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日本を取り巻くアジア情勢の変化 世界の情報を辛口で伝える情報部ログ 世の中はめまぐるしくかわっていきます その中で取り残されない為の情報をお伝えします Changing Asian situation surrounding Japan Tell the world information by information Department log The world is rapidly mood In order not to lag behind in its informed the <a href="https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" rel="nofollow">なんでもまとめてお売りください!宅配買取「いーあきんど」</a> <img border="0" width="1" height="1" src="https://www19.a8.net/0.gif?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" alt="">
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朝鮮半島の高度な緊張状態が続くなか、強固な「日米同盟の絆」が示された。海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」が1日午前、海自横須賀基地(神奈川県)を出港、米海軍補給艦の防御を行った。昨年3月に施行された安全保障関連法に基づく米軍の「武器等防護」は初めて。加えて、日米英仏4カ国による初の合同訓練も3日から実施される。核・ミサイル開発を強行する北朝鮮に圧力を加える一方、東・南シナ海で強引な海洋進出を続ける中国を牽制(けんせい)する狙いだ。
「いかなる事態にも、国民の生命と平和な暮らしを守り抜くことは、政府の最も重要な責務だ。そして、大切なことは『有事を事前に防ぐこと』だ」「平和安全法制(安全保障関連法)では、あらゆる事態に隙間のない対応ができる態勢を完備した」
安倍晋三首相は先月末、夕刊フジ「GW特別号」(2日発行)の単独インタビューでこう語った。その強い信念と覚悟が表れたといえるのが、海自史上、最大級の護衛艦である「いずも」の動きだ。
政府関係者によると、「いずも」は、護衛艦「さざなみ」とともにシンガポールで今月開かれる国際観艦式に参加するため、1日に横須賀基地を出港。東京湾を出たところで、米海軍補給艦と合流して西へ向かう。補給艦は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮に対する警戒で、日本周辺に展開している米軍艦艇に燃料などを届ける。
北朝鮮の暴発を阻止する海自最大の護衛艦「いずも」
3月26日、中国の特別行政区である香港政府のトップを決める行政長官選挙(任期5年)が行われ、香港のナンバー2であった林鄭月娥(キャリー・ラム)前政務長官が、初めて女性として選ばれた。ナンバー3の曽俊華(ジョン・ツァン)前財務長官と、元裁判官で前選挙管理委員会主席の胡国興(ウー・コック・ヒン)氏を破った。
本来、今回の選挙は、普通選挙によって実施される予定だったが、中国の中央政府による立候補段階での事実上の振るい落としをするという条件がついた。それが「偽の普通選挙」ということで、14年の民主派や学生らによる「雨傘運動」につながり、その後の立法会でこじれた結果、これまで実施されてきた選挙委員による投票となった。立候補には選挙委員150人以上の推薦人が必要で、キャリー・ラム氏は580人、ジョン・ツァン氏は165人、ウー・コック・ヒン氏は180人の推薦人を受けていた。今回の選挙は1194人の選挙委員の投票で行われ、キャリー・ラム氏が777票、ジョン・ツァン氏が365票、ウー・コック・ヒン氏が21票だった。選挙当日の香港の有力紙『明報』の朝刊には、「キャリー・ラムは700票を抑えた」という記事が掲載されたが、結果的には大幅に上回った。結果発表時には、会場全体からキャリー・ラム氏の圧勝に驚きの声が上がった。
