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日本の排他的経済水域(EEZ)にある日本海の「大和堆(やまとたい)」周辺での北朝鮮漁船による違法操業問題をめぐり、海上保安庁は31日、7月上旬に巡視船を派遣後、延べ約820隻に警告、EEZ外に排除したと発表した。現場海域では8月中旬以降、北朝鮮漁船はほとんど確認されなくなったという。
大和堆は男鹿半島から西に約400キロで、水深が1000メートルより浅くなっている日本海有数の好漁場。春と秋にはスルメイカが取れ、昨秋から多くの北朝鮮船が集まるようになった。
海保は昨年も航空機を派遣して現場海域を監視。今年の哨戒では早い時期から状況の悪化が確認されたため、日本漁船の安全確保と違法操業への対応が必要と判断した。7月上旬から大型巡視船を含む複数の巡視船を派遣して、水産庁とともに取り締まりに当たっていた。
現場海域では当初、1日50隻から百数十隻の北朝鮮船を確認。巡視船の船外スピーカーや船体の電光掲示板でEEZ外に退去するよう勧告し、汽笛や指向性が高い長距離音響発生装置(LRAD)による大音響の警告を実施した。
また、複数の巡視船で取り囲んで威圧したほか、退去警告に従わない場合は巡視船に設置した放水銃の放水で移動させるなどした。今回の派遣でEEZ漁業法違反での北朝鮮船の摘発はなく、放水による沈没などもなかった。
海保は、現場海域を管轄する第9管区海上保安本部(新潟市)だけでなく、第2管区(宮城県塩釜市)、第7管区(福岡県北九州市)、第8管区(京都府舞鶴市)など全国から巡視船を出動させた。9月以降も水産庁と連携して適切に対応するとしている。
(8月14日午前1時にアップされた記事を再掲載しています)
まるでテレビゲーム
「LaWS」(レーザー兵器システム)と呼ばれる新兵器は、ペルシャ湾に展開する輸送揚陸艦ポンスに配備されている。見た目は望遠鏡のようで“武器らしい”威圧感はない。
米海軍が行った試射の様子を独占取材した米CNNテレビ(電子版、7月18日)の映像では、海上に飛ばしたドローンにレーザーが照射されると、翼から突如炎が上がって打ち落とされた。レーザーは目に見えず、音らしい音もない。担当者がモニターを見ながらコントローラーを操作する様子は、まるでテレビゲームのようだ
大量の陽子が光速で照射され、その速さは大陸間弾道ミサイル(ICBM)の5万倍になるという。射程5500キロ以上のICBMは再突入時の速度がマッハ24とされている。
低コストで低リスク
LaWSを担当するカール・ヒューズ大尉はCNNに、「風、射程などを気にする必要はない。オートフォーカスなので、目標を定めるだけでターゲットを無力化できる。ビームも見えないし、音もしない」などと説明。悪条件下でも極めて正確な攻撃が可能で、米海軍は、二次的な被害を抑えることができるとしている。
経済性も驚きだ。システム全体は4000万ドル(約44億4000万円)だが、1発当たりの費用はわずか1ドル。必要なのは小さな発電機で供給される電気と、わずか3人の乗員だけだという。ちなみに、4月に米軍が実験したICBM「ミニットマン」は1発当たり約700万ドルとされている。
2020年代初めまでに配備拡大
現時点では、過激派組織など対テロリスト戦で、車や船で近づく敵をピンポイント攻撃することを想定しているとみられるが、その用途は拡大しそうだ。
CNNの報道を元に同兵器について報じた米国政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」(7月19日、電子版)によると、米海軍は2020年代初めまでに他の艦艇にも追加配備する計画で、さらにミサイルなどを標的とする技術を開発しているとしている。
米防衛大手ロッキード・マーチン社は、複数のレーザーを組み合わせて強力なビームを照射できる出力60キロワットのシステムを開発中で、複数のドローンやミサイルを同時に迎撃することも可能になるという。
