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時代を見通す日本の基礎情報

日本を取り巻くアジア情勢の変化 世界の情報を辛口で伝える情報部ログ 世の中はめまぐるしくかわっていきます その中で取り残されない為の情報をお伝えします Changing Asian situation surrounding Japan Tell the world information by information Department log The world is rapidly mood In order not to lag behind in its informed the <a href="https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" rel="nofollow">なんでもまとめてお売りください!宅配買取「いーあきんど」</a> <img border="0" width="1" height="1" src="https://www19.a8.net/0.gif?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" alt="">

上園保仁さん(4)公開セミナーなどで現状伝える

――上園先生が研究代表者を務める国の研究班は市民公開セミナーを開催しましたね。

 研究そのものも大切ですが、国の税金を使わせていただいて、こんな研究をしているんですよ、こんなことが分かってきましたよ、と国民の皆様にお伝えする義務が私たちにはあると思います。そのために市民の皆様に参加していただく公開セミナーを企画・開催いたしました。2011年11月26日に1回目、2012年6月24日に2回目を開かせていただきました。おかげさまで1回目は170人、2回目は160人に参加いただきました。約8割が、がん患者さんまたはその家族でした。参加された皆様からの反響は大きく、来年も開催したいと思っています。

 市民公開セミナーの参加者にアンケートを実施しましたが、漢方薬への期待や現状認識が分かりました。第2回のセミナーで行われたアンケート結果では、抗がん剤治療に漢方薬が保険に使えることを知らなかった人は47・7%もいらっしゃいました。

 一方、漢方薬を処方してもらいたいと思っている人は69・4%に達しました。ただ、漢方薬に関心がある人が参加しているので、高い数字が出る傾向にありますが。

 自由記載欄では、「漢方を知っている医師があまりいない。どこで処方してもらえるのか情報が欲しい」「医師が漢方薬の使用を反対しているので、こっそり治療を受けている」「漢方薬の話をしても、あまり効かないと言われる。本当のところはどうなのか?」などのご意見ご質問が寄せられました。

 ――医師向けの漢方勉強会も開いたと聞きました。

 市民公開セミナーのアンケートでも明らかなように、主治医に漢方薬を処方してほしいと言っても、反対したり、知識がなかったりする医師が多くいるのが現状です。前にも申し上げましたが、若い医師は大学医学部で漢方の勉強をしていますが、私たちの世代は漢方について学んでいないケースが多いのです。抗がん剤の専門家・腫瘍内科医はエビデンス(科学的根拠)がすべてなので、証拠がないと薬を使いません。また、医師の皆さんに「食わず嫌い」の方がおられるのかも知れません。

 そこで、漢方薬について、ここまでエビデンスがありますよ、ということを医師にお知らせする「漢方キャラバンセミナー」を全国で開催しました。参加されたのは、外科医、痛みを抑える治療などを担当している緩和ケア医、抗がん剤治療を行っている腫瘍内科医などの先生方です。2012年7月~9月、北は北海道から南は福岡まで全7回行いました。このキャラバンはおかげさまで評判を呼んで、最後のセミナーでは定員30人に対して164人の応募がありました。本当にうれしかったですね。

 ここでも参加された医師の方にアンケートを取ったのですが、「こんな良い雑誌に論文が発表されているとは知らなかった」「目からウロコだった」「今日からすぐに使いたい」などの肯定的な意見が多く寄せられました。

 がん治療はチーム医療です。今後は医師だけでなく薬剤師、看護師向けの勉強会も開催できたらいいな、との夢を持っています。

 ――漢方薬に期待することを教えて下さい。

 日本人は基本的に漢方薬が好きですね。民主党政権になった際、「事業仕分け」の一つとして漢方薬を保険診療から外そうとする動きがありましたが、27万人もの反対署名の陳情が出され、撤回されました。漢方薬への期待・関心は高いのだと思います。

 漢方薬は効果が穏やかで副作用は少ないとされますが、副作用はゼロではありません。例えば、発症率は低いですが、小柴胡湯(しょうさいことう)は間質性肺炎、甘草(かんぞう)を含んだ漢方薬では低カリウム血症が起きることがあります。そのような知識も持ってほしいです。

 エビデンスが蓄積されてきて、漢方薬を使う医師・病院が増えているのは確かです。国立がん研究センターでも、吐き気止め、食欲不振の改善、手のしびれの緩和などを目的に20種類くらいの漢方薬が使われています。

 中国や韓国では伝統医学の薬はその専門医(中国では中医学を行なう中医師、韓国では韓医学を行う韓医師と呼ばれています)が、西洋医学の薬は西洋医がと別々に処方しますが、日本では、医師が漢方薬も西洋薬も一緒に処方できます。世界中で、日本は西洋医学にプラスして漢方医学も同時に使える唯一の国とも言えます。しかも、医療用漢方薬は、全国どこでも均一の質のものを服用できます。

 効果は穏やかですが、全身に働きかけることができる漢方薬の魅力を多くの市民・医師に知ってもらいたいと思います。(おわり)

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