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時代を見通す日本の基礎情報

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「第二の朴槿恵」に?文大統領の娘が『極左政党』に入党

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の娘が、大統領選挙が終わってから、「極左・従北」政党の「正義党」に入党していた。韓国人には「えっ、まさか」の反応が多いようだが、遠くからウオッチを続ける私には「あぁ、やはり」と思えた。結論から言えば、文政権の権力中枢は与党「共に民主党」の左派に位置付けられているが、彼らがひそかに目指すのは、正義党が公然と述べていることと同じなのだ。

 この原稿を書く際に、正義党の結成は何年だったかを知りたいと思い、ウィキペディアを見た。


 驚いた。最初に「正義党は、韓国の中道左派政党である」と書いてあったからだ。これを書いた人の感覚からすると、きっと「日本共産党は、日本の中道政党である」となるのだろう。


 正義党は、そもそも極左政党「統合進歩党」の分派だ。「統合進歩党」とは、北朝鮮が南進してくる際には、発電所の破壊など後方撹乱(かくらん)の任務を遂行すべきだといった「学習目標」を掲げて、朴槿恵(パク・クネ)政権下ではあったとはいえ、憲法裁判所の判断で「解党処分」になった政党だ。


 その本流とは、ちょっと路線が違ったのが、今の正義党だ。左翼は昔から「ちょっとの違い」で分裂する。


 正義党が「極左・従北」であることは明らかだ。何が「中道左派政党」なのか。ウィキペディアには、本当に幻滅する


韓国の家庭は「家父長支配型」-などと言うと、日本のパヨク(左翼)から「ヘイト」と言われるのだろうか。


 が、韓国の新聞は、父・河野洋平元官房長官と、長男・河野太郎外相との意見の懸隔を、「正しい親に従わない悪い息子」とする視点から懸命に書いていたではないか。すなわち、韓国の常識は「家父長支配型」であり、娘は親の意見に従うのが普通なのだ。


 だが、文家では、父が大統領になった後に、娘が親とは違う政党に入党した。これは文家が「民主的な家庭」だからだろうか。そう信じたい日本人がいて不思議はない。「正義党は中道左派だ」と信じるのと同じレベルだ。


 しかし、私は別のことを考える。


 文氏の家族にとっては、正義党が言っていることと、「共に民主党」の左派の本音は同じなのではないか。それは文氏の家族に限らず、韓国の真性左翼の家庭に共通する認識だろう。


 かつて日本社会党に、成田知巳(ともみ)という委員長がいたのを思い出す。私は時事通信の記者として3年近く担当した。酒を飲んで話せば、彼の言うことは、まさに真正共産主義者だった。が所属は、あくまで社会党だった。


 今日の韓国…これを、成田氏が間違って政権を取ってしまった状況と似ていると言ったら、間違いだろうか。「成田首相」は「私は共産主義者です」とは決して言わないが、日本社会党の路線を真正共産党化させようと頑張ったはずだ。


 私の妄想は続く。戦争がなければの話だが、文氏はやがて、「民主韓国の中興の祖」、あるいは「高麗連邦建立の立役者」として院政を敷く。そして、その娘は「第二の朴槿恵」となる。



 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。著書・共著に『悪韓論』(新潮新書)、『崩韓論』(飛鳥新社)、『韓国リスク』(産経新聞出版)など多数

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