠が不十分だともしている」と解説する。一方、長年コーヒーと病気との関係を研究している日本の国立がん研究センターの「多目的コホート研究」によると、コーヒーが病気のリスクを下げるケースが報告されている


日米で大論争!コーヒーでがんになるのか

  • 日米で大論争!コーヒーでがんになるのか

 同研究では、病気になる前の人を20数年間追いかけ、コーヒーを飲む人、飲まない人がそれぞれ病気になるかならないかといった調査を行っている。


 その結果、コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて、肝臓がん、子宮体がん、膵がん(男性)、浸潤結腸がん(女性)などのリスクが下がることが分かったという。米国の裁判で問題となっている「アクリルアミド」については、乳がんを対象にした研究で、リスクは「上がらない」とされた。


 がん以外でも、脳腫瘍のリスクが1日3杯以上のコーヒーで下がるほか、糖尿病のリスクも下がるという結果になった。


 世界保健機関(WTO)の専門組織は2016年に「発がん性がある可能性を示す決定的な証拠はない」との調査結果を報告している。


 前出の中原氏は、「コーヒーに含まれる『クロロゲン酸』は抗酸化物質であるポリフェノールの一種で、アンチエイジング効果があるとされる。良いものも入っていれば悪いものも入っているということだろう。結局飲む量が問題だ」と話す。


 何事も過ぎたるは及ばざるがごとしか。







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肉の先食べ」で血糖値を下げる (2/2ページ)

4月2日(一部地域は異なります)発売の『はつらつ元気』2018年5月号(芸文社)の大特集は、「糖尿病を治す新常識」です。糖尿病の克服に役立つさまざまな新情報を掲載しています。


 糖尿病の改善のためには、食生活の見直しが欠かせないといわれています。「何を食べるか」はもとより、「どうやって食べるか」も大切です。なかでも食べる順番は、糖尿病の発症や進行の要因となる食後血糖値の上昇スピードとかかわるため、糖尿病の人が気を使うべき項目のひとつとなっています。


 「野菜ファースト」は、野菜→おかず→主食(ご飯)の順番に食べる方法です。野菜に豊富な食物繊維が、糖の消化・吸収を遅らせ、食後血糖値の上昇をゆるやかにしてくれます。メタボ対策としても有効な方法であり、すでに実践されている人も多いでしょう。

 ところが、野菜ファーストには、意外な落とし穴があるといいます


 「実は野菜ファーストを実践し、『最初は効果が出たけど、数値が上がってきた』という人がいるんです」とは、栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅氏。


 栗原氏によると、野菜でおなかがいっぱいになり、肉や魚を十分に摂取できていないといったケースが少なからず見受けられるそうです。


 とくに糖尿病で血糖コントロールをしている人は、「とにかく野菜を」という意識が強く、「野菜さえ食べていれば大丈夫」と思いがち。結果、気づかぬうちに筋肉量を減らしてしまうのです。


 「筋肉の減少は大問題。骨格筋(骨格を動かす筋肉)が減れば、血中の糖を取り込む働きが落ち、血糖コントロールに悪影響を及ぼします。また、体を動かすのがおっくうになり、生活習慣病の温床となる運動不足にも陥りやすくなります」(栗原氏)


 そこで、栗原氏が推奨しているのが「肉の先食べ」。


 肉や魚を先に食べることによる血糖値下げ効果は、「インクレチン」によるもの。インクレチンは、小腸や十二指腸から分泌されるホルモンの総称で、血糖値を下げるホルモン・インスリンの分泌を促すことがわかっています。


 また、肉や魚には、食べ物の胃から腸への到達を遅らせる働きがあるので、糖がゆっくり吸収され、食後血糖値の上昇がおだやかになるのです。


 「小食な人、高齢者ら筋肉量が少ない人、血中アルブミン値が4・0以下の人は、ぜひ実践すべきです」(栗原氏)


 肉や魚に含まれるタンパク質を原料としてつくられるアルブミンは筋肉量と関連し、加齢によって減少します。そしてアルブミン値が高い人ほど健康長寿を実現しやすいことが判明しています。


