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時代を見通す日本の基礎情報

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米大統領選、トランプ氏の「悪あがき」で片付けていいのか? 陣営は集計機の不正疑惑など追及 

米大統領選は民主党のジョー・バイデン前副大統領が当選確実と報じられているが、実は、まだ終わっていない今月14日に全米50州とワシントンDCの選挙人投票が行われ、来年1月6日に上下両院合同会議で開票結果が確定するのだ。注目された激戦6州はバイデン氏の勝利を認定したが、ドナルド・トランプ大統領の陣営は「多くの違法投票の証拠を集めた」などとして、連邦高裁や最高裁での訴訟を示唆している。混乱・困惑する米国の現状について、ノンフィクション作家の河添恵子氏が緊急寄稿第26弾で迫った。

 米国民の多く、特にトランプ支持者は、大統領選とその結果について混乱・困惑している。メディアによって非常に異なる、もしくは正反対の内容を報じているためだ。

 日本の新聞やテレビがよく引用する主要メディアは、「トランプ米大統領、24年の再出馬を示唆」(ロイター、2日)、「トランプ氏、退任前に立て続けに恩赦か」(CNN、3日)などと、しきりとトランプ氏がホワイトハウスを去る準備をしているように報じている。

 一方、保守系メディアは違う。

 トランプ陣営の上級法務顧問、ジェナ・エリス氏は11月28日、ニュース放送局「ワン・アメリカ・ニュース(OAN)」のインタビューに応じ、「メディアにだまされないように。選挙が終わったと米国民に告げて虚勢を張っている」「メディアが故意にフェイクニュースを広めるか、憲法上の誤った解釈を提供している」「専門家の話に耳を傾けてください」などと呼びかけた。

 元連邦検事で弁護士のシドニー・パウエル氏は同月13日、FOXニュースのインタビューで、「トランプ大統領の圧倒的な勝利は議論の余地がない」「ドミニオン社製の集計システムが盗みを支援した。その内部情報を暴露する」などと言及し、衝撃が走った。

 こうした疑惑を裏付けるのか、激戦州・ミシガン州で、アライド・セキュリティー・システムズの共同経営者、ラッス・ラムズランド氏が宣誓供述書を提出し、一部がメディアに公開されて注目されている。

 詳細は省くが、
(1)投票率100%の選挙区が数十カ所もある
(2)投票率が約83%に達したとき、各投票所ではトランプ氏の得票率は55~60%だったが、午前3時以降に大きく不自然に変わった
(3)計3276カ所の選挙区の有権者の84~350%が投票している(4)43万1954票は余分な票(幽霊票?)である-などだ。ミシガン州も、ドミニオン社製の集計システムを使っている。

 トランプ氏がツイッターで転載した、票の動向を示すグラフから分かるのは、大統領選の開票翌日(11月4日)の午前6時31分に突然、14万9772票が追加され、その96%(13万4886票)がバイデン票だったことだ。

 ドミニオン社は「当社の投票システムで票が変更されるか、ソフトウエアに問題があったとするあらゆる主張を断固として否定する」とツイートしている(AFP、11月14日)

 ■パウエル氏「全詐欺を暴露」

 これに対し、前出のパウエル氏は11月19日、ワシントンで行った記者会見で、「2012年と17年に、民主党議員が『この違法ソフトで投票を簡単に変えることができる』と発表していたのに、今回の選挙で民主党側の28の州が違法を承知でドミニオン社の集計機を導入した」と語った。

さらにパウエル氏は同月22日、「私の目的は、共和党員であろうと民主党員であろうと、見つけたすべての詐欺を暴露すること」と宣言している。

 激戦州の1つ、ペンシルベニア州の州議会は同月27日、今回の大統領選で、投票用紙の郵送や投票、集計に多数の違反があったことを認め、知事と州務長官に対し、以下のような共同決議を発表している。

 「すべての選挙が法律に沿って行われ、合法的な投票が正確に計算されることを国民に納得させる責任がある」「州全体の選挙結果について、調査が完了する前に認定しない

 補足すると、今月14日の選挙人投票の代表を決定する憲法上の権限は、州の司法ではなく州議会にある。

 こうしたなか、ウィリアム・バー司法長官は1日、AP通信のインタビューで、連邦検事や連邦捜査局(FBI)が不正の申し立てを受けて調べたが、「(大統領選に)異なる結果をもたらす可能性がある規模の不正は、これまで目にしていない」と語ったという。

 だが、全米各地で湧き上がる「(票の)盗みをやめろ」キャンペーンは、ますます勢いづいている。米大統領選をめぐる未曾有の事態-混乱と分断は、トランプ氏の「悪あがき」で片づけていいはずがない


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米国家情報長官、中国は自由への脅威と非難

ワシントン 3日 ロイター] - ラトクリフ米国家情報長官は3日、世界の民主主義と自由にとって中国は第2次世界大戦後最大の脅威だと非難した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のウェブサイトに掲載された寄稿で「中国政府が米国や地球全体を経済、軍事、技術的に支配しようとしているのは明白だ」と指摘。

