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人気のドイツ産を当局が輸入拒否上海ガニの産地偽装騒動 遠く欧州へ

中国では中秋節(今年は9月19日)、10月1日の国慶節(建国記念日)が近づく頃から、高級食材「上海ガニ」が市場に出回り始める。出荷時期や価格のほか、ブランドと化している江蘇省蘇州近郊の陽澄湖(ようちょうこ)産をうたった産地偽装に関する報道が例年繰り返されるが、今年はその喧騒(けんそう)が海を越え、遠く欧州ドイツまで巻き込む事態となった。
北京市内の海鮮市場で売られていた「陽澄湖産」の上海ガニ。証明タグは付いているが、買い物客は「偽物だ」と言って立ち去った

北京市内の海鮮市場で売られていた「陽澄湖産」の上海ガニ。証明タグは付いているが、買い物客は「偽物だ」と言って立ち去った
高層ビルが建ち並ぶ北京市中心部で9月初め、2軒の小さな店舗の改修工事が行われていた。急ごしらえの4畳半~6畳程度の店内をのぞいてみると、空の水槽がいくつも並べられていた。そして、店舗の外壁には「陽澄湖大閘蟹」の電飾看板が掲げられていた。「陽澄湖産上海ガニ」の専売店だ。

 9月下旬、水槽には水が張られ、中には無数のカニがうごめいていた。「うちは優良店。全部、陽澄湖産だよ」。1日2万元(約32万円)の売り上げがあるという40代の女性店長が、壁に掲げた証明書を指さしながら、売り口上をまくし立てた。産地から遠く離れた北京市内でも、この時期、同様の専売店が至る所に出現する。

 所変わって北京市の京深海鮮市場。「陽澄湖産はある?」と尋ねて回ると、「没有(メイヨウ)(ない)」と正直な返事ばかり。やっと一軒の店で、男性店主が店舗の奥から隠すように取り出してきたカニには、蘇州市質量監督局が発行する陽澄湖産を証明するタグが付いていない。偽物だ

別の店舗でタグ付きのカニを発見した。しかし、白いはずの腹部が汚れている。甲羅が男性の拳より少し小さいだけの大ぶりなもので、1杯108元(約1730円)という。食材の調達に来ていた30代の中国人女性は、「タグも偽物が出回っている。皆知っているよ。陽澄湖産はとても少ない。そんな値段で買えるわけがない。本物なんて陽澄湖に行かなきゃ食べられない」と言って立ち去った。

 中国漁業協会によると、今年の陽澄湖産の総出荷量は、夏の高温の影響で、昨年比約10%減の約2200トンにとどまる見通しだ。

 「菊が香れば、カニが肥える」-。中国において、秋の到来とともに上海ガニがおいしくなることを意味する俗語は数多い。「正宗(本家)」の陽澄湖産は手が届かないとしても、一般庶民にとっても待ち遠しい、秋の味覚であることには違いない。

 公的機関の“お墨付き”を逆に疑い、ブランド離れしている消費者心理を見透かしてか、8月中旬、中国のインターネット共同購入サービス業者が、新商品「ドイツ産の上海ガニ」を売り出した。「ドイツで捕獲してから48時間で、中国の消費者の食卓に届ける」との触れ込みだった。

 ドイツに上海ガニが渡ったのは約100年前とされている。中国からハンブルク港に寄港した貨物船のバラスト水にたまたま混入して“上陸”。エルベ川を中心に、各地に増殖していったというのが定説だ。

日本の環境省がまとめた「特定外来生物の解説」によると、上海ガニは淡水、汽水、海水のいずれにも適応し、気候や水質汚濁にも幅広い耐性を持つという。

 上海ガニは1990年代以降、ドイツだけでなく英国の河川でも水質改善が進むにつれて爆発的に増加した。ただ、土手に最長2メートルの巣穴を掘る習性があり、川岸の浸食や生態系崩壊を深刻化させかねない。国際海事機関(IMO)の「侵略的外来種の世界ワースト10」にも挙げられている。

 元来、ドイツでは食用としてのカニになじみがなかったが、近年、ドイツ国内の中華料理店などが買い付けるようになった。中国のインターネット上でも欧州産上海ガニの試食を希望する声が沸き上がっていた。

 こうした中、中国で始まった今年のドイツ産上海ガニの受け付けはわずか3日で30万杯の予約が集まった。ところが、中国の検疫当局側はドイツからの輸出申請や、輸入企業からの検疫申請がないと主張。変異などの可能性を示唆し、「消費者の健康を害し、生態環境を乱すことにつながる恐れがある」として、ドイツ産上海ガニの輸入を否定している。

 官僚腐敗に対する国民の不満を緩和するため、習近平政権は公的機関の飲食接待を規制。高級飲食店は軒並み打撃を受けている。上海ガニ業界も、民間企業や個人客を対象とした「薄利多売」への転換を強いられているという。
あるインターネット共同購入サービス業者は、ミニブログで「国内のカニ業界に悪影響を与えるため、ドイツ産上海ガニの販売が許可されないのだと信じている」と発信し、当局と上海ガニ業者の癒着を疑った。消費者の一人は中国紙に、「ドイツの水は中国の水ほど汚染されていないと思うから」と、ドイツ産を予約した理由を説明している。

 中国国内における国民の官僚・高官への不信感、当局と国民の意識のズレは、上海ガニを通じても、うかがい知ることができる。

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