 ちなみに、植物性のタンパク質に比べ、魚や肉、とくに肉が効率よくアルブミンを増やすことができます。


 栗原氏は、「1日にとりたいタンパク質の量は200グラム以上。肉100グラム以上にプラスして、魚や卵、豆類をあわせて食べるのがおすすめです」と話している。


 【肉の先食べ法】100グラム前後の肉(調理法は何でも)を最初に食べ、その後に卵・大豆製品・乳製品・魚などを合わせて約100グラムの野菜類を摂取する。ご飯やパンの糖質は、控えめに。


 ■タンパク質100グラムに相当する分量=豆腐1/2丁▼納豆2パック▼卵・1~2個▼魚・刺し身1人前▼肉・手のひら大


 

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規制強化でも中国でブロックチェーンが注目され続けるワケ

 世界最大級の仮想通貨取引所のバイナンスに、先月23日、無登録のまま国内で営業しているとして金融庁が警告を出した。営業を停止しない場合、刑事告発も辞さないとする厳しい対応のあった翌日、同社は香港にあった拠点をマルタ島に移すと発表した。一連のニュースは、警告を出す方針だという観測記事が22日に流れた段階から、中国で注目を集めた。さまざまな規制にもかかわらず、中国のブロックチェーンに対する熱量は下がりそうにない。

 

中国資本がブロックチェーン目玉に都内でサミット

 「ブロックチェーンは単なるテクノロジーではない。人間社会に深遠な変化をもたらすものだ」


 先月22日、東京大学のホールで中国でよく知られたエンジェル投資家の楊寧は、約400人の聴衆を前にこう熱弁をふるった。日米中の投資家とアジアを中心とするスタートアップの集うTEAMZビジネスサミットでの一幕。このイベントは、中国系企業のTEAMZ, Inc.が主催し、中国大手ポータルサイトの網易(ネットイース)が共催した。数十億円の投資額を用意したとされるピッチコンテストへの参加企業は、大半がブロックチェーンに関するもので、中国資本のブロックチェーンへの関心の高さを印象付けた。

TEAMZビジネスサミットに登壇した楊寧(右から2人目)


中国では、昨秋から政府が仮想通貨に対する規制を次々と出しており、取引所が閉鎖され、ICO(仮想通貨による資金調達)が禁止されるなどしている。こうした規制に関する報道が多いため、中国で仮想通貨やブロックチェーンが下火になっていると勘違いする人もいるようだが、実際はそうではない

 


 マイニング(採掘)が禁止されるという報道のある一方で、中国国内では今も旺盛にマイニングが行われている。ビットコイン長者の動向も注目されているし、バイナンスをはじめとする中国で生まれた仮想通貨取引所が海外に拠点を移し、その後どう成長しているかも関心を集めている。


 規制のために中国国内で仮想通貨関連の事業が難しくなった事業者が注目しているのが、日本だ。仮想通貨交換業の登録制度を設けているからで、日本で仮想通貨関連ビジネスをしたいと考えている中国企業は多い。こうした背景があって、都内でブロックチェーン関連のビジネスサミットが開催されたわけだ。冒頭のスピーチの2時間ほど後には、金融庁がバイナンスに警告する方針だという報道がされ、冷や水を浴びせられることになるのだけれども。

バイナンスの動向に日本以上に注目

 

 バイナンスへの警告についての観測記事は、日本以上に中国で盛んに引用されることになった。共同創業者の何一が「(警告は)計画でまだ起こっていない」と火消しのためにコメントしているのが伝えられ(http://finance.sina.com.cn/blockchain/coin/2018-03-22/doc-ifysnevk6972054.shtml)、趙長鵬CEOの「(日経新聞は)無責任なジャーナリズムだ」というツイートも伝えられた。


