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時代を見通す日本の基礎情報

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詭弁の極み」…前川氏「出会い系は貧困調査」にネット大炎上

文部科学省の前川喜平前事務次官(62)の反撃に、永田町・霞が関が激震している。安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画をめぐり、前川氏は25日夕の記者会見で、「総理の意向」などの文言が含まれる「文書」について「確実に存在していた」と強調し、「行政がゆがめられた」などと政府批判を展開したのだ。一方、東京・歌舞伎町の「出会い系バー」(連れ出しバー)への出入りについては、「貧困女性の実態調査」などと説明し、ネット上は大炎上している。官邸への「恨み」「逆恨み」を感じる今回の行動。与野党の攻防が激しさを増しそうだが、識者はどう見たのか。

記者会見を終え、汗をぬぐいながら席を立つ前川喜平・前文科次官。告発の行方は-=25日、東京都千代田区
記者会見を終え、汗をぬぐいながら席を立つ前川喜平・前文科次官。告発の行方は-=25日、東京都千代田区【拡大】
 「やっぱり(文書は)あったんだね、という印象。あの場に元事務次官が出てくるというのは、よっぽど根性をかけている。『今さら巻き込まれたくない』というのが普通だろうが、かなりの覚悟だ。文書は本物と思わざるを得ない」

 こう語るのは、経済ジャーリストの荻原博子氏だ。

 朝日新聞が真っ先に報じた「文書」について、菅義偉官房長官は「怪文書みたいな文書」と突き放してきたが、前川氏は25日夕の会見で「文科省の専門教育課で作成され、昨年9月から10月にかけて受け取った文書に間違いない」と主張した。

 元通産官僚である評論家の八幡和郎氏は「問題の文章が存在したこと自体は事実である可能性が高い。ただ、文書の内容が真実かどうかは怪しい」といい、続けた。

 「役人の世界では、相手の要求を強調した方が省内で話が通しやすい。内閣府の審議官が言ったとされる『官邸の最高レベル』という言葉は、文科省の役人が忖度(そんたく)して大げさに書いたのではないか。問題にするのなら、審議官がそうした発言をしたかを確認するべきだ」

 マスコミ各社に「文書」を持ち込んだ犯人について、文書が本物ならば「国家公務員法の守秘義務違反」、偽物ならば「公文書偽造罪」に抵触する可能性が指摘されている。前川氏の発言についても、守秘義務違反を問題視する声がある。
 荻原氏は「守秘義務違反かもしれないが、憲法には『国民の知る権利』が保障されている。これだけ世間の騒動となって問題化しているのだから、やむを得ない」といい、八幡氏は「文科省が『マル秘文書』として受け取ったものではないので違反ではないと思う。ただ、内部でのやりとりをペラペラ漏らすのはモラルに反する」と指弾した。


 前川氏は会見で、「今の文科省は、官邸、内閣官房、内閣府といった政権中枢に逆らえない」「極めて貧弱な理由で規制緩和が行われた」「行政の公平性がゆがめられた」などと語り、加計学園の獣医学部新設に異議を唱えた。

 これについて、元NHKキャスターである無所属の和田政宗参院議員は「旧態依然の官僚の言葉と感じる。規制改革は安倍政権の重要政策であり、官邸や内閣府が方向性を示すのは職務として当たり前だ。官邸に言うべきことを言い、激しいやりとりをしている省庁もあり、前川氏の言っていることは意味不明で恣意(しい)的だ」と語った。

 八幡氏は「政治主導は、小泉純一郎政権に始まり、民主党政権でさらに進んだ。安倍政権で急に悪くなったというものではない。政治的なルールがありすぎるのは役人にとってはイヤなものだし、私も無原則な政治主導には疑問を持っている。ただ、それを極致にしたのは、民主党政権だ」と指摘した。

 注目の会見で、最も違和感を覚えたのは、歌舞伎町の「出会い系バー」に頻繁に出入りしていることを釈明した部分だ。前川氏は「女性の貧困について実地の視察調査をしていた」「その場で話をし、食事したり、食事に伴ってお小遣いをあげたりしながら話を聞いたことはある」などと説明した。

 この件は、捜査当局が、歌舞伎町での「管理売春」(売春防止法違反容疑)を内偵していたところ、前川氏をはじめ、複数の文科省幹部(OBを含む)が出会い系バーに出入りしていることを確認したのが発端である。

