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時代を見通す日本の基礎情報

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東京、ヤバい街、ダサい街ベスト5 異常な価格高騰で秋葉原がヒルズ越え!?-

ワカレ、アンコ、ごっとう、マイソク」...これらは不動産業界用語のほんの一部であるが、何のことかわからない人が大半だろう。不動産屋を利用する人は多くても、その内情は意外と知られていないのだ。筆者も、街の不動産屋から大手不動産屋と、色々と利用してきたが、聞けば聞く程に興味深いと同時に「そんなことが現在進行形で起きているのか...」と、驚きを隠せない事実も多々。

 今回は、筆者の知人で現・不動産会社の社長に直接裏事情を聞いてみた。本文に先立ち、社会的影響を考え、匿名でA社長と呼ぶことにさせていただく。そして同席してくださった、バブル時代前から賃貸、売買ともに手がけている同僚の方、こちらをBさんとしよう。


 

■第1回 「東京、ヤバい街、ダサい街」ベスト5

 都内の路線は地下鉄を含め網の目のように入り組んでおり、長く暮らしている人でさえ乗り換えに戸惑うことも。また、物件を探すにしても、どの地域がいいのか、賃料は適当なのかと、探せば探すほど、迷路にはまりこんでいくような経験をされた方も多いのではなかろうか。都内では、武蔵野市・吉祥寺が住みたい街ランキングNO.1の座を不動のものにしているが、これも不動産屋からしてみれば、首をかしげるばかりだそうだ。「あそこは何もないわりに、賃料が高い。完全なブランドですよ」とA社長。逆に、歌舞伎町から新大久保をまたぐエリアや信濃町は、「住んではいけない街」などと言われることもあるが、最近の再開発の進行や、都市計画の見直しで、「不当に安いエリア」だと指摘する。今回は、現場を知る不動産のプロに、おしゃれと言われているけどそれってどうなの? という街や、自分だったら住みたくないという街を教えてもらい、ランキング形式にまとめてみた。

■第5位 小岩(江戸川区)

「ギャンブルをする人にはいいけど、他にとりたてて何も無いですね。福祉が充実しているというけど、それは深刻な高齢化問題を抱えているということの裏返しにすぎないですし、やはり治安に関してもほめられたものではありません。本当に『柄が悪い』の一言です。それでも最近は再開発が進んでだいぶマシになりましたけどね。ただ、夜がふけて駅前を通ると、まだ客引きの外国人を良く目にしますね」とA社長。「小岩とか、足立は確かに柄が悪い。自分はバイクに乗るんですが、都心でマナーが悪いなと思って見ると、ほとんどが足立ナンバーです。いやぁ品の違いというのでしょうかね」とBさんが付け加えた。

■第4位 世田谷区

「世田谷全域が悪いというのではないんですが。あの区は昔からの住民と新参者との間に確執があるんです。それはどこでもある話なんですが、特に世田谷は、世間のイメージ以上にそれが激しいんです。お役所もお高くとまりすぎなんですよ。実は、私どもが世田谷区に所有しているアパートを改装して、簡易宿泊所にしようとして事前に保健所に行ったんですよ。そうしたら、そんな汚いものを作ってくれるなと平気な顔して窓口で言うんです。係長クラスの人ですよ。誰が住むんだ? 危なくないのか? そもそも前例がない、と。あれはもう尋問でしたね」とA社長。

■第3位 芝浦、汐留~お台場(港区臨海地区)

 先の3.11東日本大震災で液状化現象が問題になるなど、災害時の危険性を指摘されることが多い地域であるが、3位にランクインしたのは全く別の理由であった。

「ここらは一時期凄い人気でしたが、リーマンショック後、値段は下がる一方で、もうあまり人気はないんです。実は、『発展しすぎて住みづらい』というのがあるのですよ。生活に必要な店舗はタワーマンションの一階にあって一見便利そうだけど、選択肢がない。学校数も足りていないため、教室不足が深刻な問題になっています。それに鉄道網の整備が間に合っていないため、意外と都心に出づらいのです。そしてなによりも『格差問題』です。同じマンションで、上層階の住民と下層階の住民間の格差がひどいのです。人としてどうなのかなって思いますよ」とA社長。未来都市に潜むダークな人間模様、想像するだけで暗澹とする。

■第2位 秋葉原(台東区、千代田区)

「今秋葉原のマンションが急激な高騰を見せているんです。JR、東京メトロ日比谷線、つくばエクスプレスと3社乗り入れというアクセスのよさに加え、ヨドバシカメラなどの大型店の誘致。今後さらに再開発が進めば、今までの電気街というイメージは完全に払拭されていくのでしょう。(家賃が)高い所だと六本木ヒルズを越える億ションまで出てきているとか。異常な加熱ぷりですよ。局地的バブルですね」とA社長。まさかここに秋葉原がくるとは筆者も意外であった。いずれそのバブルもはじけるのであろうか。

■第1位 東雲(江東区)

 東雲(しののめ)は江東区臨海部の位置し、かつて夢の島があった新木場と国際展示場のある有明の中間にある。なんともピンポイントな指名であるが、話を聞いて納得した。

「今、東雲の公団住宅では、中国人系の違法シェアハウスが急増しているんです。一般の賃貸における審査に通らないような人の逃げ場になっているんです。第二のネットカフェとも言えるのではないでしょうか」とA社長。「そういう物件を何度か実際に見ましたが、ひどいものです。人が住む場所じゃない」とBさん。明らかな違法物件でも、需要が途絶えることはなく、すぐにうまってしまうのだとか。

 不動産屋は、孤独死問題がそうであったように、数年後日本に訪れる社会問題の直撃をいち早く受けるのだと言う。今回のランキング、まるで今後日本に訪れる闇を垣間見たようだ

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