 2017年に設立され、破竹の勢いで取引量を拡大してきたバイナンス。中国での規制強化に伴い、2月に中国大陸のユーザーへの業務を停止すると発表していた。拠点を日本に移しているのではないかという噂は昨年からあった。そういう中での警告の報道に、日本がだめならバイナンスはいったいどこに行くのかと、今後を危ぶむ反応も多かった。23日には実際に警告が出され、その懸念が的中したかに見えた。しかし、翌24日には同社が本拠をマルタ島に移すと発表し、マルタの首相が歓迎の意向を表明――という急展開で、窮地に陥ったかに見えたバイナンスが盛り返した格好だ。


 「バイナンスは日本で再び挫折し、マルタ島へ転戦。チャンスか挑戦か」という自媒体「区塊錬(ブロックチェーン)研究院」の記事は、中国に次いで日本でも挫折したバイナンスのマルタ島移転を新たなチャンスと捉えている(https://www.toutiao.com/a6538543458624209412/?tt_from=copy_link&utm_campaign=client_share&article_category=stock×tamp=1522548467&app=news_article&utm_source=copy_link&iid=29677736999&utm_medium=toutiao_ios)。バイナンスはマルタへの移転に伴い、従業員200人を新たに雇用するとしている。


 ところで、このところバイナンスは組織の分散化を強調してきた。金融庁が警告を出す見込みだと報じられた際も、何一は業務はすでに分散化しているとコメントしていた。十数の国や地域で業務をしているとされ、その中でも特に日本が重要な位置を占めていたようだ。


 「バイナンスはなぜいつもプランBがあるのか」(http://mp.weixin.qq.com/s/B8unL2NsKq7tiWJsy6XzCQ)という自媒体「区塊錬(ブロックチェーン)投資内参(内部参考ニュースレター)」の記事は、窮地に追いやられたはずのバイナンスがマルタへの本社移転を表明して危機を切り抜けた、その世渡りの上手さをほめたものだ。中国当局の規制や3月上旬のハッカー攻撃などの危機を乗り越えられた理由を、「安きに居りて危うきを思う」というマインドと、嗅覚の良さと視野の広さにあるとしている。

関心は仮想通貨からブロックチェーンそのものへ

 今のところブロックチェーンといえば仮想通貨ばかり注目されがちだ。だが、ブームが続くのもそう長くないと言われる仮想通貨に代わって、ブロックチェーンそのものの今後の展開に注目が集まっている。ブロックチェーンによるイノベーションには政府も、JD.com(京東商城)のような民間企業も注目している。


 中国では、ブロックチェーンによる技術革新について、起業家や投資家らが議論を繰り広げる「午前3時スリープレス・ブロックチェーン」という名前のWeChat(微信)のグループチャットが話題になった。仮想通貨に陰りが見える一方で、ブロックチェーン技術自体はまだ夜明け前にあるといえ、期待が高まっている。



 冒頭のスピーチで、楊寧は「もともとネットの世界は(すべての人がフェアな立場になれる)ハッピーワールドのはずだった。ところが大企業がデータやユーザーアセットをカットするようになってしまった」「これまでのフリーというのは偽物のフリーだった。ブロックチェーンは真のフリーを実現しうる」と語った。関心は、仮想通貨で稼ぐというところから、ブロックチェーンでどういう真のイノベーションが起きるのか、それにどう関われるのかというところに移ってきている。


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南シナ海に〝不沈空母〟出現、フィリピンを籠絡した中国

 フィリピンの有力英字紙「Philippine Daily Inquirer」は2月5日、南シナ海南沙諸島で中国が実効支配する7つの環礁の空撮写真を掲載した。いずれも昨年下半期に撮影されたもので、滑走路やレーダー施設などが建設され、中国が進める軍事化が完成間近にある様子が明らかになった。この報道を受け、フィリピン国内では野党議員や識者の間で安全保障上の懸念を示す声が強まり、中国から経済援助を引き出す見返りに軍事化を黙認していたドゥテルテ政権の外交政策に批判が集中した。


 筆者が同新聞社から入手した写真によると、少なくともスビ礁とミスチーフ礁には数千メートル級の滑走路が設置され、レーダー施設のほか、格納庫や灯台、1~5階建ての建造物が多数並んでいるのが分かる。

