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時代を見通す日本の基礎情報

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「空母打撃群」誇示も 中国経済の減速で開発に遅れ

2017年7月、香港に寄港する中国初の空母「遼寧」(中央)=AP
2017年7月、香港に寄港する中国初の空母「遼寧」(中央)=AP
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中国海軍は創設70周年を迎えた4月23日、山東省青島市沖で国際観艦式を行い、中国初の空母「遼寧」に加えて空母打撃群を形成する最新鋭の大型駆逐艦や攻撃型原潜を公開し、中国海軍の急速な発展ぶりを誇示した。ただ中国経済の減速に伴う予算の制限を背景に、最新装備の開発が想定よりも遅れているとの指摘も出ている。(北京 西見由章)

 濃霧が海上を覆う中で行われた観艦式。中国の艦艇32隻を先導したのは094型「晋」級戦略原潜2隻で、093型「商」級攻撃型原潜2隻が続いた。いずれも最新鋭の改良型で、小原凡司・笹川平和財団上席研究員によると「(船体上部に突出した)セールの前面がなだらかな曲線に変更され、雑音低減を図ったとみられる」という。

 093型攻撃型原潜の改良型(093A型などと呼ばれる)は2018年1月に尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の接続水域内を潜没航行し、海自護衛艦に追尾されて海面に浮上、中国国旗を掲げた潜水艦と同型の可能性もある。長距離、長期間の作戦行動が可能で空母の護衛任務も担うとみられている。

 観艦式の最大の目玉は、排水量1万トン以上でアジア最大級の最新鋭ミサイル駆逐艦「055型」が南昌艦として公開されたことだ。その後の中国国防省の発表によると、近く就役する予定という。055型は空母を守る主力艦とされ、これまでに4隻が進水し、8隻目の建造も伝えられている。

 中国政府系メディアによると、055型の火力は現在就役している駆逐艦の中で最も大きい「052D型」の2倍に達し、ステルス性能や情報処理能力も強化されている。

中国海軍の「主役」である空母・遼寧は、052D型などのミサイル駆逐艦4隻と054A型フリゲート艦2隻、総合補給艦を従える形で観艦式に登場。その前後には空中警戒管制機KJ500とKJ200、空母艦載機殲(J)15が飛行した。小原氏は「ほんの一部ではあるが空母打撃群のデモンストレーションをしてみせた」と解説する。

 一方、中国国内では17年4月に進水した初の国産空母が公開されるのではとの期待も一部にあったが、今回は見送られた。現在は試験航行を重ねており、戦力としての公開には間に合わなかったもようだ。上海江南造船所では2隻目の国産空母が建造中で、最新鋭の電磁式カタパルト(射出機)を備えているとみられる。

 北京の軍事筋は「中国は空母打撃群を核心とする米国海軍をモデルとして海軍建設を進めている」と説明する一方、「現在の急速な艦艇建造ペースは臨界点を迎えており、今後減速していくだろう」と指摘した。

 その理由としては、巨大な陸軍の維持や空軍の装備の更新、国内の治安維持のために毎年多額の支出が必要になっているとし「海軍建設の財政力は今後も米国の水準には追いつけないだろう」と悲観的だ。さらに、中国が開発を進める原子力空母や、国産空母に導入する電磁式カタパルト、新型の空母艦載機などの最新装備の開発が、予算の制限に伴い予定よりも遅れていると指摘す

また小原氏によると、055型駆逐艦は、電磁誘導で弾丸を超高速で発射させる「レールガン」など大容量の電力を必要とする新兵器の導入を想定。ただ、米海軍だけが成功している、電力を統合的に制御するシステムの導入に失敗したとされ、改良型艦の建造に移行した可能性があるという。

 中国の19年の国防予算は前年実績比7・5%増の1兆1898億7600万元(約19兆円)で、依然として国内総生産(GDP)の実質成長率を上回る高水準を維持した。ただし、伸び率は前年比0・6ポイント減と2年ぶりに鈍化している。

 急速に戦力を向上させている中国海軍だが、「米軍と肩を並べる遠洋海軍の建設に自信を持っているわけでは決してない」( 急速に戦力を向上させている中国海軍だが、「米軍と肩を並べる遠洋海軍の建設に自信を持っているわけでは決してない」(先の軍事筋)という側面もありそうだ



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米シンクタンクが衛星写真公表北朝鮮「秘密基地」にICBM格納か?

