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時代を見通す日本の基礎情報

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中国の大漁船団襲来か…尖閣防衛に具体的アクションを!日本はただ遺憾砲だけかまだ平和ボケか

中国が、沖縄県・尖閣諸島周辺海域に大量の漁船団と武装公船を送り込んで来る可能性が出てきた。産経新聞が2日夜に電子版で配信した(3日朝刊1面トップ)。

 恐れていた事態が現実になりそうな見通しだが、安倍晋三政権の動きは鈍い。言葉だけでなく、具体的行動で中国の攻勢を抑止すべきだ。

 中国は日本漁船の操業について「中国領海への侵入だ」と日本に抗議していた。それにとどまらず、産経によれば「海上保安庁は1隻の日本漁船すら航行を止められなかった」「数百隻の中国漁船の航行を制止するよう(日本が)要求する資格はない」と伝えてきた、という。

 まさに「居直り強盗」のような振る舞いだが、無視できないのは、中国が設定した休漁期間が16日で終了するからだ。休漁明けとともに、中国漁船団が大量に押し寄せてくる可能性が高い。

 実際、中国は2016年夏に200~300隻の漁船を送り込んできた。漁船の周囲を、海警局の武装公船が護衛するように航行し、漁船とともに日本の領海を何度も侵犯した。尖閣周辺に出漁するかどうかは事実上、中国政府の判断に委ねられている。「出漁には政府の補助金が支給されていた」とも報じられた。

 19年には、習近平国家主席の「国賓」訪日を控えて、当局が尖閣周辺への出漁を控えるよう指示した経緯もある。そんな中国が今回、あえて「数百隻の漁船」に言及したのは、出漁再開を事前予告するサインだった可能性が高い。

 日本はどうすべきか。

 在日米軍のケビン・シュナイダー司令官は7月29日、記者会見で「中国漁船団が8月中旬以降、海警局の公船や人民解放軍の軍艦に守られて、尖閣周辺に押し寄せる圧力が高まっている」と語った。そのうえで、「米国は尖閣情勢について、日本政府を支援する約束を100%堅持する。これは1年365日、1日24時間、週7日体制だ」と表明した。

日本側はといえば、菅義偉官房長官が7月22日の記者会見で、中国の侵入を「極めて深刻に考えている。厳然とした態度で対応したい」と語るにとどまっている。まさに遺憾砲の発射準備どこまで忖度するつもりか

 米軍司令官が「休漁明け」にも言及して、強い姿勢を表明しているのに、日本はあまりに軟弱すぎないか。

 そもそも、中国が100日以上も連続して尖閣諸島周辺に公船を派遣し、日本の領海に何度も侵入しているのは、国際法で認められた「無害通航権(=沿岸国に対する通告なしの領海内通航)」の乱用、ないし違反に該当する可能性がきわめて高い。

 まず、日本は尖閣諸島に政府職員を派遣し、日本が島の施政権と領有権を保持している点を世界に示す。そのうえで、周辺海域で新たな日米合同軍事演習を実施するよう、米国と調整すべきだ。ドナルド・トランプ米政権は、中国と全面対決する姿勢を表明した。日本の強い姿勢は米国と共鳴するだろう。

 むしろ、ここで行動しなければ、米国の疑念を呼び起こすだけだ。ここは、ためらっている局面ではない。《日本は遺憾砲で終わる〉

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) 

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