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時代を見通す日本の基礎情報

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中韓を駆逐 日米台連合「半導体戦争」 態度決められない韓国、競争で遅れ技術も盗まれるも…

世界的な半導体不足が続くなか、半導体ファウンドリー(受託製造会社)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が、日本に研究開発を目的とした子会社の設立を決めたと発表した。TSMCは米国にも新工場を建設予定で、「日米台連合」が対中国包囲網を敷こうとしている構図も浮かぶ。これに焦りを募らせているのは、半導体が経済の屋台骨を支えている韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権のようだ。  「台湾TSMC、日本と組み反中連合の先鋒に」  TSMCによる計画をこんな見出しで伝えたのは韓国紙・朝鮮日報だ。  TSMCの投資額は最大186億円で、茨城県つくば市に拠点を新設し、高性能な3次元集積回路(IC)の製造技術開発を目指す。  日本政府は先端半導体の開発などを支える基金を積み増し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が事業の公募を始めている。これにTSMCや日本の半導体関連メーカーが参加し、共同研究を進めるとみられる。  梶山弘志経済産業相は17日の衆院予算委員会で、「内外の企業連携や技術開発を支援することで、先端的な半導体の製造技術の確保、サプライチェーンの強靭化、将来のイノベーションにつながると考えている」と期待感を示した。  TSMCをめぐっては昨年12月、米アリゾナ州に新半導体工場を建設する計画が許可されたと報じられている。初期投資35億ドル(約3659億円)で、24年に生産が開始される予定だという。  台湾のこうした動きの背景の一つが米中貿易戦争だ。ドナルド・トランプ前政権は中国通信大手華為技術(ファーウェイ)などに対する半導体関連の輸出規制を実施したことで、同社は半導体の調達が困難になった。  昨年末には中国半導体受託製造大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)も制裁対象としたことで、半導体の生産委託先をSMICから台湾のTSMCに切り替えるメーカーが集中した。これが世界的な半導体不足を招いた一因との見方もある。  ジョー・バイデン政権も当面は対中強硬姿勢を維持しており、生産強化は喫緊の課題だ。  中国側の台湾政策も影を落とす。習近平政権が台湾に対する圧力を強めている狙いの一つに、台湾の先進的な半導体産業の存在があるといわれている。日本は研究拠点、米国は生産拠点という違いはあるものの、TSMC誘致をめぐる動きは、有事に備えたリスク回避という側面もあるようだ。  半導体は世界的に需要が増えており、供給不足は自動車やスマホ、パソコン、ゲーム機などの生産に影響を与えている。これを追い風に、サムスン電子の昨年度の業績は営業利益が前年比約30%増と好調を維持した。  だが、日米台の連携が急速に深まり、TSMCが存在感を示したことは、半導体分野の輸出が命綱の韓国にとってインパクトが大きいようだ。  前出の朝鮮日報は、サムスン電子やSKハイニックスが中国に半導体工場を持っていることを念頭に、日米台の関係が強固になれば、競争において不利になり、さらには中国企業に人材や技術を奪われることになると危惧し、「米日台と中国のどちらかに付くことが難しい状況」と伝え、韓国企業が「つらい立場」と分析している。  業績好調なサムスンだが、経営トップの李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が贈賄罪などで実刑が確定。満期の場合は来年7月まで収監されることになる。韓国最大の財閥が、スピード経営を維持できるのか懸念される。  韓国事情に詳しい朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「サムスンをはじめ、韓国の半導体メーカーは本来なら、対中包囲網を明確にしているサプライチェーンと歩調を合わせたはずだが、中国に依存し過ぎており、報復さえもあり得ると恐れている状況だ。態度を決めきれないまま、台湾企業に追い抜かれ、中国企業からは技術がどんどんと盗まれかねない。特にサムスンは立場を明確にしたくとも、トップが拘束されている状況で方針すら決められないでいる」と指摘した。  世界の半導体戦争は泥沼化するのか。

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