米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)は13日までに、北朝鮮の首都平壌の北東63キロにある未公表ミサイル基地の衛星写真を公表した。稼働可能な状態で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を格納している可能性があるとの見方を示した。

 CSISによると「ユサンニ・ミサイル作戦基地」は韓国との間にある非武装地帯(DMZ)から北150キロに位置。過去の衛星写真から2003年に本格的な建設が始まり、16年までに主要施設の大半が完成したとみられる。

 格納されている可能性があるのはICBM「火星13」「火星14」「火星15」とされるが、CSISは慎重に検証する必要があるとした。今年4月時点で活発な活動がみられ、北朝鮮の水準からすると良好な状態が維持されていると指摘。一部の建物の建設工事も続いているという。(共同

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宮崎震度5弱、南海トラフ想定域内の発生に影響懸念専門家が警鐘!次なる「大地震警戒地域」

10日朝に宮崎県の日向灘で発生した震度5弱の地震は、南海トラフ巨大地震の想定震源域内で起きたことで、影響が懸念されている。11日朝にも、宮崎県や愛媛県、高知県で震度4の地震があった。ただ、専門家は南海トラフだけでなく、内陸の直下型も注意すべきだといい、長年大地震が起きていない意外な地域の名前を挙げる。

 日向灘でのマグニチュード(M)6・3の地震について、自然災害に詳しい立命館大学環太平洋文明研究センター教授の高橋学氏は「北は東京湾、千葉、茨城から、南はフィリピンまで影響するプレートの動きによって、地震や火山の爆発が最近起きている。今回の地震もその一部かもしれない」とみる。

 

1月以降、静岡県の遠州灘や神奈川県の相模湾、和歌山県の紀伊水道、そして日向灘など南海トラフ周辺で小規模な地震が相次いでいるほか、和歌山県南部や徳島県北部、内陸でも震源の深い地震など、「人体に感じなくとも、大地震の前段階の地震は今年に入って頻繁に起きている」と高橋氏は指摘する

 

「近畿地方で内陸直下型地震は絶対に起こる」と強調するのは関西大学社会安全学部特別任命教授の河田惠昭(よしあき)氏だ。

 前回、南海トラフで起きた大地震は1944年の昭和東南海地震と46年の南海地震だが、これらは内陸直下型地震と法則性があるという。

 「昭和南海地震の前に近畿地方で10回、直下型地震が襲っている。今回は1995年の阪神淡路大震災以降、近畿地方でM6超の直下型地震が7回起きており、あと2~3回、直下型地震が来てから南海地震というのがオーソドックスな考え方だ」と河田氏。

 「南海トラフは潮岬(和歌山県)沖合で4~5センチ潜り込んでおり、内陸の活断層にひずみがたまっている。たとえば京都周辺の断層は約1200年間、本格的に動いていない。奈良周辺の断層も同様だ。大阪や神戸などに比べて大地震が起きていない分、発生した際の被害は大きくなる恐れがある」と危惧する。

 前出の高橋氏も「直近で、京都市から滋賀県の琵琶湖南部の地域、能登半島から富山県までの地域での地震活動が顕著だ」と述べる。

 関東地方も要注意だと高橋氏は警鐘を鳴らす。

 「2月に神奈川県東部で深さ23キロ、M2・4という地震が起きており、これが大規模になると関東大震災に近いものになると予想される。東日本大震災もまだ終わっていない。震源域の南端にあたる茨城や千葉でも引き続き警戒が必要だ」


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 安倍首相&トランプ大統領“怒りの共同声明”か「日米vs北韓」構図鮮明に

日米vs南北朝鮮」という構図が鮮明になった。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮が、国連安全保障理事会決議に違反する短距離弾道ミサイルを発射したのに、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は融和姿勢を維持しているのだ。こうしたなか、ドナルド・トランプ米大統領は今月末、国賓として訪日する。
安倍晋三首相との首脳会談では当然、朝鮮半島情勢も主要議題になる。「北朝鮮の非核化」と「拉致問題解決」を見据えながら、暴挙を繰り返す北朝鮮と協力する韓国に対し、怒りをにじませた共同声明が発表されそうだ。 《極めて遺憾だ》《日米の間で分析、対応を含めて、あらゆるレベルで緊密に連携していく》《国連安保理決議を完全に履行する》  菅義偉官房長官は10日午前(日本時間11日未明)、米ワシントンのホワイトハウスでマイク・ペンス副大統領と会談し、北朝鮮のミサイル発射について、こうした点で一致した。  菅氏はこの後、ニューヨークの国連本部で開かれた拉致問題に関するシンポジウムで講演し、「北朝鮮が正しい道を歩むのであれば、明るい未来を描くことができる。日本は助力を惜しまない」と訴えた。 5月に入り、北朝鮮の挑発が続いている。  
4日には同国東部・虎島(ホド)半島付近からミサイル数発を発射した。約70~200キロ飛行して日本海に落下した。9日にも、北西部・亀城(クソン)からミサイル2発を発射し、約270と約420キロ飛行させて日本海に撃ち込んだ。日米両国は9日分について弾道ミサイル」と断定した。  いずれの発射にも、正恩氏が「火力打撃訓練の視察」として同席していた。正恩氏は9日、「いかなる不意の事態にも主導的に対処できるよう、万端の戦闘動員態勢を整えていかなければならない」と語ったという。北朝鮮の最高指導者が、国連安保理決議違反に関与したといえそうだ。  この短距離弾道ミサイルで、甚大な損害を受ける恐れのあるのが韓国だが、文政権の姿勢は「従北」のまま変わっていない。最近では、北朝鮮への食糧支援実施に前のめりとなり、プランの検討にまで入っていた。  北朝鮮の「代理人」という評価が定着しつつある韓国に対し、日米は距離を置き始めている。  トランプ氏は、北朝鮮が4日にミサイルを発射した後、まず日米電話首脳会談を行い、翌日、米韓電話首脳会談を行った。日米と韓国との距離の開きを如実に示している。  安倍首相の日米電話首脳会談後の発言も、意味深長だった。  「北朝鮮への対応は、すべての面でトランプ氏と完全に一致している」と述べたうえで、「朝鮮半島の非核化については首脳会談を通じ、ロシアのプーチン大統領と、中国の習近平国家主席とも認識を共有している
 
