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時代を見通す日本の基礎情報

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北エリートも崩壊を意識か 丹東に秘密口座

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は最近、外交で精彩を欠く。先月25日の露朝首脳会談はロシア紙から「驚くべき内容はなかった」と突き放された。また2月末には“制裁全面解除”の期待を背負って臨んだ米朝首脳会談で米トランプ政権から、核を差し出せと迫られる始末だった

 そんな“3代目”に明るい未来が描けなくなったのか、北の特権層の中に崩壊を意識したかのような動きが把握され、関係各国の関心を集めている。

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 北の外貨獲得は専門機関「39号室」が担っているとされる。2016年9月、正恩氏は5回目の核実験に踏み切るが、これを理由に国連が科した制裁は外貨獲得に関係する企業や個人も含まれ、外貨獲得活動を大幅に制限。正恩氏と政権中枢に「激しい痛み」を与えているようだ。

 昨年11月に筆者がインタビューした元北朝鮮兵士の脱北者、呉青成(オ・チョンソン)氏は北朝鮮には月給という報酬制度は事実上、存在しないと証言。ソウル在住の別の脱北者は「北の住民は権力の大きさに応じ、ピンハネや恐喝で金品を得て暮らしている権力は暮らしの糧だ」と明かした。

 この脱北者によれば体制を中枢で支える層は、正恩氏が「統治資金(外貨)」から下賜する金品も生活の大きな原資となっている。指導者による“面倒見”で、この多寡が特権層の政権への忠誠度を左右するのだという。北は資本主義社会以上に“カネの切れ目”にシビアなのだ

 だからなのか、確かに正恩氏はこれまで、実に気前良くカネを使ってきた。

 指導者就任後、正恩氏は米国を対等な核軍縮交渉に引っ張り出す戦略を立て、米東海岸を直撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成を目指した。ウクライナから高性能ロケットエンジンを技術者ごと買った疑いも出ているが、核・ミサイルが急激に高性能化したことを考えると高額な技術の買い付け先は多岐にわたるはずだ。

一方、正恩氏は高層住宅や大規模なスキー場、遊園地の建設など国内の生活・娯楽インフラ開発も進めたが、こちらは特権層である平壌市民を喜ばせる“下賜サービス”の類いだろう。

 ただ、制裁で外貨が得にくい中、多額の統治資金が使われ、正恩氏はいま資金調達に首が回らなくなっていると、複数の北朝鮮筋日本政府関係機関に指摘しているベトナムから帰国後、正恩氏が泥酔する姿も目撃されているというが、これも資金繰りの悩みか。

 中朝国境の河川、鴨緑江(アムノッカン)を挟んだ中国側に丹東という都市がある。中朝物流の一大拠点として有名な一方、対北経済制裁の抜け穴ともみられている。

 米国など複数の情報当局者によると最近、北では丹東を北朝鮮有事の脱出口とみて、中枢機関である党組織指導部の幹部らが現地銀行に秘密口座を開設する動きが目立っているという。

 特権層は北朝鮮関係者が収益を北に送金する途中で一部を横領して自分の口座に納め蓄財するというが、興味深いのはこうした動きを中国側が把握しながら、放置していることだ。

 中国は北のエリートらが既に丹東よりも内陸部に避難先を確保していることも把握している。中国は、北が崩壊する際に高官や富裕層が丹東を脱出経路とするとみているのだろう。

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 西側情報筋は「中国は丹東で情報機関員を多数活動させている。北朝鮮が崩壊した際の動きをいち早く入手するモニターとして活用するつもりだ。また、脱出者を保護するか拘束するかして、ポスト正恩政権の情勢に有利に関わるカードにすることも考えているのではないか」とみる。情勢は水面下で、ダイナミックに動いているようだ。

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岩国の航空祭に世界各地からパイロットが集合音速寸前!米軍の本気の飛びっぷり



自衛隊男の群れ


日米同盟の絆をアピールする毎年恒例の航空祭「岩国フレンドシップデー」が5月5日に岩国航空基地(山口県)で開催され、米海兵隊や海軍所属の航空機がデモ飛行を披露。音速寸前の高速パスなどの機動飛行を見せるなど、約16万5千人の観客を魅了した。   (岡田敏彦

日本に居ないレア機も

 同航空祭の特徴は、展示・飛行する機体の種類の多さと、本気の飛びっぷりに尽きる。今回も在韓米軍の航空機が韓国から飛来したほか、米本土から操縦士が遠征するなど、米軍の力の入れようがうかがえた。

ヘリコプターのホバリングのように、空中に静止するステルス戦闘機F-35(岡田敏彦撮影)
ヘリコプターのホバリングのように、空中に静止するステルス戦闘機F-35(岡田敏彦撮影)