開票会場となった湾仔(ワンチャイ)の会議展覧中心(コンベンション&エキシビション・センター)では、本会場の入口直後などにメディアゾーンがあり、そこで投票者に直接インタビュー出来る。キャリー・ラム氏に投票した人は「私はキャリー・ラムに入れた」と答えた人が少なくなかったが、「誰に入れたのかは答えない」と答えた人は、今思えばジョン・ツァン氏に投票したのではないかと推測される。筆者が話を聞いた中で、明確に「ジョン・ツァンです」と答えたのは、財界に力のある元立法会議員で、前自由党党首の田北俊(ジェームス・ティエン)氏くらいだった。一方の世論調査では、調査機関によって数字は異なるが、必ずジョン・ツァン氏がキャリー・ラム氏を上回っていた。一方で、「誰が当選すると思うか?」という問いには、キャリー・ラム氏と答えた人が多かった。
キャリー・ラム氏の予想以上の大勝について、香港中文大学の政治・行政学部の蔡子強高級講師は、「580の推薦人から777票まで積み上げたのは、胡氏の支持票がかなりキャリー・ラム氏へ流れたのと、態度を表明していなかった人たちの多くが、彼女に投票したことを意味する。キャリー・ラム氏にとっては、勇気づけられる良い結果だろう」と分析した。民意と実際の投票とのかい離について聞くと、「通常、当選後は(発足直後の新政権は一般的に高い支持率を示す傾向がある)ハネムーン期間があるが、彼女に関しては、まずあり得ないだろう。難しい政治課題も山積みで、就任当初から厳しい政権運営を強いられると思う」と予想した
キャリー・ラム氏は、一般庶民の家庭に生まれ、学生時代からずっと成績は首席だった(一度だけ試験で2番になったことがあり、涙したことがあったと言う)。香港大学卒業後、公務員となった。多くの日系メディアは雨傘運動から彼女を取り上げ始めたが、香港人の中で彼女の名前が広く知られるようになったのは、07年に起きた皇后ふ頭の撤去問題だ。このふ頭は中環(セントラル)という香港の中心部にあり、エリザベス女王やダイアナ妃など、イギリス王室と総督など限られた人しか使用しないという格式と伝統のあるふ頭だった。しかし、周辺の埋め立てによる再開発で取り壊しを決定(結果的には、一部が保管され、別な場所に再建することになった)。香港市民による座り込み運動が起こったが、その時に香港政府の代表として対応したのがキャリー・ラム氏だった。最終的には警察が活動家を強制排除したことで終了したが、政府はこのときの彼女のタフネゴシエーターぶりを評価。前行政長官である梁振英(CY・リョン)氏が、在任時に彼女をナンバー2に抜擢する要因となった。雨傘運動時の学生との話し合いの時は、07年に彼女が行った皇后ふ頭の撤去での対応を思い起こした香港人が多かった。彼女はしばしば「鉄の女」と評されるが、初代の「鉄の女」は、03年に香港版「治安維持法」と呼ばれる、基本法23条に基づく国家安全条例の制定を目指した葉劉淑儀(レジーナ・イップ)氏であるので、キャリー・ラム氏は「新・鉄の女」と評した方が正しいだろう。
経済都市である香港の財政長官として、ジョン・ツァン氏は世論から高い評価を得ていたにもかかわらず、なぜ中国政府は支持しなかったのか? まず、選挙委員会で多数を占める新中派の支持を取り付けなければならないにも関わらず、彼は民主派の支持をとりつけようと動いたことが敗因として挙げられる。選挙改革についても、完全普通選挙に近いことをするという民主派の意向を取り入れた。中央政府の香港の出先機関である中央政府駐香港連絡弁公室の職員は、ジョン・ツァン氏を支持しなかったにも関わらず(立候補を控えるよう説得したという報道もあった)、親中派以外の票と財界の一部の票を取り込めば、彼が当選できると票を読み、出馬することとなった。ただ、取材をして見えてきたのは、彼が「見た目は香港人だが中身はアメリカ人」と判断されたことも、少なからず選挙に影響したのではないかということだ。確かに彼は香港生まれだが、13歳の時にアメリカに移住。思春期にどういった教育を受けるかは、その後の思想に大きな影響を与えるが、その意味で、彼はアメリカの考え方に強く影響を受けている。
