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「禁断の恋」とがめられた北朝鮮兵士が自軍に自爆攻撃

脱北者で東亜日報記者のチュ・ソンハ氏が最近、自身のYouTubeチャンネルとブログで、北朝鮮海軍で起きた大規模な爆発事故の情報を伝えていることは、先日の本欄で触れた。

1983年10月、黄海南道(ファンヘナムド)のクァイル郡で起きたとされる事故で、ロメオ級潜水艦に搭載する総薬量が数百キロに達する魚雷を数百発も保管した倉庫が大爆発したというものだ。爆発によって生じたキノコ雲は高さ200メートルにも達し、目撃者は「核爆発が起きたのかと思った」と証言したという。

しかしチュ・ソンハ氏の解説を読むと、これは純然たる事故とは言い難い。むしろ「自爆攻撃」である。北朝鮮軍で厳禁されている「職場恋愛」が発覚し、兵役終了間際で「不名誉除隊」となった兵士が将来に絶望し、故意に倉庫を爆破したというのだ。

世界で最も長いと言われる北朝鮮の兵役は10年にも及ぶ。その間、まったく恋愛を許されないとは、どれほど苦痛だろうか。ちなみに2015年には、「北朝鮮のゲイ軍人」というタイトルの画像が世界中のネットで話題を集めた。

(参考記事:【写真】前線で火を噴く「愛の砲火」 北朝鮮のゲイ軍人画像に世界が注目

軍事境界線の韓国側に設置された監視カメラがとらえた動画をキャプチャーした複数枚の画像で、朝鮮人民軍の2人の男性兵士が、抱き合ったりキスをしたり、かと思えば一方がもう1人の求愛をはねつけるような仕草を見せているものだ。

ともかく、恋愛感情は人として自然なものであり、それを10年にも渡って完全に抑え込もうとするほうがナンセンスだ。

それでも、軍規で禁止と定められているのならば、兵士に抗う術はなかっただろう。長期の兵役を耐え抜くことができるのは、大過なく終えることができれば大学進学や朝鮮労働党に入党する可能性が開けると信じればこそだ。

それが、兵役の終了間際に閉ざされたとしたら、兵士の絶望と怒りは爆発で起きたキノコ雲ほどにも大きかったことだろう。

北朝鮮はこのように、国家のタテマエを押し通すため、国民に理不尽な要求を押し付けている部分があまりに多い。それに対する不満の爆発が、物理的な爆発として表れた例はまだ少ないのかもしれない。だが、そのような無理強いがいつまでも続けば、いずれ体制を揺るがすほど巨大な爆発につながらないとは限らない。

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