 航空祭開催は5日だが、前々日の3日には既に航空機マニアたちが基地北側の今津川堤防に集合。この場所は基地の外から離着陸を撮影できるスポットとして有名で、関東地方のナンバーの車も続々集まった。そんなマニアたちの目当ては、通常は日本では見られない機体のひとつ、在韓米軍に配備されている地上攻撃機「A-10サンダーボルト2」だ。午後3時38分、いまどきのジェット戦闘機とは異なる直線翼の「A-10」2機が姿を見せると、マニアらの構える望遠レンズが一斉に空へ向けられた。

機体を傾けて観客にサービスする米太平洋空軍(PACAF)デモチームのF-16(岡田敏彦撮影)
機体を傾けて観客にサービスする米太平洋空軍(PACAF)デモチームのF-16(岡田敏彦撮影)
機体を傾け、観客に上面を見せて飛ぶ米太平洋空軍(PACAF)のF-16(岡田敏彦撮影)
機体を傾け、観客に上面を見せて飛ぶ米太平洋空軍(PACAF)のF-16(岡田敏彦撮影)

 当日の5日には、この「A-10」2機を含む多くの米軍機が公開された。最新の大型輸送機C-17グローブマスターIII(米空軍航空機動軍団所属)はハワイ州ホノルルのヒッカム基地から参加。操縦士も専門のデモチームの要員で、日本の観客への力の入れようがうかがえた。

また地元勢も豪華な顔ぶれとなった。岩国基地には昨年3月末、米海軍厚木基地(神奈川県大和市など)所属だった空母航空団の機体が移転したことで、岩国基地を「ホーム」とすることになった海軍の艦載機が多数お目見えした。具体的には、原子力空母ロナルド・レーガンに艦載される第5空母航空団の機体で、F/A-18スーパーホーネットやE-2Dホークアイ電子戦機、C-2グレイハウンド輸送機などが地上展示された。

ステルス機は空中静止、空軍機は〝限界速度〟で… 

フライトを披露する飛行展示では、岩国の主役の米海兵隊機が次々と離陸。最新ステルス戦闘機のF-35BライトニングIIは、空中でヘリコプターのように静止したり、水平に回転して向きを変えたりするなど通常の航空機ではありえない飛行を行い、その特徴である短距離離陸・垂直着陸の能力に注目を集めた。

また第5空母航空団のF/A-18は、デモ飛行に当たって米バージニア州のオセアナ海軍基地から、高度な機動飛行をこなす操縦士を呼び寄せる本気ぶり。これに対し、ゲストの米太平洋空軍(PACAF)デモンストレーションチームのF-16ファイティングファルコンも例年にない迫力の飛行で応えた。急上昇や背面飛行などに加え、今回は会場前を左右に飛び抜けるハイスピードパスで「パン」という大きな衝撃音が発生し、観客の度肝を抜いた。

飛行後、「音速を超えた衝撃波では」との問いに、操縦士のジェイコブ・インペリゼリ大尉は「音速は超えていない。(計器表示は)マッハ0・94だった」としたうえで「海面(地上)に近い飛行高度や天候の関係で、空気の振動が発生したのだろう」と説明。音速を超えると「ドーン」という衝撃音が発生するのが通例なので、説明通り音速は超えていないとはいえ、観客に米空軍の姿を見せようとの本気度が伝わる飛行だった。

同チームは航空自衛隊の航空祭など日本各地でデモ飛行を披露しており、人気も高く、インペリゼリ大尉の名は航空機マニアの間では有名。ファンに対してメッセージを求められ「ファンが多いのは光栄で嬉しいこと」と述べ、上空から会場や堤防にいるファンが見えるか、との問いには「機内から皆さんに手を振っていますよ。何らかの形でふれ合いたいと思っていますから。背面飛行ではサムアップ(親指を立てるジェスチャー。満足や同意を示す表現)しています」と、ファンサービスへの力の入れようを説明した。

海兵隊のMV-22オスプレイも短距離の離着陸などのポテンシャルを公開した(岡田敏彦撮影)
海兵隊のMV-22オスプレイも短距離の離着陸などのポテンシャルを公開した(岡田敏彦撮影)
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「空母打撃群」誇示も 中国経済の減速で開発に遅れ

2017年7月、香港に寄港する中国初の空母「遼寧」(中央)=AP
2017年7月、香港に寄港する中国初の空母「遼寧」(中央)=AP
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中国海軍は創設70周年を迎えた4月23日、山東省青島市沖で国際観艦式を行い、中国初の空母「遼寧」に加えて空母打撃群を形成する最新鋭の大型駆逐艦や攻撃型原潜を公開し、中国海軍の急速な発展ぶりを誇示した。ただ中国経済の減速に伴う予算の制限を背景に、最新装備の開発が想定よりも遅れているとの指摘も出ている。(北京 西見由章)