政治ショーにイライラする香港
一方で、中央政府は、最初からキャリー・ラム氏の立候補を支持することを決めていた。だた、最初から彼女の支持を表明すると、民主派から攻撃される材料を与えてしまうため、「欽点」(事実上の中央政府による指名)をするのは避けていた。前回の行政長官選挙は、本命だった唐英年(ヘンリー・タン)元政務長官の住宅スキャンダルによって、香港市民が大反発を起こしたため、やむを得ずCY・リョン氏を推さざるを得なくなった。結果的に親中派内で分裂選挙のような状況に陥り、選挙後も影響が残った。今回はそのような事態を防ぐため、見かけ上、親中派同士の対決にはなったが、その裏で中央政府はしっかりキャリー・ラムが当選するように画策していたのだ。
また、中央政府の香港への締めつけは、また別な形でも現れていた。当選翌日の親中派寄りの新聞、『大公報』と『文匯報』には、大量の当選の祝賀広告が挟まれていた。その広告の量は、日本の新聞における年賀広告の比ではない。祝賀広告を見れば、どの組織が彼女を支持し、また選挙活動の資金源になったのかが一目瞭然だ。人材面、資金面において、彼女が圧倒的であったことを感じさせるものであった。
新民党の主席で、立法会議員のレジーナ・イップ氏が、行政長官戦に出馬すると事前に発表されていたが、彼女は先述した国家安全条例の制定問題を03年に起こしたことで香港市民から強いアレルギーをもたれていたこともあり、中央政府は彼女を支持する考えはなかったようだ。事実、彼女は立候補するための推薦人の数すら集められず立候補を断念した。
ジョン・ツァン氏が出馬表明したことで、中央政府は推薦候補の支持のタイミングなどで微妙なさじ加減を求められた。だが、表面上、民主的な選挙が香港で行われるかのように市民に思わせられたことは幸いだったと言える。
今回で5回目の行政長官選挙となったが、香港の選挙システムを知らない人が香港のテレビを見たり新聞を読んだりすれば、まさに普通選挙が行われているかのように感じるのではないかと思われる。投票権を持たない一般市民を相手に候補者が握手をしたり、演説をしたりするし、アメリカの大統領選挙のようにテレビ討論会が複数回行われたりするからだ。「各候補者の意見が分かるから、討論会は大事だと思う。でも、私は投票ができないから、イライラする」と、ある香港人は憤る。
「討論会も、開票作業も公衆の面前でやるので、公平性は担保されていると思うけど、結局投票はできないのだから、ある意味〝選挙ショー〟というか、ただのパフォーマンスに感じてしまう」と、ばっさり切る人もいた。一方で、ある年配の香港人は、「選挙については、予めすべて制度として決まってしまっているのだから、仕方がない」と嘆息を漏らす。実は香港では、年齢が上がれば上がるほど、そう考える人も少なくない。長らく植民地であったため、「政府の見解は絶対」との考えが、ある意味染みついてしまっているのだ。
この選挙は日本を含め世界各国から報道陣が集結した。メディアセンターで筆者の隣に座ったのは、スペインのラジオ局だった。雨傘運動によって、社会が分断したまま選挙を迎えるということで、開票会場前では、民主派と親中派の両方のデモ隊が集結。一部のデモ隊は、警察と揉める事態になった。選挙前から物々しい雰囲気であったため、メディアパスを取得するまでのセキュリティーは厳しく、パスの受付所にたどり着くまでに、最低3回は警察やガードマンに身分の証明をする必要があった。
現地メディアの報道も一段と加熱していた。たったの1194票しかないため、即日開票どころか、候補者、投票した人、メディア、開票の様子が、傍聴する権利をもった市民の目の前で開票される。現地メディアは双眼鏡を抱えたスタッフを用意し、担当者の手の動きをカウント。数え終わった時点で、すぐにソーシャルメディアやウェブサイトに開票結果の速報値を流した。筆者は偶然、カウントする人のすぐ傍にいたので、キャリー・ラム氏の得票数が物凄いペースでどんどん積み重なっていくのを聞いていた。ちなみに、公式の投票結果発表前には、選挙管理委員会が無効票だったものを大きな画面に映しだし、なぜ無効票であったのかを説明した。
