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時代を見通す日本の基礎情報

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今も輝く一世を風靡した銘酒旨味しっかり上品な香り 賀茂泉酒造の純米吟醸酒、

東広島市の西条は、広島の酒づくりの中心地だ。その一角にある賀茂泉(かもいずみ)の蔵を訪ねたのは、昨年末。標高250~300メートルの盆地にある西条の冬は寒く、寒仕込みに最適といわれる。蔵の庭にある枯山水には、うっすらと雪が積もっていた。


 賀茂泉酒造は、大正元年の創業。西条には江戸時代から続いている蔵がある中、後発の部類に入る。酒名は地名の「賀茂」と、所有する山林にある山陽道の名水「茗荷清水」を仕込み水にしたことから、「賀茂泉」と名付けられた。


 この酒が全国的に頭角を現したのは、昭和40年代のこと。前社長の前垣壽三氏が、戦争で失われた純米酒の復活に取り組んだことがきっかけだ。


 このとき世間で飲まれていた日本酒は、酒を調味液で3倍に薄めた三増酒だった。三増酒の全盛期は、戦争で米不足になった1943年に始まり、戦後も続いていた。ところが65(昭和40)年に米の配給制が終わり、戦前のように、米をぜいたくに使う純米酒や吟醸酒がつくれるようになったのだ。


 72年、まだ「純米酒」という言葉がなかったことから、米と米麹だけでできた酒を「無添加清酒」という名前で売り出した。


 ラベルには、印象的な書体で大きく「酒」と書いた。これは、現社長の叔父にあたる、東大寺206世管長・上司海雲の書である。この字は今も代表銘柄「本仕込 賀茂泉」のラベルに使われており、賀茂泉の原点となっている。


タイミング良く75年に「日本名門酒会」ができ、会員となった賀茂泉は、後の地酒ブームに乗ることができた。当時は、全国紙に「品切れのお詫び」という広告を出すほどの人気だったという。


 では、その酒を飲んでみよう。米の味わいを100%残すため、活性炭濾過をしていない純米吟醸酒は、うっすらと山吹色をしている。香りが上品なのは、9号酵母のなせる技だ。こっくりとした旨味があり、骨太でしっかりとした味わいは、いかにも広島らしい。そしてほどよい酸が、冷やのみならず、燗でもいける酒にしている。


 旨い! さすが一世を風靡した銘酒は、46年たった今でも輝いていた。


 ■江口まゆみ 酔っぱライター。世界中の知られざる地酒を飲み歩き、日本でも日本酒、焼酎、ビール、ワイン、ウイスキーのつくり手を訪ねる旅を続ける。近著は『ビジネスパーソンのための一目おかれる酒選び』(平凡社刊

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