 和田氏は「まったく説明になっておらず、何をしていたか真実を話すべきだ。調査は自ら行わなくても部下でもできる。連れ出しバーは『売春や援助交際の温床』との指摘もある。話を聞くだけでなく、連れ出した女性にお小遣いを渡す理由が分からない。文科省のトップが現職中に『広義の援助交際』を行ったとみられてもおかしくない。大問題だ」と批判した。
八幡氏も「『貧困女性の実態調査』という言い訳が、本気で通用すると思っているのだろう。普通だったら恥ずかしくて言えたものではない。感覚がズレているとしか思えない」と一刀両断した。


 ネット上も炎上しており、「この言い訳は見苦しい」「詭弁の極み」「奥さんにも通用しない」「厚顔無恥にも程がある」などと、痛烈な批判が並んでいる

 ただ、荻原氏は「文書問題と出会い系バーの話を同列にして、前川氏の人格を貶めてから『文書=怪文書』とする操作がなされているのではと疑ってしまう」と語った。

 前川氏の爆弾証言を受け、野党は前川氏の証人喚問を要求する方針を固め、徹底追及の構えをみせる。与党は国会招致を拒否することにしており、攻防は激しさを増しそうだ。

 今後どうすべきか。

 荻原氏は「内閣府は仲間だから、法治国家として第三者的なかたちで事実関係をつぶさに調査しなければならないと思う」と提案した。

 一方、和田氏は「(前川氏の言動は)まったく信用できないので、まともに相手にする必要はない」と切り捨てた。

 八幡氏は「内閣府の審議官が発言をしたテープでも出てこない限り、水掛け論にならざるを得ないだろう。密室の話で証明のしようがない。前川氏はクビにされた恨みを晴らすためにやっているとしか思えない。実家もお金持ちのようだし、後々、生活に困ることがないからこうした行動に出ることができたのではないか」と語った。

 官邸周辺も、前川氏の行動について「逆恨みとしか考えられない。文科省の天下り問題に加え、出会い系バーへの出入りも発覚し、『退職金(約8000万円)ゼロでもいいのではないか』という声もあったほどだ。本人は次官をもう少し続けたかったようだが、当然、引責辞任となった。思想的に『反自民的』なものもあり、爆発したのだろう」という。

 前川氏は「逆恨みする理由がない」と、朝日新聞の取材に語っている。
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米空母3隻目、西太平洋派遣へ 北朝鮮抑止へ異例の展開に二ミッツCVN-69

米海軍が原子力空母ニミッツ艦隊の西太平洋派遣を決めたことが26日、わかった。米軍関係者が明らかにした。アジア・西太平洋地域に派遣されている原子力空母カールビンソンとロナルド・レーガンに加え3隻目。同地域に同時に3隻を展開するのは異例だ。

 北朝鮮が開発する大陸間弾道ミサイル(ICBM)について、米国は「究極的には米本土を脅かす核ミサイル技術の取得に成功するだろう」(スチュワート国防情報局長官)とみている。米軍は、北朝鮮によるICBMの発射の脅威が高まっているとみて警戒を強めており、総力を挙げて抑止する構えだ。
 米軍関係者によると、第3艦隊に所属するニミッツは、6月1日に母港のキトサップ海軍基地(米ワシントン州)を出港。中東地域に派遣される計画だった。だが、「世界情勢の変化に対応する」(同関係者)ため、約6カ月間の予定で西太平洋に展開することになった。北朝鮮の問題をめぐって、米側は中国が協力しなければ米国が「単独行動する」と通告しており、中国に協力を迫る狙いもありそうだ。

 現在、朝鮮半島情勢をにらんで、第3艦隊所属のカールビンソンの艦隊が4月末から日本海付近に展開している。第7艦隊(神奈川県横須賀市)所属のロナルド・レーガンも今月16日に出港し、カールビンソンと合流して合同演習をする計画だ。ニミッツ艦隊がこれに合流するかは不明だが、米海軍が保有する空母11隻のうち、3隻が集結することになる。(ワシントン=峯村健司)

空母打撃群が海自艦と並走 米太平洋軍が写真公表

米軍の空母打撃群のミサイル巡洋艦(奥)と並走する海上自衛隊の護衛艦「あしがら」。撮影日と場所は不明(米太平洋軍のツイッターより・共同)米軍の空母打撃群のミサイル巡洋艦(奥)と並走する海上自衛隊の護衛艦「あしがら」。撮影日と場所は不明(米太平洋軍のツイッターより・共同
米太平洋軍は2日までに、原子力空母カール・ビンソンを中心とする空母打撃群が、海上自衛隊や韓国海軍の艦艇と並走している写真をツイッターで公表した。
 米太平洋軍は「韓国や日本を防衛するという米国の断固とした決意を示している」と強調した。写真を撮影した日時や場所は、明らかにしていない。
 カール・ビンソンは4月23日からフィリピン海で、海自との共同訓練を始めた。同29日に長崎県沖の日本海に入るまで、通信訓練などを繰り返した。韓国海軍とは日本海で共同訓練を実施した。