開票現場では、メディアと立候補者と投票者のゾーンは腰までの高さの仕切りで区切られているため、会場全体を俯瞰することができた。そこで感じたのは、「人口700万人を超える先進都市のトップが、『この仕切りの中で決められている』という不条理」である。
海上自衛隊呉基地(広島県呉市)の第5潜水隊に配備された最新鋭潜水艦「せきりゅう」(排水量2950トン)が28日、母港となる呉基地に初めて入港した。
せきりゅうは全長84メートル。運動性能が高い「そうりゅう」型の8隻目で、敵の魚雷を妨害して潜水艦の防衛能力を高めるシステムを新たに搭載した。65人が乗り込む。建造費は約560億円。13日に神戸市の造船所で引き渡し式があり、テスト航行をしていた。
この日朝、呉基地の桟橋で隊員ら約320人がせきりゅうを出迎え、海自呉地方総監の池太郎海将が「艦の伝統は初代乗組員によって築かれる。1日も早く第一線の戦力となるよう訓練に励んでください」と歓迎のあいさつ。艦長の渡辺正裕2等海佐(45)は「しっかり練度をあげてわが国の安全保障に貢献したい」と話した。
海自の現役潜水艦は17隻、このうち呉基地への配備は10隻となった。
朴槿恵(パク・クネ)前大統領(65)の罷免と検察による事情聴取を経て、朴氏の逮捕や起訴がちらつく韓国。5月9日には次期大統領選が控えており、極めて重要な過渡期にある。だが、国政の停滞と混乱は依然続いており、外交や経済は厳しい状況だ。自国の現状と取り巻く現実への戸惑い。将来への不安と焦り。韓国は一層の衰退と再生の岐路に立たされている。(ソウル 名村隆寛)
被害者意識
韓国が対外関係で今、最も困難に直面しているのは中国への対応だ。中国は、北朝鮮のミサイルに対応する米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備をめぐり、昨年から韓国に圧力をかけてきた。
2月末に韓国政府と配備先の韓国南部、慶尚北道(キョサンプクト)星州(ソンジュ)郡のゴルフ場を所有する韓国ロッテグループの系列会社との間で土地交換の契約が結ばれるや、中国からの非難は一層強まり、今月6日にTHAADの装備が韓国に搬入されてから、韓国への嫌がらせはより露骨になった。
韓国製品の不買運動が続く中国では、特にロッテ系の店舗が営業停止に追い込まれたり、店内で客から悪質な嫌がらせを受けたりしている。中国国家観光局による韓国観光商品の販売禁止令も15日から実行に移され、韓国を訪れる中国人の団体観光客は激減した。
現にソウル市内からは中国人観光客の姿が突然消えた。産経新聞ソウル支局がある建物の低層階には劇場が入っており、数週間前までは中国人観光客で連日にぎわい、前の道路には大型観光バスが何台も駐車していた。しかし、今や中国人もバスもすっかり見なくなった。
劇場前にあるコンビニエンスストアのおじさんに「ヒマそうだねえ」と聞くと、「客の60%が中国人だったのに商売にならない」とぼやく。つい先日までは劇の開始を待つ中国人客に愛嬌(あいきょう)を振りまいていたのに、本当にヒマでやる気をなくしているようだ。店を開けたまま、しょっちゅう近所をふらついている。
こうした状況に、観光業界や小売業者に関わらず、韓国では中国の仕打ちに対する被害者意識が日々高まっている。
現実を思い知る
韓国文化体育観光省などによれば、3月1~19日の訪韓中国人観光客は昨年同期比で21・9%減少。4月の韓国旅行の予約も30万人がすでにキャンセルしており、84億ウォン(約8億4000万円)の売り上げ減が予想されている
在中国韓国大使館は事実上の観光客の韓国旅行禁止措置に、中国の外務省や国家観光局に対し文書で懸念を表明した。しかし、その程度の抗議は中国相手には焼け石に水だ。
