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時代を見通す日本の基礎情報

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「日本製品が来る」北の皮算用 日朝合意で利権獲得に動く秘密警察 中国製は下落?

 

 

 

 拉致被害者の再調査を決めた日朝合意を受け、北朝鮮国内で制裁解除を見越した動きが顕在化し始めた。「日本製品が来る」との噂が広がり、ヤミ市場にも影響が出だしたという。再調査を主導するとされる秘密警察、国家安全保衛部が新たな“対日利権”獲得に向けた動きを活発化させているとも指摘される。

 「朝日合意があったので元山(ウォンサン)に日本製品が再び入ってくるようになる」。中朝関係者らによると、貿易業者の間で最近、こんな情報が飛び交っているという。

 日本海に面した港湾都市、元山は貨客船「万景峰(マンギョンボン)92」の母港で、日本から中古自動車や家電製品が大量輸入されていた際には活況を呈した。だが、北朝鮮船舶の入港や輸入を禁じた平成18年の日本の独自制裁によって大打撃を被った。

 日朝合意で日本側は万景峰92を除く、人道目的での船舶の入港禁止解除しか示していないが、北朝鮮側はさらなる制裁解除を見越して期待を先走らせているようだ。新義州(シニジュ)や会寧(フェリョン)、茂山(ムサン)といった中朝国境都市の密輸業者の間でも、日本製品の流入に備えて在庫を減らそうと、中国製品の価格を下げる動きがあるとも伝えられる。
外貨利権を奪い合う各機関の中でいち早い対応をみせたのが保衛部だ。元山を管轄する江原道(カンウォンド)にある傘下の事業所拡大に着手したという。同部は朝鮮籍の夫と北朝鮮に渡った日本人妻の調査を担当。拉致調査でも主体となると見込まれる。

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)を統括し“万景峰利権”を独占してきた工作機関225局を差し置いて総連関係者とひそかに接触したとの情報もある。

 保衛部は制裁後も「新興貿易」と名乗る傘下企業を通じて中国を迂回(うかい)し、日本製化粧品などを密輸。だが、日本側の取引企業が警察に相次ぎ摘発され、日本利権を失ったとされる。

 昨年12月の張成沢(チャン・ソンテク)派粛清では実行役を果たしたが、張派が握っていた経済利権は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の直轄下に置かれ、利権にありつけなかったという。逆に粛清に絡んで政治犯収容所の増設を命じられ、負担だけが増大したといわれる

北朝鮮情勢に詳しい消息筋は「今回の日朝合意を現状では唯一の経済的活路とみなしているのだろう」と推測する。一方で、拉致被害者を管理し、多くの日本人妻を収容所に送ってきたとされるのもまた保衛部だ。同筋は「再調査が拉致被害者や日本人妻を抑圧してきた保衛部に利益をもたらすことになれば、皮肉としかいいようがない」とも指摘する。

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