「中国は今日の米国にとって最大の脅威であり、世界中の民主主義と自由にとって第2次世界大戦後最大の脅威だ」と強調した。

情報活動に配分される年間850億ドルの連邦予算の枠内で中国に充てるリソ-スを増やしたことも明らかにした。

ラトクリフ氏は、中国の経済スパイ活動が「窃盗、複製、置換」の3段階で行われており、中国の組織が米企業の知的財産を盗んで模倣し、国際市場で米企業に取って代わるという戦略だとした。

習近平国家主席が掲げる積極的な軍近代化を推進するため、中国が米国の防衛技術を盗んでいるとも主張した。

中国大使館の報道官は「事実を歪曲(わいきょく)」した偽善的なコメントだとしてこれを一蹴し、「米国側の一部の人が抱く根深い冷戦の考え方やイデオロギー的な偏見」を示すものだと批判した。

ラトクリフ氏はさらに、中国当局が「生物学的に能力を高めた兵士を生み出す」狙いで軍のメンバーに「人体実験」を実施したと指摘。詳細には触れなかった。

複数の米シンクタンクは中国が軍の戦略においてバイオ技術を重視する姿勢を強めていると報告しているが、ラトクリフ氏が主張するような実験に関する具体的な報告は公表していない。

米戦略国際問題研究所(CSIS)のアジア専門家ボニー・グレーザー氏はラトクリフ氏の寄稿について、来年1月にバイデン次期大統領が就任する前に中国に対する強硬姿勢を固めようとする狙いではないかと語った。

「バイデン氏の手を縛り、中国政策での調整余地を狭めようとする幅広い取り組みの一環のように見える」とした。

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モルドバ「ロシア離れ」鮮明 次期大統領、露軍の撤退要求

東欧の旧ソ連構成国モルドバで、次期大統領に就任予定のサンドゥ前首相が、現職のドドン大統領が進めてきた親ロシア路線を見直す動きを強めているサンドゥ氏は11月末、ロシア系住民が実効支配する親露分離派地域「沿ドニエストル」に駐留するロシア軍は撤収すべきだと発言し、ロシアの反発を招いた。旧ソ連圏で進む「ロシア離れ」がモルドバでも表面化した形で、ロシアは焦りを深めているとみられる。

 親欧米派野党「行動と連帯」党首のサンドゥ氏は11月の大統領選で親露派のドドン氏に勝利した。ドドン氏は「サンドゥ氏側に選挙違反があった」として法的手続きを取ったが、結果が覆る可能性は低い

 サンドゥ氏は今月24日に大統領に就任する予定。サンドゥ次期政権は、言語や文化を共有するルーマニアへの接近など、欧州連合(EU)との統合路線を加速させる見通しだ。

 サンドゥ氏は11月30日、「沿ドニエストルには(弾薬管理などを担当する)ロシア軍部隊が駐留しているが、モルドバ側とのいかなる合意もない」と述べ、ロシア軍は部隊を撤収すべきだとの認識を表明。ロシア軍などが担ってきた平和維持活動を、欧州安保協力機構(OSCE)主導に転換すべきだとも述べた。

 サンドゥ氏はまた、ドドン政権下のモルドバが2018年、ロシアの主導する「ユーラシア経済連合」のオブザーバー参加国の資格を得たことについて「合法的な手続きを経たのか確認すべきだ」と指摘。同経済連合との関係を見直す可能性も示唆した。

 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は今月1日、「ロシア軍の駐留はモルドバの主権侵害だ」としサンドゥ氏の立場を支持した。

 これに対し、ラブロフ露外相は同日、「ロシア軍の撤退は和平に寄与しない。無責任な要求は容認できない」と反発。ロシア軍駐留の必要性を認めてきたドドン氏も「ロシアとの関係を悪化させる」と警告した。

 旧ソ連圏では近年、ロシアの影響力低下が指摘されている。中央アジアでは中国の存在感が強まり、南カフカス地方でもトルコが勢力を拡大。一方のロシアは14年にウクライナに軍事介入し、同国とは事実上の断交状態が続く。大統領選の不正をめぐって混乱するベラルーシでは、ルカシェンコ大統領を支援するロシアへの反感が強まっている。

 ロシアはこれ以上の「勢力圏」の縮小を食い止めるためにもモルドバの欧米接近を阻止したい考えで、今後、モルドバに対する政治的・経済的圧力を強化する可能性がある。

 ドニエストル川東岸の「沿ドニエストル」ではソ連末期の1990年、ロシア系住民がモルドバからの分離独立を宣言し、モルドバ中央との紛争に発展した。92年に停戦が成立したが、ロシア系住民の実効支配が続き、分離独立派を支援したロシアの駐留軍も維持されている。