朝鮮半島の高度な緊張状態が続くなか、強固な「日米同盟の絆」が示された。海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」が1日午前、海自横須賀基地(神奈川県)を出港、米海軍補給艦の防御を行った。昨年3月に施行された安全保障関連法に基づく米軍の「武器等防護」は初めて。加えて、日米英仏4カ国による初の合同訓練も3日から実施される。核・ミサイル開発を強行する北朝鮮に圧力を加える一方、東・南シナ海で強引な海洋進出を続ける中国を牽制(けんせい)する狙いだ。

 「いかなる事態にも、国民の生命と平和な暮らしを守り抜くことは、政府の最も重要な責務だ。そして、大切なことは『有事を事前に防ぐこと』だ」「平和安全法制(安全保障関連法)では、あらゆる事態に隙間のない対応ができる態勢を完備した」

 安倍晋三首相は先月末、夕刊フジ「GW特別号」(2日発行)の単独インタビューでこう語った。その強い信念と覚悟が表れたといえるのが、海自史上、最大級の護衛艦である「いずも」の動きだ。

 政府関係者によると、「いずも」は、護衛艦「さざなみ」とともにシンガポールで今月開かれる国際観艦式に参加するため、1日に横須賀基地を出港。東京湾を出たところで、米海軍補給艦と合流して西へ向かう。補給艦は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮に対する警戒で、日本周辺に展開している米軍艦艇に燃料などを届ける。


アジア太平洋地域の平和と安定を守る、新たな動きも明らかになった。

 日米英仏4カ国による合同訓練に参加するため、フランス海軍の強襲揚陸艦「ミストラル」も先月29日、海自佐世保基地(長崎県)に寄港したのだ。訓練は3日から22日まで、米領グアムなどで実施される。

 「ともに手を携えて訓練することで、相互運用性を高められる」

 艦長のスタニスラス・ドゥ・シャルジェール大佐は、こう語った。

 「ミストラル」には、英海軍ヘリコプターを搭載しており、水陸両用作戦を担う陸上自衛隊の西部方面普通科連隊員や、米海兵隊員らも乗せて5日に佐世保を出港する。海自の輸送艦「くにさき」と、共同訓練を行いながら南下し、グアム周辺では4カ国で上陸訓練などを行う。

 ドナルド・トランプ米大統領は4月29日、米CBSテレビのインタビュー(同30日放映)で、北朝鮮が「6回目の核実験」を強行した場合、軍事行動に踏み切るのかと聞かれ、次のように答えた。

 「分からない。そのうち分かるよ」

 軍事的選択肢を排除しない考えを明確にした。



北朝鮮の暴発を阻止する海自最大の護衛艦「いずも」





他人のせいにする韓国 反転できる要素見当たらぬ

韓国経済はかつて、「日本を追い抜く」「世界を牽引する」と喧伝された。それが今、苦境に喘いでいる。なぜ韓国は、経済の面で先進国になりきれないのか? 大前研一氏が解説する。

                  * * *

 一般的に1人あたりGDPが2万ドルを超えると中進国、3万ドルを超えると先進国とされる。だが、3万ドル経済に向かおうとする中進国は、しばしば為替や労働コストが高くなって競争力を失い、3万ドルに近づくと落ちるという動きを繰り返す。これが「中進国のジレンマ」だ。

 韓国経済も、調子が良くなるとウォンや労働コストが高くなり、そのたびに競争力を失って落ちるという悪循環に陥っている。韓国が「中進国のジレンマ」から抜け出せない最大の理由は、イノベーションがないことだ。

 では今後、韓国は何らかのイノベーションによって「中進国のジレンマ」から抜け出せる日が来るのだろうか?