これくらいのことを中国は平気でやってくるし、何よりも、そのえげつなさが中国らしい。韓国にとって中国は最大の貿易相手国であり、韓国経済の対中依存度は非常に高い。ただ、同情はしつつも、中国の仕打ちにうろたえて被害者意識にさいなまれているのも韓国らしい。
知人の韓国人記者らから、「中国の仕打ちをどう思うか」と聞かれることがある。こちらが「中国らしいねえ。でも、この程度ならまだ手ぬるいよ」と答えると、相手は一瞬黙ってしまう。笑顔を見せつつ、中国は真綿で首を絞めるようなことも平然とやる。「それが中国なんだよ」と現実を教えてあげている。
思い返せばちょうど2年前。日中韓3カ国外相会談がソウルであり、中国の王毅外相が、「歴史認識問題」をめぐってさんざん日本を非難し、韓国をしきりに喜ばせていた。ホスト国である韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相はご満悦だった。
また、同じ年の9月、朴槿恵大統領(当時)が訪中し、「抗日戦勝70年」の記念式典と軍事パレードで、中国側から“異例”の厚遇を受けた。言うことを韓国がよく聞いていたから中国は笑顔を振りまいてくれただけなのだ。
朴氏が罷免され、共犯の容疑者として聴取される今となっては苦笑しつつ振り返るしかない話だが、中国の仕打ちに戸惑う韓国もこの程度の甘い対中認識だった。
またまた日本を意識
中国にいじめられていると感じている韓国。「中国の横暴さ」「中国政府の稚拙さ」(朝鮮日報)と中国こき下ろしに精いっぱいだ。
そんな中、引き合いに出しているのがまた日本。沖縄県・尖閣諸島をめぐり2010年と12年に起きた中国での反日暴動の際の日本側の対応だ。
当時、中国国内では日本系のデパートやスーパー、日本料理店が襲撃され、日本車がひっくり返され破損するなどの暴動が起きた。現在、韓国が受けている被害の比ではない。当時、日本で感じたのは「どうしようもない。でも、この程度の国なんだ」といったあきれた思いだった。
しかし、韓国では中国を「この程度の国」で片付けられない。「あの時の日本の冷静な対応を見習え」といった真剣な「日本を見習え論」がまた、複数の韓国メディアに登場している。中国の仕打ちに戦々恐々としている自らを鼓舞しているかのようだ。
韓国メディアによると、中国ではホテルの出入り口に韓国国旗が敷かれ、国旗を踏まなければ通れないようにしたり、韓国国旗を八つ裂きにしたりするなどの嫌がらせも起きているという。ただ、背景は違うが、韓国でも日常的に行われていることだ。特に日本に対しては集中的にしつこく、頻繁に。
中国の仕打ちに腹を立てる韓国人に、「韓国みたいだ」と言うと、ムッとされたり、苦笑いされたりすることが多い。だが、韓国の反日抗議デモでは、日章旗や安倍晋三首相の写真や人形が踏みつけられたり燃やされたりするのは日常的なこと。一部の者の行いだろうが、似たようなことが韓国で行われていることはほとんど問題視されていない。
韓国だけが取り残される
こうした中、韓国が日本に向ける目は複雑だ。韓国は朴前大統領の疑惑が浮上し以降の5カ月間、首脳外交の事実上の停止が続いている。そのかたわらで、安倍晋三首相は、積極的な首脳外交を展開している。
12月には日露首脳会談、1月には就任直前のトランプ米大統領に会い、2月にも訪米しトランプ氏と再度会談し、トランプ政権下での日米関係を確認した。
今月にはサウジアラビア国王が訪日した。ただ、ここで韓国、特にメディアが気にしていたのはサウジ国王が訪韓しなかったこと。「大統領が弾劾訴追された韓国国内の事情を配慮して訪韓しなかった」との見方を韓国紙はしていたが、真相は不明だ。
ただ、一千人にも上ったといわれるサウジ国王一行が訪日し歓迎を受け、両国の友好関係が東京から伝えられるごとに、韓国メディアには「韓国にだけ来なかった」「ビジネスチャンスを失った」といった失望論がやはり登場した。
さらには、3月中旬に日中韓を歴訪したティラーソン米国務長官の言動も韓国は敏感すぎるほど気にしていた。