中国の軍事拠点化が進む南沙諸島のスビ礁。写真手前には数千メートル級の滑走路もある (写真・INQUIRER.NET/PHILIPPINE DAILY INQUIRER)



内外に波紋が広がる中、フィリピンのロケ大統領報道官は会見で報道陣に対し、「中国が埋め立てによって軍事化を進めていたことはすでに熟知しており、特にニュースではない」と一蹴し、7つの環礁以外に実効支配を拡大しないと中国が確約した点を重視し、軍事化に抗議しない考えを示した。

 


 南沙諸島でフィリピンが実効支配する地域を管轄するカラヤアン町のビトオノン元町長は2年前、海外メディアとともに小型飛行機で南シナ海の上空を飛んだ経験がある。その時に見た光景を基に、筆者の取材にこう語った。


 「(中国が実効支配する)スビ礁、ミスチーフ礁、ファイアリークロス礁などを上空から眺めた。すでに埋め立てが進んでおり、滑走路や複数の建物を見た。上空を旋回中、中国側から『侵入禁止区域であるため直ちに引き揚げろ』と無線で警告を受けた。船で南シナ海を横断した時も中国艦船から妨害を受けた」


 南沙諸島の領有権を巡ってフィリピンと中国の緊張が高まったのは、アキノ前政権下の2012年4月。ルソン島中部の西方沖約230キロの海上にあるスカボロー礁で、両国の艦船が2カ月以上にわたりにらみ合いを続けた。フィリピン政府は翌13年、領有権問題の平和的解決に向け、国際仲裁裁判所に中国を相手取って提訴したが、同年後半にはすでに、中国が実効支配する7つの環礁で埋め立てが始まったとされる

(出所)各種資料を基にウェッジ作成
(写真3点・INQUIRER.NET/PHILIPPINE DAILY INQUIRER) 写真を拡大


 仲裁裁判所は16年7月、南シナ海ほぼ全域に主権が及ぶと主張する中国の境界線「九段線」について、「中国が主張する歴史的権利には法的根拠はない」とする判断を下した。これで中国による軍事化に歯止めがかかるはずだった。しかし、中国と対峙(たいじ)してきた前政権に代わり、16年6月末に発足したドゥテルテ政権は、それまでの親米路線から親中へと舵(かじ)を切っていた

 


 ドゥテルテ大統領は、漁民のスカボロー礁での操業再開に加え、中国から巨額の経済援助を受けることと引き換えに、南シナ海問題を事実上棚上げした。この結果、中国はすでに埋め立てを行っていた7つの環礁の軍事化を着々と進めた。これまでにも米国のシンクタンク戦略国際問題研究所による空撮写真の公開でその進捗(しんちょく)状況は明らかにされてきたが、今回のInquirerの報道で軍事拠点の規模や整備の様子がより詳細に明かされた。


 海事分野に詳しいフィリピン大学のバトンバカル教授は、「中国の軍事化を黙認したドゥテルテ大統領の思惑は中国からの経済援助だ。しかし、中国がこれまでに表明した巨額のインフラ整備事業は何一つ行われていない。フィリピン政府は譲歩しすぎだ」と批判した。



フィリピンは16年10月、中国からインフラ建設支援など総額240億ドルという巨額の経済援助の約束を取りつけた。その内実についてジェトロアジア経済研究所企業・産業研究グループ長代理の鈴木有理佳氏は、「240億ドルのうち、約150億ドルは民間企業の投資が大半で、実現性は不透明。インフラ整備に関しては、案件の確定に時間がかかっているようで、現時点で着工に至ったものはない」と語る。

 


 中国からの援助としては、銃器類の供与や昨年5月に紛争が勃発(ぼっぱつ)したミンダナオ島マラウィの復興支援(300万ドル)などが挙げられるが、同教授によると、南シナ海問題の棚上げに比べればフィリピンが受けた利益ははるかに少なく、「不公平な取引」だという。しかし、ロケ大統領報道官は、スカボロー礁におけるフィリピン人漁師の活動再開や、中国人観光客や中国からの投資増などを挙げ「両国の互恵関係を発展させ、わが国民に明らかな利益をもたらしている」と述べている。

