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時代を見通す日本の基礎情報

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善意に支えられた母「心の分かる子に育って」浸水の町、絶望のふちで授かった新たな命

200人を超える犠牲者を出した西日本豪雨から1カ月。数え切れない悲劇の中で、新たな命の誕生劇があった。心機一転、家族で農業を始めた直後の水害。農機具は全て流され、絶望のふちに立たされる中で授かった命だった。「無事に生まれてきてくれて、ありがとう」。希望に満ちたわが子の寝顔に、母は優しく語りかけた。(浜川太一)浸水し床面を剥がした自宅1階で、先月22日に生まれた晃詩(ひなた)くんを抱く山田乃理子さん。「心ある子に育って欲しい」と話す=6日、岡山県倉敷市真備町(鳥越瑞絵撮影)浸水し床面を剥がした自宅1階で、先月22日に生まれた晃詩(ひなた)くんを抱く山田乃理子さん。「心ある子に育って欲しい」と話す=6日、岡山県倉敷市真備町(鳥越瑞絵撮影)

7月22日、午前6時48分。山内産婦人科クリニック(岡山県倉敷市三田)の分娩(ぶんべん)室に、大きな産声が響いた。体重2946グラムの元気な男の子。4人目の出産となった山田乃理子(のりこ)さん(37)は「こんな大変なときにやってきて」と、新たな命を胸に抱き、ほっと胸をなで下ろした。

 山田さん一家の自宅は、同市の中で最も被害が大きかった真(ま)備(び)町(ちょう)の岡田地区。乃理子さんは7月6日深夜、前も見えなくなるような大雨が降る中、臨月のおなかを抱え家族で近くの市立岡田小学校へ避難した。

 水が引いた数日後に戻った自宅は変わり果てていた。天井近くまで浸水した1階の居間は泥にまみれた家具が散乱。ビニールハウスは全滅し、トラクターも車も全てを失った。

 4年前に夫の健太さん(37)が脱サラ。数百万円借金して、家族で農業を始めた直後の水害だった。栽培していたコマツナとチンゲンサイは市の学校給食にも採用され、「子供たちに新鮮な野菜を食べさせたい」と誇りを持って育てていただけに、「これからどうしたらええんじゃろ」と途方に暮れた。

 被災後の片付けに追われる中、乃理子さんは胎動が弱まっているように感じた。「赤ちゃん大丈夫かな」と不安がよぎったが、22日未明、自宅で破水。健太さんが運転するレンタカーで病院へ急ぎ、明け方に無事、出産した。

出産に備え用意していたベビーベッドや赤ちゃん用の衣類は全て流されたが、近隣住民や友人が助けの手を差し伸べてくれた。「ベビーカーをあげるよ」「支援物資のおしめがあるよ」。哺乳瓶やベビーバス、せっけん、衣類…。人々の善意で必要なものが全てそろった。避難所でも知らない人たちが「大丈夫?」「無理しないでね」と優しく声をかけてくれた。「みなさんの心が温かく、本当にありがたかった」と乃理子さん。生活再建のめどはまだ立たないが、新たな命が家族に癒やしと笑顔をもたらしてくれている。

 出産後に夫婦で考えて付けた名前は「晃詩(ひなた)」。太陽の光のように明るく温かい、という意味を込めた。

 災害の中、多くの人の愛情と優しさに助けられながら生まれてきた息子に、乃理子さんが願うのはただ一つ。

 「人の心の分かる、優しい子に育ってほしい」






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