同社のホームページは、「レーザー兵器は繰り返し何度も撃てる。基本的には無限に尽きない弾倉のようなものだ」としており、砲弾やミサイルを使わない攻撃の有効性をアピールする。
米国以外でも開発が進んでいる。英国は1月、英軍が欧州の防衛企業とレーザー兵器の試作品を造る3900万ドルの契約を結んだと発表した。
各国で着々と開発、配備が進むレーザー兵器。米海軍専門紙「ネイビー・タイムス」(電子版、7月19日)が表現したように、「もはや単なるスター・ウォーズのファンタジーではない」のだ。
【北京=西見由章】中国人民解放軍の建軍90周年を記念する祝賀大会が1日、北京の人民大会堂で開かれた。習近平国家主席(共産党中央軍事委員会主席)は「(他国への)侵略拡張は決して行わないが、いかなる人物や組織、政党が中国領土を分裂させることも絶対に許さない」と演説し、領土主権を守る決意と戦争への備えを強調した。「一つの中国」原則を認めない台湾の蔡英文政権や国境付近で軍事的緊張が高まっているインドを念頭に置いた発言とみられる。
北京の人民大会堂で行われた中国人民解放軍の創設90年を記念した式典。下手前は演説する習近平国家主席=1日(ロイター
習氏は「重要講話」と位置付けた演説で、「国の主権や安全を損なう不利益をわれわれが受け入れるなどと誰も期待してはならない」と言及。常に戦争に向けて準備を整え、より実戦を重視する姿勢を示した。中印両国はブータンを含む3カ国の国境付近で互いの越境を非難し、6月中旬から両軍のにらみ合いが続いている。習氏の発言はインドを牽制する狙いもありそうだ。
また習氏は、戦って勝てる「強軍」の建設とともに“党の軍隊”としての側面を強調した。「われわれの原則は党が銃(軍)を指揮することだ。銃が党を指揮することは決して許さない」。毛沢東の言葉を引用しながら党中央の指揮に従うよう軍に要求した上で「軍隊は党の指導と社会主義制度を断固として守らなければならない」と共産党統治の維持に貢献することも求めた。
ロイター)【拡大】
『中国経済まっさかさま』(アイバス出版)の著者で週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、「中国経済がインチキだということが世界的にばれてしまった。金融緩和で一時的なカンフル剤となっても、中国経済の本質は変わらない」とみる。
ロイター通信は、「共産党にとって株価急落の最も厄介な点は、市場を操作しようとしたという事実ではなく、取り組みが効果を上げなかったことが白日の下にさらされたことだ。共産党の経済運営能力の面での威信は国内でも国外でもいたく傷ついた」と報じた。
習政権が対策を打ち出しても中国株が下げ止まらない状況について、豪大手メディアは、巨大な岩を山頂まで運んだ瞬間に岩は転がり落ちてまたやり直しという罰を受けたギリシャ神話の「シジフォスの岩」の逸話にたとえた。そのうえで「神話では罰を受けたのはシジフォス王1人だけだが、習主席は中国の納税者に数百兆円の損害を与えている」と批判した。
習主席について、米国からも憤る声が出始めた。米大統領選の共和党候補の1人でウィスコンシン州知事のスコット・ウォーカー氏は、「米国人が苦しんでいる市場の下落は中国の経済減速による部分があり、その中国経済は操作されている。オバマ大統領は、習主席を招くより、米国の利益を失わせようとする中国に説明責任を取らせるべきだ」と声明を出し、習主席が国賓としての訪米をキャンセルするようオバマ大統領に促した。選挙戦が背景にあるとはいえ、米国内で中国への不信感が高まっていることをうかがわせる。
前出の勝又氏はこう警鐘を鳴らした。
「一党独裁だった旧ソ連では経済危機が直線的に政治危機につながったが、高い成長で国民の信頼をつなぎ止めていた中国でも、経済危機で中国人民の共産党離れや政変など不測の事態が生じる可能性もある」