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中国に負けないベトナムから何を学ぶか

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ハノイ市内にあるベトナム軍事歴史博物館。ベトナム戦争時の「生々しい記憶」が収められている

 東洋経済オンライン(2014年7月16日08時00分)

今回のコラムでは、私自身が最も多く取引をしてきた中国と、ベトナムの関係についてふれてみたい。7月3日の安積明子氏のコラム「中国との付き合い方、ベトナムに学べ!」はとても興味深く読んだ。

先日の米中対話でも、中国の海洋への「野心」が明らかになったが、昨今の中国の軍事的な拡大行動を見るにつけ、気になることがある。それは、中国政府や同国の人民解放軍の過信だ。つまり、「海洋の防衛」と言いながら、実行していることは、明らかにやりすぎではないか、ということだ。

■中国は、ベトナムを甘く見ている?

ここからが今回の「本題」だ。要は、中国は戦線を広げすぎて、最もしたたかなベトナムとの「戦い」に突入したように見えることだ。つまり、南沙諸島や西沙諸島を巡る戦いに突入したことである。

これまでもこれらの地域では、問題は存在した。だが実際のところ、問題は「棚上げ」になっていたから、今まで「戦い」は表面化しなかったのである。中国は、共産党が一方的に設定した「九段線」(南シナ海において領有権を主張しているエリア)を根拠に、南シナ海で天然資源を掘削するなど、自分自身で開発を進めているようにみえる。だが、南シナ海に接する国々は、中国の主張を認めていないのだ。

この「九段線」は俗に「赤い舌」などと呼ばれている。これは台湾からフィリピン、マレーシア、ブルネイ、インドネシア、ベトナムに至る中国が勝手に引いた9カ所の領有権問題に関する赤い領海線をつなげると、「舌の形」をしているためである。

 この中でも最もマスコミを騒がせているのが、南シナ海での石油掘削が原因で起きた、ベトナムの大規模反中デモである。中国人駐在員が亡くなり、関係のない日本や韓国の工場にも影響が出たのは、記憶に新しい。

だが、いくら中国の経済力が強大になったといっても、隣接国すべてを敵に回せば、大国といえども、持つわけがない。そもそも、賢明なやり方ではない。中国の海洋進出は、国内の利権絡みの権力闘争の中で出てきた話ともいわれるが、昔から中国とはビジネスで長い間つきあいのある私にいわせてもらえるなら、なぜ中国のような思慮深い知恵の国が、近隣国家(特にベトナムに対して)を敵に回すような政策にこだわるのかが、疑問なのだ。

■なぜベトナムは、強いのか?

とりわけ、今回、中国はベトナムを怒らせてしまった。長い歴史の中で、中国とベトナムは何度も戦争を繰り返してきた。数え方にもよるが、主要な戦いだけで、歴史的には15回以上もあり、ベトナムが負けたことはほとんどないに等しいのだという。

極端にいえばだが、いったん守勢に回ったように見えても、我慢強く抵抗を繰り返し、最終的には中国を跳ね返してきたのがベトナムの歴史といっても過言ではないのではないか。私の知る限り、ベトナムは中国からの侵略に対しても、敵を中へと呼び込んで、「ゲリラ戦」に持ち込み勝利を得るという戦いが多い。いわば「アウェーの戦い」はそれほどでもないが、「ホームの戦い」には滅法強いのがベトナムなのである。

軍事力や総合的な戦力からすると、中国の方が圧倒的に強力なのに、組織力や戦闘力から見るとベトナムの方が、まとまりがあるように思う。1979年の中越戦争の時も圧倒的に軍備では勝っている中国に対して、ベトナム戦争で米軍やロシア軍が残していった戦車や武器などを活用して中国軍に勇猛果敢に抵抗したと聞いている。そうした意味で、長い歴史の中で戦いを繰り返している中越関係は、日中関係とは比べ物にならないほど複雑な国家関係だと思う。

不謹慎な言い方で恐縮だが、ベトナム人は対中国では「喧嘩慣れ」しているので、中国に対しては容易には屈しない。もしかしたら、日中関係は、今後ベトナムと中国の関係悪化の影に隠れ、幸か不幸か、望む、望まないは別にして、結果として「棚上げ」になって行くのではないかとも、思うほどだ。

さて、私はビジネスを通じて中国ともベトナムとも長年のおつきあいをさせてもらっているが、その経験からいえば、ベトナム人の方が中国人よりも、はるかにしたたかである。ベトナム人の対応は、一見するとソフトアプローチにもみえる。だが実は中国人よりも複雑である。

■ベトナム人のビジネスは、「二枚腰」

無論、どこの国でも個人差があり、ケースバイケースではある。だが、ベトナムとの交渉ごとは、外交にしてもビジネスにしても、中国よりもずっと複雑である。ベトナムの交渉とは、ひとことでいえば、相手から妥協案を勝ち得るためには粘り強く二枚腰で、ということだ。

では、このベトナムの粘り腰はどこから来るのか。ベトナムは、地政学的に見れば北から南まで何千キロもある半島国家である。ゆえに、北からも南からも攻められやすい運命にあった。

しかし一方、攻められれば攻められるほど柔構造の守りを得意とするようになった。外交的には敵の弱みと脅威を読み切って、うまくかわすような術も身につけたのだろう。常に北からも南からも攻められていれば漁夫の利を得る知恵も生まれて来るというものだ。

ベトナムに学ぶことは多い。いまこそ日本はベトナムとの協力を強化し、本格的に取り込むくらいの気持ちでつきあう時かもしれない。「ベトナム的発想」を持ち込めば、日本も外交面などでは「お人好し」などと呼ばれることが少なくなるかもしれない。

では、ベトナム人と、がっちりビジネスができるだろうか。実は、これはこれでそう簡単な話ではないのだが、中国とのつきあいを考えるうえでは非常に示唆に富むのは間違いない。私の経験を中心に、次回書こうと思う。

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