 濃霧が海上を覆う中で行われた観艦式。中国の艦艇32隻を先導したのは094型「晋」級戦略原潜2隻で、093型「商」級攻撃型原潜2隻が続いた。いずれも最新鋭の改良型で、小原凡司・笹川平和財団上席研究員によると「(船体上部に突出した)セールの前面がなだらかな曲線に変更され、雑音低減を図ったとみられる」という。

 093型攻撃型原潜の改良型(093A型などと呼ばれる)は2018年1月に尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の接続水域内を潜没航行し、海自護衛艦に追尾されて海面に浮上、中国国旗を掲げた潜水艦と同型の可能性もある。長距離、長期間の作戦行動が可能で空母の護衛任務も担うとみられている。

 観艦式の最大の目玉は、排水量1万トン以上でアジア最大級の最新鋭ミサイル駆逐艦「055型」が南昌艦として公開されたことだ。その後の中国国防省の発表によると、近く就役する予定という。055型は空母を守る主力艦とされ、これまでに4隻が進水し、8隻目の建造も伝えられている。

 中国政府系メディアによると、055型の火力は現在就役している駆逐艦の中で最も大きい「052D型」の2倍に達し、ステルス性能や情報処理能力も強化されている。

中国海軍の「主役」である空母・遼寧は、052D型などのミサイル駆逐艦4隻と054A型フリゲート艦2隻、総合補給艦を従える形で観艦式に登場。その前後には空中警戒管制機KJ500とKJ200、空母艦載機殲(J)15が飛行した。小原氏は「ほんの一部ではあるが空母打撃群のデモンストレーションをしてみせた」と解説する。

 一方、中国国内では17年4月に進水した初の国産空母が公開されるのではとの期待も一部にあったが、今回は見送られた。現在は試験航行を重ねており、戦力としての公開には間に合わなかったもようだ。上海江南造船所では2隻目の国産空母が建造中で、最新鋭の電磁式カタパルト(射出機)を備えているとみられる。

 北京の軍事筋は「中国は空母打撃群を核心とする米国海軍をモデルとして海軍建設を進めている」と説明する一方、「現在の急速な艦艇建造ペースは臨界点を迎えており、今後減速していくだろう」と指摘した。

 その理由としては、巨大な陸軍の維持や空軍の装備の更新、国内の治安維持のために毎年多額の支出が必要になっているとし「海軍建設の財政力は今後も米国の水準には追いつけないだろう」と悲観的だ。さらに、中国が開発を進める原子力空母や、国産空母に導入する電磁式カタパルト、新型の空母艦載機などの最新装備の開発が、予算の制限に伴い予定よりも遅れていると指摘す

また小原氏によると、055型駆逐艦は、電磁誘導で弾丸を超高速で発射させる「レールガン」など大容量の電力を必要とする新兵器の導入を想定。ただ、米海軍だけが成功している、電力を統合的に制御するシステムの導入に失敗したとされ、改良型艦の建造に移行した可能性があるという。

 中国の19年の国防予算は前年実績比7・5%増の1兆1898億7600万元(約19兆円)で、依然として国内総生産(GDP)の実質成長率を上回る高水準を維持した。ただし、伸び率は前年比0・6ポイント減と2年ぶりに鈍化している。

 急速に戦力を向上させている中国海軍だが、「米軍と肩を並べる遠洋海軍の建設に自信を持っているわけでは決してない」( 急速に戦力を向上させている中国海軍だが、「米軍と肩を並べる遠洋海軍の建設に自信を持っているわけでは決してない」(先の軍事筋)という側面もありそうだ



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米シンクタンクが衛星写真公表北朝鮮「秘密基地」にICBM格納か?

米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)は13日までに、北朝鮮の首都平壌の北東63キロにある未公表ミサイル基地の衛星写真を公表した。稼働可能な状態で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を格納している可能性があるとの見方を示した。

 CSISによると「ユサンニ・ミサイル作戦基地」は韓国との間にある非武装地帯(DMZ)から北150キロに位置。過去の衛星写真から2003年に本格的な建設が始まり、16年までに主要施設の大半が完成したとみられる。

 格納されている可能性があるのはICBM「火星13」「火星14」「火星15」とされるが、CSISは慎重に検証する必要があるとした。今年4月時点で活発な活動がみられ、北朝鮮の水準からすると良好な状態が維持されていると指摘。一部の建物の建設工事も続いているという。(共同

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