ティラーソン氏は随行した米国メディアに対して、日本を「われわれの最も重要な同盟」と呼び、韓国を「重要なパートナー」と表現したそうだが、韓国紙は、この微妙な表現の差別化にこだわっていた。韓国メディアはこの点を韓国外務省に問いただしている。
日本の最近の外交活動を見る韓国には明らかに羨望感がうかがえる。日本外交が好調な一方で、国政が停滞状態の韓国は、指をくわえてそれを見ているしかない。しかも、韓国メディアが日々、嫌悪感をあらわにする安倍首相率いる日本だ。韓国だけの出遅れ。取り残される韓国。そうしたもどかしさや焦りはメディア報道にも表れている。
募る不安と自信喪失
「歴史認識問題」をめぐって、あれほど「安倍!」「安倍!」と憎々しげに安倍首相を批判していた韓国メディアも、最近は元気がない。
「四面楚歌(そか)」「韓国だけ外れている」「のけ者」。いずれも韓国紙が国際社会で韓国が置かれている立場を示した表現だ。疎外感、羨望感、動揺と焦燥感が入り交じったこの複雑な感情。極めて韓国らしい。
韓国が不安感にかられているのは外交だけではない。国民レベルで最も懸念されているのが経済だ。
2月の失業者数は135万人で過去17年で最多。失業率は5%で2010年以来の高水準。若年層(15~29歳)の失業率は12・3%に上る。物価が上昇する一方で、所得は減少。内需は冷え込んでおり、消費性向は過去最低だ
また、家計負債額は1300兆ウォン(約130兆円)。カード債務の返済不能の件数、額も増え続けている。生活費の4割以上を借金返済に充てる限界世帯は134万世帯に達する。
国民経済の行き詰まりに、中国の経済圧力が拍車をかけている。さらに、朴前大統領の疑惑や親友で女性実業家、崔順実(チェ・スンシル)被告の事件にからみ、最大財閥サムスングループの経営トップでサムスン電子副会長の李在鎔(イ・ジェヨン)被告が贈賄などの罪で起訴されるなど、韓国経済を牽引(けんいん)してきた複数の大手財閥の経営にも影響が出始めている。
財界や専門家が長らく警鐘を鳴らしてきたのだが、韓国経済は今まさに、「風前のともしび」(韓国紙)だ。非常にまずい状況に陥っている。
ここでもまた、今年の経済見通しを上方修正した日本を引き合いに出し、韓国は悲観論や不安感が混じり合う中で苦悶(くもん)している。
それでも続く国論の分裂
対中関係の悪化など外交の閉塞(へいそく)状況に加え、経済のさらなる悪化に危機感を強める一方で、韓国では左派と右派の対立に見られる国論の分裂が深刻化している。
朴前大統領が罷免されたことで、念願を達成した左派系の動きは現時点では沈静化している。しかし、今度は右派の保守系世論、特に朴氏の支持派が騒がしい。
朴氏の検察出頭の数日前に行われた“朴槿恵支持”の援集会では「戒厳令を敷け!」「軍は立ち上がれ!」などと、ほぼ実現不可能なことが叫ばれていた。しかも、集まった人々のほとんどが、朴氏の父親の朴正煕元大統領を今も慕っている高齢者だ。
若い世代は就職難にあえぎ、老人は国の将来を憂い、あり得ないであろう軍のクーデターまで要求している。左右の理念対立に加え、世代間でも意識の差が鮮明となっている。
5月9日に次期大統領選挙が行われる韓国。現時点では、左派の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表が有力視されている。韓国ではありがちなことだが、韓国紙によれば、「次期大統領就任」を見越して、すでに文氏の周辺に近づいている官僚が少なくないという。
輝かしい未来は…見込めず
韓国の次期大統領が誰になるのかは韓国国民が決めることであり、その後、韓国が再生するか衰退に向かうかの行方は当然、韓国国民次第だ。ただし、大統領選挙選挙まで1カ月半となる現在、韓国では経済をはじめ、前向きな材料は乏しい。
韓国保健社会研究院の調査報告によると、韓国国民の社会に対する認識は「経済的不安、未来に対する不安が多い」というのが支配的だという。現在への不満が強く、未来もよい世の中にはならないとの考えが多いそうだ。
調査報告の通り、今の韓国には輝かしい未来が期待できそうないい話はない。