 残念ながら、当面は難しいだろうなぜなら、戦後日本は財閥解体で従来の秩序が崩壊して経済にダイナミズムが生まれたが、韓国は未だに財閥支配で縦方向の秩序が固まっているからだ

 その秩序を壊してイノベーションを起こすためには、松下幸之助氏や本田宗一郎氏のような学歴がなくてもアンビション(野望)のある起業家が必要となる。

 しかし、韓国は極端な学歴社会だから、アンビションを持っている人でも、いったん受験戦争に負けたら這い上がることが難しい。つまり、イノベーションが起こりにくい硬直した社会構造なのである。

また、受験戦争に勝って財閥企業に入った人たちも、ファミリー企業なので出世に「ガラスの天井」があるし、近年は45歳くらいでリストラされるケースも多く、すんなり定年までエリートの道を歩むことが難しくなってモチベーションが低下している。どこをどう切っても、反転できる要素が見当たらないのだ


 韓国の根本的な問題も指摘しておかねばならないそれは自分たちの問題を何でもかんでも日本のせいにする、ということ日本が高度成長した時に我々は朝鮮戦争で発展が遅れてしまった。その原因は日本の植民地支配だ。そういう“エクスキューズ(言い訳)文化”だから、自分たちも努力すれば日本に追いつき、追い越すことができるという発想が生まれにくい。ここが同じく日本の植民地だった台湾との大きな違いである。

 台湾の場合は“ノーエクスキューズ文化”である。私は韓国にも台湾にも200回以上行っているが、台湾で日本の植民地支配のせいで発展が遅れた、などと言う人には会ったことがない。それどころか、台湾の人たちの大半は、日本のおかげでここまで成長できた、と感謝している

 そういう姿勢で素直に日本に学んできたから、サムスンをはじめとする韓国企業が壁にぶち当たって突破できないでいる一方で、鴻海精密工業や半導体受託生産企業のTSMC(台湾積体電路製造)、「格安スマホの仕掛け人」と言われる半導体メーカーのメディアテックといった台湾企業はますます世界を目指して成長し、新しい企業も続々と誕生している。

 韓国は日本をエクスキューズに使っている限り、前に進めないと思う。自分の中に成長できない理由を見つけ、それを乗り越える努力をしなければ、「中進国のジレンマ」から抜け出して先進国になることはできない、と思い知るべきである。

脳に操られる「自分」が起こす犯罪は、誰の責任なのか?

就職活動でも結婚活動でも、昨今まず求められるのが自己分析である。しかし、私たちは「自分」を知っているのだろうか? そもそも「本当の自分」などというものが存在するのだろうか?


 自己分析してわかる「自分」、意識に上る「自分」は、脳の活動という巨大な氷山の一角に過ぎず、大部分は水面下に隠れていて意識に上らない。脳科学者たちは近年、そう主張するようになった。


 本書の言葉を借りれば、「自分が見聞きするもの、やること、考えること、信じることさえも、意識のあずかりしらない脳の活動によって決まる」というのだ。


 急速に進歩しつつある脳科学の知見をもとに、脳と「自分」との関係を、実際にあった事件や実験を織り交ぜながら、深く考察したのが、本書である。

「名前の最初の文字が同じ夫婦」は多い!?

『あなたの知らない脳──意識は傍観者である』
(デイヴィッド・イーグルマン 著、大田直子 翻訳、早川書房)

 著者のデイヴィッド・イーグルマンは、スタンフォード大学准教授を務める神経科学者。英米でベストセラーになった本書(原題「INCOGNITO」)をはじめとする著作のほか、テレビ番組The Brain with David Eaglemanのプレゼンターも務める。


 読者の興味をそそるような有名人のゴシップやテレビドラマのなかの会話に出てきそうな「トリビア」ふうの話題を散りばめつつ、科学的な説明を積み上げていく手法は、さすがだ。


 たとえば、潜在的な偏見や無意識の自己愛(「潜在的自己中心性」)のおよぼす影響について、こんな話がある


<友だちのジョエルにばったり会って、彼が生涯の恋人としてジェニーという名の女性を見つけたと話してくれたとしよう。それはおかしい、とあなたは思う。友人のアレックスはエミーと結婚したばかりで、ドニーはデージーにぞっこんなのだ。この同じイニシャルのペアには何か意味があるのか? そんなばかな、とあなたは断定する。生涯を誰と過ごすかというような人生の重要な決定が、名前の最初の文字のような気まぐれに影響されるはずがない。


 しかし、これは偶然ではない、と著者はいう。



2004年、心理学者のチームがアメリカの二つの州で婚姻の公的記録1万5000件を調べたところ、「名前の最初の文字が自分と同じ人と結婚している人の数は、偶然の一致にしては多すぎることがわかった」


 別の心理学者のチームは、職業人名簿を分析して、デニースやデニスという名前の人はデンティスト(歯医者)に、ローラやローレンスという名前の人はロイヤー(弁護士)に、ジョージやジョージーナという名前の人はジェオロジスト(地理学者)になる可能性が高いことを発見している。


