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韓国でのけ者にされる脱北者の子女
日本最大の中国情報サイト「Record China」に2日、こんなセンセーショナルな記事が掲載された。
《2013年9月30日、韓国へ脱出後、再び北朝鮮に帰還した元脱北者2人が北朝鮮で記者会見を行い、「韓国社会に適応できずに自殺を選ばざるを得ない脱北者も少なくない。韓国社会は“暗黒の社会”だった」と発言した。韓国・聯合ニュースの報道を引用し、10月1日付で環球時報が伝えた》
同記事によると、韓国統一部の関係者もこれを事実と認めており、その上で現在までに北朝鮮に戻った脱北者が合わせて12人にのぼり、そのうち2人は再び韓国に戻ったが、残りの10人は北朝鮮に留まっていることを明らかにしたという。
さらに、記事の中では朝鮮中央通信の報道として昨年11月のこんな話も紹介している
《2012年11月8日に北朝鮮へ戻った元脱北者の夫婦が人民文化宮で記者会見を行った。会見の席上、女性は記者の質問に対し、「脱北者の子女は韓国の至る所でのけ者にされ、学校では殴られたり差別されたりするため、子供たちは外へ出ようとしない。差別に苦しむあまり絶望して悲観し、自殺する子供もいた。こういった状況を見て、自分たちの子供も同じ目に遭わされるのかと怖かった」と語った》
一昔前、いや数年前ならば、「どうせ北朝鮮のプロパガンダ」と一笑に付された内容である。しかし、それが「今の韓国ならありえるかも」(関係者)と笑えない話となりつつある。
財閥重視が生み出す“歪んだ国力”
韓国の歴代政権は、サムスン電子や現代自動車などの財閥企業を優遇することで、国全体の経済力を高めるという経済政策を続けてきた。公式には認めていないものの、為替介入によってウォン安を誘導する政策を進めてきたのも、輸出企業である財閥企業を後押しするためだ。
しかし、昨年以降のウォン高、また朴槿惠(パク・クネ)現政権が国民の批判を気にして露骨な財閥系企業の優遇策をやや抑えていることも影響してか、韓国経済は低迷。結果、財閥系の中でも資金力に余裕のあるサムスン電子の「独り勝ち」という、歪な状況に陥ってしまっている。
サムスンは韓国の国内総生産(GDP)、輸出総額ともに2割超を占める。裏を返せば、サムスンがこけると、国全体がこけてしまうというのが実情だ。
今や韓国国民にとっての成功とは、サムスンに就職することといっても過言ではない。聯合ニュースによると、サムスングループの今年下半期の採用試験では約5500人の募集に対し、10万人が殺到するという異常な状態となった。
一方でサムスンなど財閥系企業に就職できない人間は、韓国社会では“落ちこぼれ”の烙印(らくいん)を押され、生活的に厳しい状況を強いられることになる。韓国経済に詳しい専門家は「エリートだけが優遇される韓国において、脱北者が適応できず、差別されるのは当然のことかもしれない」と分析する。
2012年の韓国の名目国内総生産(GDP)は5年連続で世界15位。ただこれはサムスンなど一部の大手企業の収益が大きいためで、「韓国国民が世界15位にふさわしい生活をしているとは到底思えない」と前出の専門家は話す。
事実、この指摘は数字にも表れている。朝鮮日報によると、国連人口基金などが高齢者の所得保障や健康状態、雇用などを調べて10月1日に発表した「高齢者が暮らしやすい国」ランキングによると、91カ国・地域のうち、韓国は67位と下位にとどまっている。ちなみに1位はスウェーデンで、日本は10位とアジア最高位だ。
また、韓国では自殺者が数年来、増加している。朝鮮日報によると、韓国統計庁が9月に発表した「2012年の死亡原因統計」では交通事故死亡率と自殺の死亡率がこの10年で逆転したという。人口10万人あたりの自殺者は、02年の17.9人から12年は28.1人に急増。これに対し、交通事故による死者の数は19.1人から12.9人まで減少している。
OECD平均の2倍の自殺大国
この人口10万人当たり28.1人という自殺率は、2006年以来、6年ぶりに低下したものの、それでも経済協力開発機構(OECD)標準人口で算出した自殺率の平均の約2倍。「自殺大国といわれる現状からしても、韓国は決して住みやすい国ではない」(関係者)。
韓国の今年4~6月期の実質GDPは1.1%とプラス成長をみせ、ようやく薄日がさし始めたともいわれている。とはいえ、脱北者に「暗黒社会」と言われる現状をみる限り、経済成長率だけでは推し量ることのできない不安定さを抱えているのは間違いない。
「文化人はその時代を真っ暗だったという。それは戦後に生まれた迷信である」。戦前の真っ暗史観をこう揶揄(やゆ)したのは、コラムニストの山本夏彦であった。ハワイ大学名誉教授、ジョージ・アキタ氏の最新著を読むと、夏彦翁のコラムと同じ感性を感じる。ただ、アキタ教授のそれは、夏彦翁の変則斜め切りでなく、正眼の構えから一気に面を打つすごみがある。
「日本の朝鮮統治は現実主義と相互主義に裏打ちされた、より穏健でバランスの取れた政策の下に実施され、戦後韓国のあの驚異的な発展の奇跡の礎になったとの結論を下すに至った」(「『日本の朝鮮統治』を検証する」 草思社)