フィリピンを中国の州に」
大統領発言に批判続出

 Inquirerの報道から2週間後、ドゥテルテ大統領による発言がまたもや物議を醸した。マニラのホテルで開かれた、中華系フィリピン人が集まるビジネス会合でドゥテルテ大統領は、スカボロー礁に実効支配を拡大しないと約束した習近平国家主席を称賛した上で、こう発言した。


 「フィリピンを中国の一つの州にしよう。中華人民共和国、フィリピン州


 会場からは失笑を買い、その中には趙鑑華(ジャオジャンファ)駐比中国大使の姿もあった。これはリップサービスとみられるが、政治家や有識者からは「フィリピン人を侮辱しているようで、到底受け入れられない」「国家の尊厳を失わせる発言で、一国の大統領として恥ずかしい」などといった批判が続出した


両国の友好関係は、ドゥテルテ大統領が所属する政権与党、PDPラバンの活動にも及ぶ。同党党首のピメンテル上院議員率いる一団は昨年、中国福建省を訪れ、中国共産党員と親交を深めていたことが明らかになっている。東アジアの国際政治を専門にするデ・ラ・サール大学のデ・カストロ教授は、「大統領は中国のような権威主義体制を望んでいる。自身も『独裁者』と認めているように、メディアからの監視をはじめとしてチェック・アンド・バランスを極度に嫌う。だが、大統領の中国寄りの思想と国民の認識の間にはズレもある」と指摘する。

 


 民間調査機関ソーシャル・ウエザー・ステーションによる、フィリピン国民の関係各国に対する信頼度を調査した最新結果(17年5月)では、1位の米国に日本、オーストラリアが続き、中国はワースト2位だった。中国の軍事化には国民の間でも懸念が相次ぎ、麻薬撲滅戦争など国内政策ではドゥテルテ大統領が高支持率を維持する裏で、外交政策は賛同を得られていないという現状が透けて見える。


 ドゥテルテ批判の急先鋒、アレハノ下院議員は「大統領は、中国との良好な関係をアピールし、『中国も地域の安定を望んでいる』と持ち上げているが、それは一時的にすぎない。中国は最終的に、南シナ海全域を支配するだろう」と危機感を募らせる。


 中国の軍事化が連日メディアで騒がれている中、フィリピンを訪問中の米海軍幹部は2月半ば、海外の報道機関に対し、「人工島における中国の軍事拠点に阻まれることなく、米軍は南シナ海上での航行を続ける。国際法はこの地域におけるわが国の航行、そして飛行を認めている」と語った。


 米国のイージス駆逐艦が1月半ば、スカボロー礁の領海に侵入したことで国際社会に再び緊張が走った。中国外務省の報道局長は、中国の主権と安全に損害を与えたとして「強烈な不満」を表明。中国はその対抗処置として南シナ海で戦闘機による「戦闘パトロール」を実施した。こうした米中間の抗争について、日本国際問題研究所主任研究員の小谷哲男氏は、「中国は米軍が航行の自由作戦を行う度に、これへの対抗を口実にさらに軍事化を進めるが、米国は航行の自由作戦を止めるわけにはいかない。米中とも軍事衝突を望んではいないが、不測の事態が起こる可能性は高まる」と分析する。



 米駆逐艦によるスカボロー礁の領海侵入では、ロケ大統領報道官が「比は米中間の問題に立ち入りたくない」と発言し、あくまで米中間の争いとの認識を示した。だが、中国と良好な関係を築くドゥテルテ政権の任期は2022年まで。次期政権が親中路線を継承するとは限らない。仮にアキノ前政権と同じく親米路線に軸足を戻した時、南シナ海を巡る現在の〝均衡〟状態は大きく崩れ始めるだろう。


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