      ◇

旧ソ連「未承認国家」多く 紛争再燃の危険はらむ

 旧ソ連圏には、モルドバの「沿ドニエストル」以外にも、各国政府の施政権が及ばず、一方的に独立を宣言した「未承認国家」が存在する。過去に中央政府との紛争を経ており、軍事衝突が再燃する危険をはらんでいる。アゼルバイジャン西部のナゴルノカラバフ自治州をめぐる紛争が9月に起き、11月の停戦までに5千人以上の死者を出したのが一例だ。

 ナゴルノカラバフではソ連末期の1980年代後半、多数派のアルメニア系住民がアルメニアへの帰属替えを要求し、アゼルバイジャンとの紛争になった。ロシアは91年に「共和国」樹立を宣言したアルメニア側を支援し、94年に停戦。しかし対立は続き、今年9月に紛争が再燃した。

 ジョージア(グルジア)の南オセチア自治州とアブハジア自治共和国はそれぞれ90年代前半にジョージア中央と戦火を交え、独立を宣言した。両地域はロシアの庇護を得る形で事実上の独立状態を享受。2008年のロシアとジョージアの軍事衝突後、ロシアは両地域の独立を承認した

 ウクライナでは14年、東部ドネツク、ルガンスク両州の親露派武装勢力が「人民共和国」樹立を宣言し、ウクライナ軍との大規模戦闘になった。親露派はロシアの軍事支援を受けて現地の実効支配を続ける

 ロシアにはジョージアやウクライナの分離派地域を支援することで、両国の北大西洋条約機構(NATO)加盟を阻止する狙いもある。(モスクワ 小野田雄一)



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非常事態北朝鮮軍「コロナ集団感染」か部隊「丸ごと隔離」

北朝鮮の北東部の大都市、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)市内には、輸城川(スソンチョン)という川が流れている。大きな橋が2本かけられているが、今年8月に地域を襲った台風9号(メイサーク)の被害で流出してしまった。

米国の北朝鮮ニュース専門サイト「38NORTH」は、8月18日撮影の衛星写真では橋が寸断されてしまっているが、10月15日の衛星写真では、復旧作業が行われ、通行が再開しているようだと報じた。

この橋なのか、別の橋なのか不明だが、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)第9軍団の工兵部隊が復旧工事に当たっていた。ちなみにこの軍団、かつてクーデター未遂を起こした第6軍団の後身だ。

参考記事:「軍幹部はボディブローで崩れ落ちた」北朝鮮“クーデター未遂”の真相

この現場で、作業中だった兵士が次から次へと倒れる事件が発生したと、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

事件は、橋の復旧工事が仕上げ段階に達したころに起きた。複数の兵士が発熱、呼吸困難などの症状を見せた。当初は、気温が低くなる中で兵士たちの寝床や食事がよくなかったことで、風邪を引いたのかと思われていたが、わずか1〜2日で同様の症状を示す兵士が急増、最終的には30人に達した。

異常を感じた上官は、中央に事案を報告した。「即時隔離せよ」との指示に基づき、30人のみならず、中隊の兵士全員がが病院に送られ、隔離された。

(参考記事:3割が生きて出られない…北朝鮮コロナ隔離施設の劣悪な実態

金正恩党委員長の指示を受け、平壌の中核党員1万2000人が災害復旧現場に派遣されたが、この現場でもその一部が働いていた。この人員も、同時に隔離された。

参考記事:金正恩が派遣した精鋭部隊、現場で「使いものにならない」と悪評

当局は、清津で新型コロナウイルスと疑われる症状を見せ死亡した例が複数報告されていることから、兵士らについても感染の疑いを持っており、兵士のみならず、現場に動員された一般市民や、頻繁に視察に訪れていた幹部に対しても体温測定などの検査を行った。

当局は、橋の復旧工事が仕上げ段階だったため、別の人員で工事を進めた。また、隔離された兵士たちも、20日間の隔離期間が終われば、すぐに工事を再開するとのことだ。

なお、同じ咸鏡北道の、中国との国境に面した会寧(フェリョン)、鐘城(チョンソン)、穏城(オンソン)では、封鎖令が敷かれ、西隣の両江道(リャンガンド)でも最近までロックダウン状態だったが、情報筋は、清津での封鎖令の実施有無については言及していない。

(参考記事:3家族が全滅、孤児院も…北朝鮮「封鎖都市」で餓死続出の断末魔



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英海軍、空母を日本近海に派遣へ

英海軍が、最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を中核とする空母打撃群を沖縄県などの南西諸島周辺を含む西太平洋に向けて来年初めにも派遣し、長期滞在させることが5日分かった。在日米軍の支援を受けるとみられる。三菱重工業の小牧南工場(愛知県)で艦載のF35Bステルス戦闘機を整備する構想も浮上している。複数の日本政府関係者が明らかにした。

 西太平洋で日本と同盟関係にある米軍や周辺国以外の空母が継続的に活動するのは極めて異例。中国の南シナ海での領有権主張に加え、香港の民主派弾圧に対する英政府の強い懸念が背景にある。露骨な圧力強化だとして中国の反発は必至だ

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