アキタ教授はその第1章から、妄想にまみれた民族主義史観を排し、事実を積み上げた研究成果を予告する。微妙な「日本の朝鮮統治」に挑み、韓国と米国の一部にある民族史観に修正の必要性を強調した。日本に「過去を直視せよ」と繰り返す韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領には、実証主義的な歴史学者の声を心静かに聞いてもらいたい。
アキタ氏はまず、元アイオワ州立大学教授のティーターズ女史が、明治維新からわずか一世代のうちに日本が「司法の独立」概念を取り入れたと称賛する論文を紹介する。彼女は明治24(1891)年に来日したロシアのニコライ皇太子が、警備の津田三蔵巡査に頭部を切りつけられる大津事件に着目した。
ロシアの報復を恐れた明治政府と世論は、ロシアに謝意を表し、大逆罪で「死刑に処すべきだ」と主張した。だが、時の大審院長、児島惟謙は皇太子を死に至らしめたわけではないと、謀殺未遂罪を適用して終身刑が妥当と判断した
政界に対する司法の壮絶な戦いを知るにつけ、平成22年に起きた中国漁船衝突事件をめぐる菅直人政権の政治決定を思い出す。仙谷由人官房長官(当時)が菅首相(同)の意向を踏まえ、中国人船長を釈放するよう法務当局に働きかけた(9月24日付産経)。那覇地検は船長を釈放し、官邸は「検察独自の判断だ」と責任を検察に押し付けた。近代化を推進した児島らの近代精神を踏みにじったといえまいか。
アキタ氏はティーターズ論文から、法至上主義の精神は「事件からほぼ20年後に始まった朝鮮の植民地化においても、朝鮮の人々に対する総督府の基本的な姿勢にきわめて重要な影響を及ぼし、公正さ、穏健さ、相互主義などの面で列強の植民地政策をはるかにしのぐ統治を朝鮮において可能に」と指摘する。
韓国でよく聞く「史上もっとも過酷な植民地支配」との非難には、欧米によるアジア植民地化の実態を明かして反証している。米領フィリピンをはじめ、仏独蘭英も含め、多くは強制労働と強制収容所で過酷な生活を強いた。
欧米の植民地政策に比べると、日本の朝鮮政策は教育や産業開発への巨額投資がなされ、公衆衛生に取り組み、ために朝鮮では一度も飢饉(ききん)がおきなかったという。アキタ氏は「従軍慰安婦」なるものが「性奴隷」だったというのは、「不適切な主張」であり、総督府は李朝時代からの悪しきムチ打ち刑を廃止し、「日本と同等の刑法制度を導入している」と指摘する。
朴大統領には耳の痛い話ばかりだが、迷信を冷静に受け止められる人には、真実を知る福音書になる。
「特定の社だけの取材は受けられない。これから本会議だから…」
島根県議会が開会した9月12日。議長の五百川純寿(いおがわ・すみひさ)(64)=自民=は言葉を濁して議長室へ消えた。
同県議会では6月26日に「日本軍『慰安婦』問題への誠実な対応を求める意見書」を賛成多数で可決した。竹島(同県隠岐の島町)問題を抱え、国際問題には敏感であるはずの島根県で、なぜ自民までも賛成に回ったのか。記者の問いに五百川は答えようとしなかった。
根拠もなく旧日本軍による慰安婦募集の強制性を認めた河野洋平官房長官(当時)談話を基にした意見書は超党派によって提案され、民主、共産などに加え、自民も1人を除き賛成し可決された。
《日本政府は1993(平成5)年『河野談話』によって『慰安婦』への旧日本軍の関与を認めて、歴史研究、歴史教育によってこの事実を次世代に引き継ぐと表明しました。(中略)日本政府がこの問題に誠実に対応することが、国際社会に対するわが国の責任であり、誠意ある対応となるものと信じます》
採決の際に退席した自民党県議、小沢秀多(ひでかず)(63)は、「われわれ自民党はいわれのない批判に対し敢然と立ち向かい、日本人は強制連行をやっていないと言わなければならないのに、危機感がなさすぎる」と、身内の対応に憤りを隠せない。
当初、小沢は本会議で反対討論をしようとしたが、自民会派の幹部から止められた。
「異議を唱えるなら、ペナルティーを科さねばならない」
小沢は幹部の冷たい言葉を次期県議選で公認しないという脅しと受け取った。心配した支援者らから説得を受け、小沢は反対討論を断念した。議場退席はせめてもの抵抗だった。
× × ×
議会関係者の間では「意見書」議案に自民党が賛成した理由について「議長選とのバーターだったのでは」といった噂がまことしやかにささやかれる。6月議会で五百川が議長に選出された際、民主会派は賛成票を投じた。自民と歩調を合わせたのは異例の対応だった。
民主会派の会長、和田章一郎(66)は「そんなひきょうな話はない」と「バーター説」を一蹴したが、ただ一人反対した無所属の成相安信(なりあい・やすのぶ)(61)は「民主との水面下の根回しが優先されたに違いない」といぶかる。
成相は議案の本会議提出を決めた総務委員会でこう訴えていた。
「『河野談話』を追認すれば間違った歴史認識が独り歩きすることに島根県議会が手を貸すことになる」
懸念する事態はすでに起こっている。
慰安婦像を設置した米カリフォルニア州グレンデール市議会で7月9日、設置推進派の市議はこう発言した。
「日本でも多くの市議会が慰安婦問題で決議している。私たちは正しいことをしているのだ
「『河野談話』を追認すれば間違った歴史認識が独り歩きすることに島根県議会が手を貸すことになる」
懸念する事態はすでに起こっている。
慰安婦像を設置した米カリフォルニア州グレンデール市議会で7月9日、設置推進派の市議はこう発言した。
「日本でも多くの市議会が慰安婦問題で決議している。私たちは正しいことをしているのだ