そこに、韓国の文大統領の名前はなかった。

うした状況に、韓国の保守系メディアは危機感を強めている。

 韓国紙、朝鮮日報(日本語版)は8日、社説で「米国が当事国の韓国ではなく日本と最初に電話会談を行ったのは正常な状況ではない」「安倍首相は堂々と『韓国外し』を行っている」と指摘し、こう続けた。

 「文大統領は『韓半島問題の運転席』に座っているはずだが、実際は米国、日本、北朝鮮のいずれも他の車に乗っているような状況が今も続いている」

 北朝鮮が再び、「瀬戸際戦術」に回帰し、韓国が孤立を深めるなか、トランプ氏は今月25~28日、令和初の国賓として、日本を訪れる。

 トランプ氏は滞在中、天皇、皇后両陛下との会見や宮中晩さん会、安倍首相との日米首脳会談のほか、海上自衛隊最大のヘリコプター搭載型護衛艦「かが」の乗艦視察も検討している。同艦は将来、短距離離陸・垂直着陸が可能な最新鋭ステルス戦闘機「F35B」を搭載する計画である。日米同盟の強固な絆を世界に見せつけることになる。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「日米首脳会談後に発表する共同声明では、北朝鮮に対して『危険な挑発はやめよ』『非核化を決断せよ』『拉致問題を解決せよ』と警告する内容になるだろう。国際社会の制裁が効いてきており、米国は焦っていない。『暴発したら滅びるのは北朝鮮だ』というスタンスで、その場合には制裁を強めるという態度で臨むだろう。韓国については、日米首脳は『文政権は北朝鮮の子分だから仕方ない。外していこう』ということを会談で内々に確認することになるのではないか」と分析している。



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世界遺産 古代国家形成の象徴 巨大権力を国内外に誇示

国連教育科学文化機関(ユネスコ)諮問機関のイコモスが、世界文化遺産に「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」(大阪府)を登録するよう勧告した。日本列島に国家はいつ誕生したのか。百舌鳥・古市古墳群は、その謎解きの大きな鍵を握る存在といえる。



 古代国家の成立は、国の法律である律令(りつりょう)が制定され、天皇中心の中央集権体制が築かれた7~8世紀の飛鳥時代というのが一般的。同古墳群ができた4~5世紀の古墳時代は、その前段階だ。大阪府立近(ちか)つ飛鳥博物館の白石太一郎名誉館長によると、当時は大和(奈良県)や和泉・河内(大阪府)、吉備(岡山県)など各地の首長による連合政権だったという。

 一方、中国大陸では4世紀、北方遊牧騎馬民族が南へ勢力を伸ばして朝鮮半島北部の高句麗(こうくり)に迫った。高句麗は半島南部の新羅(しらぎ)や百済(くだら)に侵攻。高句麗の南下を脅威に感じた大和政権は百済と同盟を結び、防衛力強化のため、百済から最先端の軍事力だった騎馬の技術を積極的に導入した。

 これにより、瀬戸内海を通じて大陸との外交を担っていた大阪湾に近い和泉・河内の勢力は、次第に政権の中枢を握るようになったとみられる。3~4世紀に大和を中心に築かれていた巨大古墳が、4世紀末から突然、大阪平野の和泉・河内の地に移ったのも、こうした力関係を示していると考えられる。

 「そのことを如実に物語るのが百舌鳥・古市古墳群の出現」と白石さん。国内最大の仁徳天皇陵古墳(堺市、墳丘長486メートル)をはじめ全国の巨大古墳ベスト10に5基が入っている同古墳群は、海上からみることができる大阪湾近くに築くことで国内外に巨大権力を誇示していたとみられる。白石さんは「東アジアの大きな変化の荒波に巻き込まれることになったことを示す」と説く。

 武器、甲冑(かっちゅう)などの金属加工技術だけでなく、文字の使用も本格的に始まった。日本書紀などには、王仁(わに)博士が論語や千字文(せんじもん)を伝えたと記す。白石さんは「倭国(日本)が東アジアの文明社会に加わったのがこの時代。古代の文明開化ともいえ、国家がどのように形成されたかを示す貴重な歴史遺産だ」と話している。

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