 いやいや、日本人の名前でそんな話聞いたことがないし・・・と眉に唾をつけたくなる。が、「これらの発見はすべて、統計的な有意性の閾値を越えている。影響は大きくないが検証できる。私たちは自分ではアクセスできない動因、統計が暴かなければ信じないような動因に影響されているのだ」と、著者は主張する


 だとすれば、「あなたの脳をさりげなく操って、あなたの将来の行動を変えることができる」はずで、それを裏づける実験や事例の数々も紹介される。


 数ページの文章を読んだあとで、不完全な単語の空白を埋めるようにいうと、被験者は、最近その単語を見たという明確な記憶があってもなくても、その単語を選ぶ可能性が高い。これは「プライミング」と呼ばれる効果で、潜在記憶のシステムが基本的に顕在記憶のシステムと別々であることを裏づけるものだという


 すなわち、「顕在記憶がデータをなくしても、潜在記憶はしっかりしまい込んでいる」わけで、その証拠に、重い健忘症の患者は、最初に何らかの文章を示されたことを意識的には覚えていなくても、プライミングによって不完全な単語の空白を埋めるのだという。


 このように、私たちの「思考」すらも、自分では直接アクセスできないメカニズムによって生成されている、と著者は語る。

無差別殺人犯の脳に腫瘍

 さらに、「脳は葛藤するパーツでつくられたマシン」であり、たとえるなら、「理性」と「感情」という二つの別々のシステムがつねに争っている二大政党制のようなものだという。


 脳のなかの政党はいつも議論を戦わせていて、どの意見が勝つかは条件や状況によって変わる。最終的に勝った意見が意識に上って行動として現れる。行動が矛盾することもあるが、どちらか一方だけが「本当の自分」なのではない。


 つまり、脳のなかの対立によって「自分」が容易に変わることを事実として受け止めたうえで、著者は重要な問いかけをする。


 意識ではどうすることもできない脳に操られる「自分」が起こす犯罪行為は、いったい誰の責任なのか? ある行為が非難に値するかどうかを問うこと自体が、的外れではないか?

冒頭に問われるのは、1966年、母と妻を殺してからテキサス大学タワーに上り、無差別銃撃で46人を死傷させた男の事件。男は警察に射殺されたが、以前は平凡な私生活を送っており、「自分の脳に変化が起こっていないか究明するために検視解剖をしてほしい」と遺書に記していた。


 解剖の結果、彼の脳に腫瘍が見つかり、扁桃体を圧迫していたことがわかった。扁桃体の損傷は、感情と社会性の混乱を引き起こすといわれる。


 さて、この場合、彼の無分別な殺人に対するあなたの気持ちは変わっただろうか? 彼が生きていたら、量刑を加減することになるだろうか? 運悪く腫瘍ができて、自分の行動を制御できなくなる可能性は、あなたにだってあるのでは?


 <脳に腫瘍を抱えてタワーに上った男性のことを考えると、私たちは非難に値するかという疑問の核心に触れることになる。法律用語で言えば、彼は『有責』なのか? 自分には選択の余地がない脳の損傷を受けている場合、その人にどの程度責任があるのか? なにしろ、私たちは自分の生体と無関係ではいられない。そうでしょう?>


 著者の問いかけは、脳を探る技術が向上するにつれ、広く、重くなっている。


 腫瘍のせいで突発的に小児性愛になった男性、万引きなどの脱抑制行動を止められなくなる前頭側頭認知症の患者、治療薬の作用でギャンブル依存になるパーキンソン病患者、殺人夢遊病患者の例などが挙げられており、容易に答えの出る問いではないと気づかされる。


 そこで著者は、本書の前半で見てきた脳に関する新たな理解――自由意志はたとえ存在するにしても、巨大な自動化されたメカニズムのうえに乗っている小さな因子にすぎない――という理解から、犯罪の有責性を問うことは意味がない、と訴える。


 現在の刑罰スタイルは、個人の意思と責任を土台にしているが、有責性は現在の技術の限界で決まることになり、筋が通らない、という意見には、たしかにうなずける。


 「脳に適した前向きな法制度」として、著者は、「生物学的な理解を活用した更生のカスタマイズ」を提唱する。最新の脳画像技術を用いて、衝動を抑制するように脳を訓練するという具体的手法も提案している。


 「神経法学」という新しい分野に軸足を置き、ベイラー医科大学では「脳神経科学・法律イニシアチブ」を主宰する著者ならではの、斬新だが、説得力のある主張である。


 神経生物学者、法学者、倫理学者、政策立案者を巻き込んで、神経科学の新たな発見を法律や刑罰、更生にどう活かせるかを研究するプロジェクトとのことだ。アメリカのみならず、日本でも大いに参考にすべき考え方であると思う